
陸上競技がトラックを中心に本格的シーズンに入った。そのトップを切り6月18日に神奈川県平塚市総合公園平塚競技場で行なわれた「2011日本学生陸上競技個人選手権大会・10000m競歩」で山梨学院大勢がワン・ツーフィニッシュを決めた。優勝したのは、2年の笹川友輝。先輩の藤沢勇が2008年に出した記録を抜く41分07秒25の大会新記録で初の大学日本一に輝いた。2位には、3月に行われた「日本学生選手権2 0km競歩」で優勝し、8月に中国で行われるユニバーシアード大会日本代表に決まった4年の青野大地が入った。二人を指導しているのは、シドニー五輪日本代表で、いまだに破られない15km競歩と20km競歩の日本記録保持者、山梨学院大が生んだ偉大な先輩、柳沢哲コーチ。東京大学生涯スポーツセンターに勤務しなが ら母校の陸上部コーチとして、競歩の後輩たちの練習メニューを作成し、毎月川田『未来の森』運動公園陸上競技場を訪れて、直接指導に当たっている。先輩と現役が一体となって作り上げる"競歩最強大学"を実証する1位・2位独占となった。
雨が降りしきる平塚市総合公園平塚競技場、レース開始時刻は18日夕方5時21分。山学大の二人は、序盤から先頭集団を形成して、他の選手の動きを伺った。レース中盤で優勝争いは、山学大の青野大地(4年 別海)・笹川友輝(2年 桂)と順天堂大の木村洋介の3人に絞られる展開となった。残り10周で順大の木村が遅れ、ここからは山学2人の一騎打ちとなった。先輩の青野が前を行き、後輩の笹川があとを追う。残り2周で青野がスパート、笹川は一瞬置いていかれたが、ここから粘り残り500mで逆転。最後の1周は笹川がさらにその差を広げ、大会 新記録を打ち立てて優勝を飾った。笹川友輝選手は大月市猿橋出身で桂高校から山学大に入学した数少ない山梨出身組「大会新を目標に試合に臨みました。全国の強豪との戦い、序盤は他の選手の動向を見て慎重に入り、中盤から先輩との勝負となりました。ラスト2周で先輩にスパートされて焦りましたが、残り500mで勝負を かけました。先輩とのスピード勝負に勝てたことは自信になります。全日本インカレで優勝を狙いたい」と語った。2位の青野大地選手は北海道別海町の出身、別海高から山学大に入り努力を重ねて実力を伸ばしてきた「自己ベストを狙っていました。勝てなかったのとベストを出せなかったのは悔しいが、セカンドベストなので、 力は付いていると思う。8月のユニバーシードに出場できるので、ここでベストを出して世界各国の選手と競い合いたい」と語った。最強の先輩の指導と最高の環境で黙々とトレーニングに励む山学大競歩勢は、全員が切磋琢磨して競い合い、さらなる高みを目指す。
文(M.T) カメラ(堀内武史)
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