
競泳ジャパンオープン2011「長水路」が、会場を大震災の被害を受けた東京辰巳国際水泳場から大阪府立門真スポーツセンターなみはやドームに移し、東日本大震災復興支援チャリティー大会として、5月20日から3日間の日程で開幕した。ユニバーシアード大会と世界ジュニア選手権代表選考会を兼ねた大会に 、山梨学院から高校生3人を含む男女20人が出場している。世界選手権代表の鈴木聡美と、体調不良の萩原智子は欠場した。初日は、決勝進出者を出せなかったが、2日目の山学勢は奮起した。大震災の被災地福島出身で、4月の日本選手権では水泳に集中できなかった加藤 和が、ショックから立ち直り400m個人メドレーで 3位の表彰台に上った。また、チームの主将となった前原優理が、100m自由形決勝で4人の日本代表と対等に渡り合い、大激戦を演じて惜しくも5位となった。この他、山岸奈央が100m自由形B決勝で2位となり、全体の10位となった。
≪女子400m個人メドレー決勝 加藤 和≫
加藤 和(かとう いずみ 3年 桜の聖母短大)は福島市の出身、実家は屋根瓦の一部とブロック塀が倒れた程度の被害だったが、原発の近くに住む祖母が実家に避難するなど、しばらくは水泳に集中できない日々を過ごした。最近ようやくショックから立ち直り、練習を積んで大会に臨んだ。予選2位で通過し、5 コースで泳いだ。最初のバタフライは5位、次の背泳ぎでは6位と低迷したが、得意の平泳ぎで一気に3位に上がり、最後のクロールも安定した泳ぎで、4分42秒16で3位となった。優勝は、高2の大塚美優で4分38秒05の高校新を樹立した。
加藤 和選手は「気持を落ち着かせて、丁寧に泳ぐことを心がけました。予選より1つ順位を下げたが、タイムは上ったので、まあまあだったと思う。少しずつタイムを出せるように、自分のペースでしっかりやっていきたい」と語った。
≪女子100m自由形決勝 前原優理≫
前原優理(まえはら ゆり 4年 山梨学院高)は、最上級生となり、チームを牽引する女子チーム主将となったことがいい刺激になり、4月の日本選手権に続いてこの大会でも調子を上げて決勝に進出した。落ち着いた晴れやかな表情で入場してきた。スタートの反応はまずまずの0,71、一緒に泳ぐのは、上田春佳、松本弥生、山口美咲、北川麻美の4人の日本代表と2人の高校生ら、前半から飛ばして後半踏ん張るタイプの前原は、50mの折り返しは3位で通過した。後半も粘りほぼ横一線でゴール、1位は松本で、2位上田、3位・4位は高校生で、前原が5位(56秒45)、代表組みの山口・北川を押さえての5位入賞と健闘した。
前原優理選手は「2年のインカレがベスト(56秒22)タイムです。調子は良いと感じていて、ベストを狙っていたので更新できなかったのは悔しい。キャプテンになりチームを引張らなくてはという気持ちが強くなりました。インカレは3連覇がかかっているので、皆で励まし合い自信を持って臨めるようにしたい」と述べた。
この他、100m自由形B決勝に進んだ山岸奈央(やまぎし なお 3年 春日部共栄)が2位(56秒99)に入り、全体の10位となった。
山岸奈央選手は「長水路では始めてのB決勝進出、大学に入って始めて56秒台を出せました。前半から行って、後半はキックを使って沈まないように努めました」とインカレへの手応えをつかんでいた。また、OGの加藤ゆか(東京SC)が得意の50mバタフライで優勝した。
加藤ゆか選手は「世界選手権では、必ず選考会のタイムを上回って決勝に残りたい」と語った。
大会は、明日22日が最終日、山梨学院勢は女子200m個人メドレーに加藤 和・村上優海・福田真大、50m自由形に前原優理・下中千明、100mバタフライに中坊彩・秋山夏希・松下絵里奈らが出場する。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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アルバム加藤 和選手 |
アルバム前原優理選手 |