２０１１年度競泳国際大会代表選手選考会は、静岡県浜松市総合水泳場で最終日の競技が行われ、平泳ぎの鈴木聡美が２００ｍも世界選手権派遣標準記録を突破して優勝、この種目も代表を内定させた。鈴木は昨年の日本選手権に続く平泳ぎ３種目完全制覇で、２年連続の３冠獲得となった。最終日の山梨学院勢は、鈴 木のほかに１００ｍバタフライの中坊彩と５０ｍ自由形の前原優理の２人が午前中の予選を突破して決勝に進出、タイム決勝１５００ｍ最終組の野中瑞姫とともに夕方からの決勝レースに臨んだ。中坊と前原はともに６位と健闘、野中は９位となった。また、ＯＧの加藤ゆか(東京ＳＣ)が１００ｍバタフライでも連日の日本新で優勝を飾り、代表内定となった。３日間の大会で、山梨学院勢は、鈴木聡美が３冠と世界選手権１００ｍ・２００ｍ代表内定を獲得したほか、中坊・前原・男子の福田真大らが、ジャパンオープン・インカレに向けて確かな手応えをつかんだ。

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≪女子２００ｍ平泳ぎ決勝　鈴木聡美≫
鈴木聡美(すずき　さとみ　３年　九産大九州)は、この日も山学選手席に手を振り、笑顔を見せて入場、いつものように胸をポンポンと叩いてスタート台へ上った。このレースもスタートの反応は全体トップの０.６０、抜群のスタートを切り、２５ｍで早くも頭ひとつリードした。７５ｍで２位に２ｍの差をつけ、１００ｍは日本記録を０秒２９上回る１分０８秒５５でターン、２位との差を３ｍに広げた。レース後本人は「後半バテテしまった」と語ったが、第１人者の金藤理絵（Ｊａｋｅｄ）と伸び盛りの中３渡部香 生子（ＪＳＳ立石）の追い上げを許さず派遣標準記録を突破する２分２４秒３６で優勝、代表内定と２年連続３冠を一挙に手に入れた。鈴木聡美選手は「前半から思い切り行って、後半も伸びることを目標に攻めたが、後半バテテしまった。ベストは出せなかったが、３種目とも取れて良かった。練習の成果が出た面、課題が出た面があり、とても手応えのある大会になった。世界選手権では、表彰台を目指して頑張りたい」と報道陣の質問に丁寧 に答えていた。
 
１００ｍバタフライ決勝を１分００秒４３で泳ぎ、６位に入った中坊　彩（なかぼう　あやか　３年　京都外大西）選手は「５９秒台を出したかったので、目標タイムには届かなかった。前半はベストの入りだったが、後半が落ちた。予選より順位を上げたのは良かったが、結果もタイムも納得が行くようにして行きたい。５月のジャパンオープンでユニバーシアード代表にな れるよう後半もっと粘れるようにしたい」と語った。５０ｍ自由形決勝を自己ベスト（25.83）に迫る２６．０６で泳ぎ６位に入った前原優理（まえはら　ゆり　４年　山梨学院高）選手は「決勝レースは去年のインカレ以来、予選をいい感じで泳げたので、決勝はベストを狙っていきました、切れなかったのはちょっと残念。２月に胃腸炎で体調を崩したが、３月から徐々に上向きに整えて来ました。５月のジャパンオープンで、結果を出して ユニバの代表を取りたい」と話した。２日間で３回の日本新を出し５０ｍ・１００ｍバタフライ完勝で両方の代表を内定させたＯＧの加藤ゆか（東京ＳＣ）選手は「オリンピックのあと５０ｍは良かったが、１００ｍは良くなかった。今日はすごく気持ち良く泳げた。もっと記録を伸ばしていかないと世界では戦えないので、もっと頑張って行きたい」と語った。
 
最終日そのほかの山学勢の成績、
２００ｍ個人メドレー加藤　和（かとう　いずみ　３年　桜の聖母短大）９位、男子８００ｍ自由形菅原和也(すがわら　かずや　４年　花巻東)１１位、５０ｍ自由形下中千明（しもなか　ちあき　３年　北陸大谷）１４位、男子８００ｍ自由形江原騎士（えはら　ないと　山梨学院高３年）２２位、２００ｍ平泳ぎ村上優海（むらかみ　ゆうみ　３年　市立船橋)２２位、２００ｍ個人メドレー七里夏海（しちり　なつみ、山梨学院高２年）２８位、５０ｍ背泳ぎ鈴川麻美（すずかわ　あさみ　３年　愛工大名電)３１位。１００ｍバタフライ松下絵里奈（まつした　えりな、４年　豊川）３７位、２００ｍ平泳ぎ黒部蒔子(山梨学院高１年)４９位、男子２００ｍ平泳ぎ重森俊次（しげもり　しゅんじ　２年　鹿児島情報)５４位。
 
３日間の大会を終えた神田忠彦監督は「鈴木は、狙っていた３冠を獲得するレースが出来て良かった。前原・中坊も健闘したが、チーム全体としてはあまり良くなかった。加藤・秋山・山岸・村上らは調整がうまくいかなかったが、５月のジャパンオープンで充分巻き返せる、しっかりトレーニングを積んで行きたい」と総括した。
練習の成果を発揮したもの、復活を胸に刻んだもの、それぞれが視線を５月のジャパンオープンに移し、心と体をリスタートさせる。
 
文（Ｍ．�T）　カメラ（平川大雪）
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