
高校サッカー部とクラブユースチームが同じ舞台で戦う高校生年代最高峰のリーグ戦「高円宮杯U−18サッカープリンスリーグ関東」に新参入した山梨学院高サッカー部が、2部リーグの台風の目となり青い旋風を巻き起こしている。4月29日の開幕戦で水戸商業を8−2、5月4日の第2戦で佐野日大を3− 1で下し、8日にホームの山梨学院和戸サッカー場に埼玉・西武台高を向かえて第3戦を戦った。試合は、前半30分に主将のFW白崎凌兵が先制点を奪い、後半も押し気味に試合を進めた山梨学院が1−0で西武台を下し、開幕3連勝を飾った。勝ち点9、得失点差+9でグループA首位を守った。プリンスリーグは、6月は試合 がなく、7月に再開され12月までホーム&アウェー方式で長期間にわたりリーグ戦を展開する。
全国を北海道から九州までの9地区に分けて行われるサッカー「プリンスリーグU−18」は、今年度から大会名称が「高円宮杯U−18サッカーリーグ プリンスリーグ」に変更された。リーグ戦の上位に東日本と西日本の2ブロックで構成される「プレミアリーグ」が新設され、両プレミアリーグの優勝チーム が「チャンピオンシップ」戦で高校生年代最強の座を争うことになった。
山梨学院高が参入した「プリンスリーグ関東」は1部リーグ10チーム(鹿島アントラーズFCユース・市立船橋高・桐蔭学園高など)。2部リーグ16チーム(グループA山梨学院高・湘南ベルマーレユース・駒沢大高など8チーム、グループB 柏レイソルU−18・川崎フロンターレU−18・真岡高など8チーム)で構成されている。試合会場にJリーグチームのスカウトが駆け付けるハイレベルな戦いが繰り広げられる。
高円宮杯U−18サッカープリンスリーグ関東2部A第3戦
≪山梨学院高vs西武台高≫(5/8) 於 山梨学院和戸サッカー場 |
○ 山梨学院高 1 |
前半 1−0
後半 0−0 |
0 西武台高 ● |
得点 白崎凌兵 |
両校のユニホームは、山梨学院がプルシアンブルーの青一色、対するアウェーの西武台は白一色、風はあるものの夏のような強い日差し、体感気温30度の人工芝で熱戦が展開された。両チームの布陣は、ともに4−4−2システム、序盤は一進一退の攻防が続いた。9分に西武台が放った強烈なミドルシュートは U−18日本代表GKの山田修平(やまだ しゅうへい 3年)がパンチングで防いだ。試合が動いたのは前半30分だった。MF山口聖矢(やまぐち せいや 3年)のクロスボールに反応したMF萱沼優聖(かやぬま ゆうせい 3年)がゴール前で相手DF陣と競り、こぼれたボールを高校選抜日本代表のFW白崎凌兵(しら さき りょうへい 3年)主将が落ち着いて先制ゴールを決めた。山学は前半の途中から、中盤でしっかりパスをつなぐ自分たちのサッカーを展開し始めた。そして、後半は得点こそ奪えなかったがボールを7割がた支配する試合運びを見せた。しかし、終了直前の時間帯で、マイボールを相手にカットされて危険な場面を招くミス を犯すなど、西武台を1−0完封したが、DF面でバタバタする課題も見られた。
白崎凌兵主将は「試合に勝ったのはいいが、内容的には悪いボールの失い方をすることが時々あった。内容にもっとこだわって行かないともっと上がった時に勝てない。個人的には1試合に1点を取るのが自分の仕事、もっと取れたし、もっと味方を活かせた。まだコンディションが整っていないので体を作っていきたい」と話 した。
吉永一明監督は「ゴールデンウィーク中に3試合を戦い、しんどい中で勝ち点9を取れたのは収穫。課題はたくさんあるが、メンバーを固定せずに課題を皆で共有して、12月までトップに立ち続けるのが目標。7月のリーグ再開にいい形で臨めるよう準備したい」と語った。
記憶に残る2010年1月11日、山梨学院高にとってはルネサンスイヤーの年に、全国高校選手権初出場初優勝の快挙を成しとげ、昨年は選手権2年連続出場ベスト8、そして今年は、最高峰のプリンスリーグへ参入。全くの無名チームから、わずか1年4カ月で強豪校の仲間入りをした山梨学院高サッカー部は、一歩一歩着実 にチーム力を高め、時に大胆にシュートを放ち、更なる高みを目指す。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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