第63回春季関東地区高校野球山梨県大会(6日目)は4月24日、甲府市の小瀬球場で4試合、吉田市の富士北麓球場で2試合を行った。小瀬球場の第一試合(二回戦)は地区シードの山梨学院と甲府第一が対戦し、山学はエース左腕・廣瀬直紀(2年・富士河口湖シ)が相手打線に対し、毎回奪三振の14三振、3安打、2四球と相手打線を封じ込める2対0の完封で勝ち、三回戦へ駒を進めた。先攻の山学は1回表に、先頭打者の坂上泰斗(2年・静岡裾野シ)が右中間を破る三塁打で出塁すると、3番・丸山陵司(3年・調布シ)が先制の右前適時打。打線はその後、相手投手の直球(最速140キロ)とキレのあるスライダーに手こずりながらも、4回表には二死一三塁で1番・坂上が右線に二塁適時打を放ち追加得点をあげた。山学は4月29日小瀬球場で第四試合(15時30分)上野原と谷村工業の勝者と対戦する。
● 対 甲府第一戦(二回戦)
山梨学院 |
1 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
甲府第一 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
●バッテリー 山梨学院 廣瀬直紀-丸山陵司、甲府第一 亀田貴大-加賀爪匠
●山梨学院 三塁打 坂上泰斗、 二塁打 坂上泰斗 鈴木孝昌
●山梨学院投手 廣瀬直紀 9回 28打数119球 3安打2四死球14三振
●甲府第一投手 亀田貴大 9回 35打数184球 9安打7四死球 8三振
【山梨学院出場メンバー】
◆山梨学院は1回の表、先頭打者の坂上が県内屈指の右腕から3-2と追い込まれたが「外の高目のスライダー」を打ち右中間を深々と破る三塁打で出塁。一死後、3番・丸山は2-2からの「外の低目のスライダー」を右前適時打し坂上を生還させ先取点を奪った。
◆4回表の山梨学院は、6番・武藤泰啓(3年・富士河口湖シ)が四球を選び出塁。続く、7番・鈴木孝昌(3年・八王子シ)の左前二塁打で無死二三塁とした。8番・加藤久也(2年・千葉市シ)の2-0からの3球目スクイズを高目に外され、武藤が三塁と本塁に挟まれタッチアウト。鈴木はその間に三塁に進塁。加藤が四球で一三塁とした。二死一三塁、1番・坂上は2-1からの「真ん中高目の直球」を右線に弾き返し二塁適時打で2対0とした。
◆投げては、エース左腕・廣瀬が、4回まで3人ずつで切って取る三振6、四球1の好投。廣瀬は5回の裏、一死から5番に右前への初安打を許すが、後続を三振に打ち取る。6回裏には、先頭打者8番に左前安打され無死一塁、続く9番打者の初球の犠打がフライとなり、そのフライとなった犠打を主将・田口が三塁か ら猛ダッシュで捕り一塁に送球し併殺。廣瀬はバックにも助けられ、続く1番打者を落ち着いて三振に仕留める。7回裏には三振の一死後、四球と内野安打で一二塁とされるが、落ち着いて後続を外野フライに打ち取る。8回は3者を三振に打ち取る力投を披露。最終回には内野ゴロ、内野フライ、三振と切って取り、毎回三振を奪 う快投で完封した。
□二塁打2本、1打点1得点の切り込み隊長・坂上泰斗(2年・静岡裾野シ)は「今日は、初戦だったが、集中して打席に立てた。甘いボールは積極的に打つのが自分の持ち味。次の試合も積極的に行きたい」と、笑みを浮かべながらも淡々と述べた。
□出塁率100%の2打数2安打1打点、3四球の丸山陵司(3年・調布シ)は「初戦の初回、廣瀬やチームをリラックスさせるために、坂上を生還させたかった。上手に低目のスライダーを打てた。自分の役割は、打率より出塁率だと心得ているので、最高の出来でした」と振り返った。捕手としては「廣瀬はストレートは走っていたが、廣瀬らしいスライダーの切れが無かったので、甘く入らないように配球を散らすことに心掛けた」と好リードした。
□28打数119球3安打2四死球14三振のエース左腕・廣瀬直紀(2年・富士河口湖シ)は、「たまたま、三振が取れただけ。無駄な四球を出したり、打者の初球にカウントが取れないなど50点の出来だった。次回は、そういう所に注意し、リズムを崩さないようにしたい。また、バックの守備に感謝したい」と、自身に辛口の評価を下した。
□4打数2安打、1四球の5番で主将の田口蒔人(3年・青葉緑東シ)は、「廣瀬は結構まとまっていた。打撃陣は、チャンスでボール球に手を出し、思うように点数が取れなく、流れが悪かった。このチームは打線には自信があるので、次回からは初球から積極的に行けるように心掛けたい」と、試合を振り返った。
□須田喜照監督は、「相手の亀田投手は最速140キロでスタミナも後半落ちずに138キロとストレートが走り、最後までスライダーのキレも良かった。本校の攻撃陣は再三ランナーを置き、後一本が出なかった。低目のスライダーの見極めに注意を促していたが、徹底できなかった。初戦、良い投手に当たりチームにとっては良いスタートとなった。県内屈指の右腕。勝てて良かった」と、相手投手を讃え胸を撫で下ろしていた。また、エース廣瀬については、「毎回三振を取れる投手ではないが、今日は外のコントロールが良かった。オープン戦では打たれたが、今日は1番良い投球を見せてくれた。左腕の廣瀬は、外のコントロールさえ良ければ打たれることは無い」と、エースに合格点をつけた。文(H.K)、カメラ(平川大雪)
アルバムはこちら