平成23年度山梨学院大学・同大学院並びに山梨学院短期大学の合同入学式が4月5日、大学キャンパス古屋記念堂で行なわれた。今年度の入学者は大学951名、大学院38名、短大及び専攻科299名の合計1288名。新入生は咲き始めた桜と山梨学院ウインドブラスアンサンブルの演奏する歓迎の曲に迎えられ 式に臨んだ。古屋忠彦大学長は新入生に向けて、論語に登場する孔子の言葉「学びて時にこれを習う、また説(よろこ)ばしからずや」を紹介し「大いに学び、深く考え、ここ山梨学院で豊かな人間性を養ってください」と式辞を述べた。新入生を代表し短大食物栄養科の宮川美実さんが「様々な分野に挑戦し、社会に貢献できる人 間になるよう努力してまいります」と誓いの言葉を述べた。新入生は、震災復興の願いと自らの成長を胸に、山梨学院での学園生活をスタートさせた。
新年度入学者の内訳は、大学法学部法学科279名、法学部政治行政学科191名、現代ビジネス学部現代ビジネス学科218名、経営情報学部経営情報学科218名、健康栄養学部管理栄養学科45名、大学院社会科学研究科19名、法務研究科19名、短期大学食物栄養科118名、保育科169名、専攻科保育専 攻12名の合計1288名。
新入生は、山梨学院ウインドブラスアンサンブルの演奏する歓迎の曲[ラデツキー行進曲](ヨハン・シュトラウス作曲)に迎えられ、その多くが黒いスーツ姿で式典に臨んだ。会場の古屋記念堂2階席は新入生とほぼ同数の家族で満杯となった。式典は、その冒頭で、東日本大震災犠牲者への黙とうが捧げられた。新入生を代表して短大食物栄養科の宮川美実(よしみ)短大食物栄養科の宮川美実(よしみ)さんが「一日も早い復興を願い、私たちに出来ることを精一杯やって行こうと思います。大勢の仲間とキャンパスで学べることを幸せに感じます。スポーツや文化活動・ボランティア活動に積極的に参加し、様々な分野に挑戦する中で自分を高めていきたいと考えています、 社会に貢献できる人間になるよう努力してまいります」と誓いの言葉を述べた。式典の後、新入生は「大学新入生ガイダンス」「短大入学の集い」「スポーツ強化指定選手認定書授与式」などにそれぞれ参加、夢を胸に酒折のキャンパスを歩み始めた。
(古屋忠彦大学長式辞要旨)
東日本大震災の発生から三週間余りが経ちました。私たちは被災された方々に寄り添いながら、復興に向け気持ちを一つにして、この国難に立ち向かっていかなければなりません。大災害を機に、生かされている命に素直に感謝するとともに、生きている者の責任として、改めて自らの生き方を真剣に考えてみたいもの であります。
新入生の皆さん、若者の知恵と社会を結ぶ架け橋、本学の正門である「蒼穹の門」(そうきゅうのもん)を潜ると美しいキャンパスが広がっています。皆さんには、人生を通じ最も感性豊かなこの時期に、多くの経験と、失敗をも乗り越える力を養ってほしいと願っています。高い目標を掲げれば掲げるほど、何かを為 そうと願えば願うほど、人はあれこれ思い悩むものです。私は、迷いは人間の向上心の証であり、迷ったあげく目標に達するところに人間の真実があると思っています。大切なのは、進路や自分の将来で迷っても、人に安易に判断を頼らず、苦しくても自分で考え抜くことです。
今から二千数百年も前に生きた孔子の言葉『論語』を開くとき、そのことばの一つ一つが二五〇〇年後の私たちの心を強く動かすことに、改めて驚かされます。『論語』の冒頭には、次のような一節が記されています。
「学びて時にこれを習う、また説(よろこ)ばしからずや」
勉強したことを機会あるごとに復習していると、知識がおのずから本物になって身に付いていく、それが愉快だというのです。学ぶということは、単に教えられるということではなく、「時にこれを習う」ことであり、そして、「説ばしい」と思うことなのです。このことばこそ、孔子が生涯にわたって説き続けた思想 の最も見事な要約のような気がしてなりません。なぜなら、『論語』の中で繰り返し語られているのは、学ぶとは何かということであり、学ぶということの楽しさだからです。「一生懸命」な人、ひたむきな人間のところにしかチャンスはやってこない。そう確信しています。皆さんには、向上心を燃やし、粘り強く努力を積み重ね る人であってほしいと願っています。
いつの時代にあっても、青年期にある若者たちは、背伸びをし、虚勢を張り、精一杯つっぱって生きています。しかし、その虚勢、つっぱりは、実は不安と期待の裏返しです。私は、若者には「背伸び」も、精神的な「虚勢」も、知的な「つっぱり」も必要だと思っています。それは、それが、その人間を激しい勢いで 成長させていくからです。虚勢や背伸びは、別の言い方をすれば向上願望です。そのような向上願望をどのように表現し、何に求めるかで、その人の人生が決まってくるのだと思います。社会の変革を実現させるのは自分たちだという気概を持ち、大いに学び、深く考え、社会との接点を大事にしながら、ここ山梨学院で豊かな人間 性を養ってください。 |
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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