
独創的な教育実践に取り組んでいる山梨学院小学校で5月28日、「スポーツフェスティバル2011」が行われた。学年の壁を取り払う山梨学院小独特の課題探求型学習「スポーツプロジェクト」の集大成として、大学キャンパス内古屋記念堂を会場にして開催された。春の「スポーツプロジェクト」は、秋の「オクトーバープロジェクト」、冬の「ウインタープロジェクト」とともに、山梨学院小の3大プロジェクト。プロジェクト期間中の2週間は、1年から6年まで の全学年の壁が取り払われる。スポーツフェスティバルは単なる運動会ではなく、中国の昔話に登場する四つの方向を守る青龍・朱雀・白虎・玄武の4チームに編成された各チームが、この2週間に学びとった知識を「走る」「投げる」「跳ぶ」などの運動要素と関係づけて競い合う場。全校児童が、天地を駆けめぐるフェスティバ ルとして、プロジェクトを完結させた。
会場の古屋記念堂には、東の青龍・南の朱雀・西の白虎・北の玄武の各チームが、それぞれ2週間かけて描き上げた巨大な4枚の「会場装飾画」が飾られ、児童とお揃いのTシャツなどで駆けつけた保護者らで2階の応援席は埋まった。388人の子どもたちは、97人ずつの4チームに分かれ、教師の助けを借りなが ら、競技の準備から、得点集計までを自分たちの力で行う自主運営に取り組んだ。競技方法は、チーム対抗団体戦。種目ごとに、優勝・2位・3位・4位の得点がチームに与えられ、その合計得点で総合成績が競われる。
オープニングの表現運動に始まり、時を待つ息吹(4年生によるリレー)、高鳴る鼓動(1・2年選択障害物競走)、大いなる創造(5・6年選択大縄跳び)、民衆の願い(1年玉入れ)、創意と工夫に満ちた競技が次々に展開されて行く。中盤の山場は、各チームの代表6人がたすきをつなぐ"つぎなる希望"(全校選択駅 伝)。晴天だと屋外の部分も計画されたが、雨のため屋内に限定して実施された。体育館内のトラックを1・2年生は2周、3・4年生は3周、5年生は4周、アンカーの6年生は5周してゴールにたすきを運んだ。途中で逆転に成功した青龍チームが、6分09秒の新記録を樹立して優勝した。
後半は、知識の泉(3・4年選択早押しクイズ)など、運動能力以上に知識力が求められる競技も繰り広げられた。門の開放(5・6年選択ボール投げ)、恵を得た大地(3・4年選択ボール送り)、最後の乱(6年騎馬戦)と続き、最も盛り上がったのが、ラストの"駆けめぐる4つの力2"(4・5・6年選択リレー)、 各チームの高学年代表12人が、一人1周ずつトラックを駆け巡った。積み重ねられた各チームの得点合計は、優勝玄武チーム650点、2位青龍チーム620点、3位白虎チーム560点、4位朱雀チーム550点となった。
全ての競技を終えたあと、2週間のプロジェクトを振り返るスライドショーが上映され、子どもたちはそれぞれが思い出を胸にしまった。この日、進行役を務めた児童の一人は「1年から6年まで、深い絆が出来ました。競い合うだけでなく、力を合わせて、みんなで助け合う山梨学院小学校にしていきたいと思います」と言 葉を結んだ。
文(M.I) カメラ(平川大雪)
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