
2011年度競泳国際大会代表選手選考会が、静岡県浜松市総合水泳場を舞台に、4月9日〜11日の日程で開幕した。東日本大震災の影響で中止となった日本選手権の代替大会で、震災復興支援チャリティー大会として開催された。7月の世界選手権(中国・上海)と8月のユニバーシアード大会(中国・深川)に出 場する日本代表の座をかける。山梨学院勢は大学から17人、高校から3人が出場、職員の萩原智子は体調不良で出場を辞退した。1日目は、200mバタフライなど6種目の予選・決勝が行われ、平泳ぎの鈴木聡美が、得意の100m平泳ぎで世界選手権派遣標準記録を突破して優勝、代表を内定させた。鈴木は、昨年の日本選手 権で3冠を達成しており、明日の50m、最終日の200mでも優勝を狙い、2年連続の3冠を目指す。そのほかの山学勢は、女子800m自由形の野中瑞姫と男子1500m自由形の菅原和也がともに10位に入った。
大会会場の静岡県・古橋広之進記念浜松市総合水泳場「TOBIO」では、東日本大震災からの
復興支援を願う募金活動が行なわれ、トップスイマーらが募金を呼びかけた。日本体育協会と日本オリンピック委員会を通じて、寄せられた募金は日本赤十字社に贈られ、義援金として被災地に届けられる。また、大会は、表彰式を行わないことになった。
≪女子100m平泳ぎ決勝 鈴木聡美≫
午前中に行なわれた予選をトップで通過した鈴木聡美(3年 九産大九州)は、センターコースの4コースで決勝レースに臨んだ。体の緊張をほぐすために、両手で腕や足を叩き、最後に胸をポンポンと叩いてスタート台に上った。スタートは全選手中最も早い0.59の最高の反応、浮き上がった時にはすでに頭ひとつリードしていた。50mのターンは、自己の持つ日本記録に迫る31秒86、2位以下を1m以上離し、楽勝かと思われた。しかし、この日の鈴木は、後半がいつものようには伸びなかった。逆に泳ぐたびに中学記録を塗り替えている伸び盛りの中3渡部 香生子(JSS立石)に差を縮められる展開となった。それでも派遣標準記録を突破する1分07秒68でゴールして優勝を飾り、世界選手権代表を内定させた。2位に中学新(1分07秒99)の渡部、3位に高3の福留景子(Nb)が入った。
鈴木聡美選手は「世界選手権代表権を取れたのは嬉しいが、目標にしていたタイムよりは大幅に遅れた。周りの人から後半の泳ぎが硬かったといわれ、自分の感覚と周りから見た感覚が違っていた。一致するようにして行きたい。200mでは、今日の100mぐらいのタイムで行って、焦らずに後半も上げるよ うにしたい」と語った。
1日目、このほかの山梨学院勢の成績は、女子800m自由形野中瑞姫(3年 佐賀学園)10位、男子1500m自由形菅原和也(4年 花巻東)10位、須藤勝也(3年 東京立正)22位、女子200m自由形山岸奈央(3年 春日部共栄)17位、女子100m平泳ぎ村上優海(3年 市立船橋)18位、20 0mバタフライ中坊 彩(3年 京都外大西)20位、秋山夏希(2年 山梨英和)24位、男子200m自由形江原騎士(山梨学院高3年)36位。
明日の2日目は、100m自由形など6種目の予選・決勝が行なわれる。山梨学院勢は、400m個人メドレーに期待の加藤和(3年 桜の聖母短大)が出場するほか、女子100m自由形の前原優理(4年 山梨学院高)・山岸奈央ら12人が登場する。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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