競泳ジャパンオープン２０１１「長水路」は５月２２日、大阪府立門真スポーツセンターなみはやドームで、大会３日目の男女５種目の予選・Ｂ決勝・決勝を行った。山梨学院勢は、男女１７人が最終日のレースに挑んだ。このうち２００ｍ個人メドレーの加藤　和、５０ｍ自由形の前原優理、１００ｍバタフライの中 坊　彩の３人が決勝に進出した。福島出身の加藤は、大震災のショックから立ち直ったことを立証する自己ベストを記録し復活優勝、ユニバーシアード代表を獲得した。５０ｍ自由形の前原は前日の１００ｍより一つ順位を上げて４位、１００ｍバタフライの中坊は自己ベストを打ち立てての５位、タイム的には嬉しいタイムを出し たが、あと一歩のところで表彰台を逃した。前原と中坊は、ユニバーシアード代表を狙って大会に臨んだので、嬉しさ半分、悔しさ半分でジャパンオープンを終えた。

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≪女子２００ｍ個人メドレー決勝　加藤　和≫
加藤　和（かとう　いずみ　３年　桜の聖母短大）は、４月の選考会は精彩を欠いたが、今回はしっかり調整して来た。午前中の予選を自己ベスト（２分１３秒３６）に迫る２分１３秒８０で泳ぎ予選トップで通過、「予選としてはいいタイムが出たので、決勝は１２秒台を狙って、しっかり丁寧に泳ぎたい」と決勝レ ースに臨んだ。いつものように淡々とした表情で入場し、センターコースのスタート台に上った。誰よりも高く舞う０,７１の反応で入水した。後半型の加藤は、最初のバタフライは５位で通過、つぎの背泳ぎで３位に上がり、得意の平泳ぎでトップに、最後のクロールは危なげなく逃げ切った。タイムは２分１２秒９９、狙い通り自身初の１２秒台を記録して優勝を獲得した。加藤　和選手は「予選の感覚が良かったので、ベストを狙って、落ち着いて丁寧に泳ぐことを心掛けました。まだ、戻っていない部分があるので、インカレに向けて少しずつ直して行きたい」と冷静にレースを振り返った。大会後の代表選考会で、一足先に選出されている鈴木聡美とともに、ユニバーシアード代 表に選ばれた。
 
≪女子５０ｍ自由形決勝　前原優理≫
前原優理（まえはら　ゆり　４年　山梨学院高）は、予選を４位で通過。入場する花道で神田忠彦監督からアドバイスを受けて６コースに向かった。スタートの反応は、０,７２、５０ｍにしてはちょっと遅かったが、そこから猛然とフル回転で一気に泳ぎ終えた。タイムは２５秒９３で４位、ほんのわずかな差で表彰台とユニバーシアード代表を逃した。前原優理選手は「スタートは遅かったが、予選も決勝もうまく泳げました。あと一歩だったので悔しい」と振り返り、主将として臨むインカレでは、チームの３連覇に貢献することを心に誓った。
 
≪女子１００ｍバタフライ　中坊　彩≫
中坊　彩（なかぼう　さやか　３年　京都外大西）は、予選を自己ベスト（１分００秒３５）に迫る１分００秒３８で泳ぎ、７位で通過した。「予選は後半が良くなかった。決勝では、前半も後半も落ち着いてしっかり泳ぎたい」と１コースのスタート台に立った。隣の２コースを泳ぐのは、先輩の加藤ゆか（東京ＳＣ ）、高３の時には、雲の上の存在だった加藤と初めて決勝レースで対決した。誰よりもいい０,６８の反応で入水した。スタートからトップに立った加藤を追い５０ｍは４位（２７秒８９）で通過した。後半も懸命に粘り、自己ベストの１分００秒１７をマーク、予選より順位を２つ上げて５位に入った。中坊　彩選手は「ベストを出せたのは嬉しいが、５９秒台を出したかった、ユニバーシアードに行きたかった」。半分笑顔で、半分泣き顔でインタビューに答えた。
 
この他、女子５０ｍ自由形Ｂ決勝に進んだ下中千明（しもなか　ちあき　３年　北陸大谷）はＢ決勝４位（２６秒２７）全体１２位となった。下中千明選手は「４月から調子が悪くて苦しんでいたが、最近にしてはまあまあのタイム。インカレまで大会がないので、その間にパワーをつけて臨みたい」インカレでの巻き返しを誓った。ＯＧの加藤ゆか(東京ＳＣ)は、昨日の５０ｍに続き１００ｍバタフライでも優勝した。加藤ゆか選手は「７月の世界選手権では決勝進出を目指します。来年が本番なので、それに向けて体を作って行きたい」と語った。
 
３日間のレースを振り返り、神田忠彦監督は「４月の選考会から、日程が詰まっていて充分な調整が出来なかったが、能力の高い人間は、それなりの結果を出してくれた。まあまあだった。前原は、リレーメンバーでユニバーシアードに選ばれる可能性はあったが、そこまで枠がなかった」と振り返った。
 
文（Ｍ．�T）　カメラ（平川大雪）
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