
平成23年度全国高校総体(インターハイ)サッカー山梨県予選は6月25・26の両日、富士北麓公園陸上競技場で準決勝・決勝を行った。山梨学院高サッカー部は、25日の準決勝で日本航空高と対戦し大苦戦した。前半に2点を奪われ、後半のロスタイムにやっと追いつき、延長戦で3−2と逆転、薄氷を踏む思いで決 勝に進出した。26日の決勝の相手は高校総体で敗れた帝京三高、この試合は前半7分にPKを決めて1−0と先行、前半は山学のペースで試合が運び、楽勝かと思われた。しかし、後半開始早々から帝三が猛反撃して来た。細かいパスを正確に回して山学DF陣を翻弄、次々に攻め上がり攻守が全く逆転した。一方的な波状攻撃を 繰り返された末の21分、ついにゴールを割られた。山学ベンチは、追いつかれた直後に体調が万全でない主将の白崎凌兵を投入、ようやくゲームが落ち着いた。一進一退の攻防が続いた延長後半14分、その白崎が、決勝のヘディングシュートを決めてようやく2年連続3回目のインターハイ出場権を獲 得した。
≪準決勝山梨学院高vs日本航空高≫(6/25)於 富士北麓公園陸上競技場 |
○ 山梨学院高 3 |
前半 0−2
後半 2−0
延長前半 1−0
延長後半 0−0 |
2 日本航空高 ● |
得点 名嘉真朝季2・山口聖矢(山学)、栗山将太・原大地(航空) |
両チームの布陣は、日本航空は1ボランチに7番石川雅人(3年)、1トップに10番鈴木翔太(3年)を配する4−1−4−1の布陣。山梨学院は2ボランチに6番荒木克仁(3年)7番中川大海(3年)を置く4−4−2のシステム。試合は、航空が前半6分と32分に、ともにコーナーから2得点を挙げた。山学は両サイドの9番山口聖矢(3年)と11番佐藤舜真(3年)のドリブル突破からチャンスを作るが航空の体を張ったディフェンスに得点を奪えず前半終了。山学ベンチは後半早々から14番木下怜耶(3年)16番名嘉真朝季(2年)を投入、さらに後半18分に痛みを抱えた主将の10番白崎凌兵(3年)を投入した。この3人が、スピードを生かした攻撃からチャンスを作り、名嘉真がロスタイムに2得点目を上げて同点に追いつき、延長前半に山口が決勝ゴールを決めて、敗戦直前の絶望の淵から這い上がり、決勝進出を決めた。
≪決勝山梨学院高vs帝京三高≫(6/26)於 富士北麓公園陸上競技場 |
○ 山梨学院高 2 |
前半 1−0
後半 0−1
延長前半 0−0
延長後半 1−0 |
1 日本航空高 ● |
得点 荒木克仁・白崎凌兵(山学)、板垣将史(帝三) |
得点 荒木克仁・白崎凌兵(山学)、板垣将史(帝三)
帝京三は4−1−3−1の布陣、山梨学院は18番樋口拓弥(3年)1トップ気味の4−4−2の布陣で試合が始まった。山学は立ち上がりから前線の18番樋口と8番萱沼優聖(3年)、両サイドの9番山口聖矢と11番佐藤舜真が相手ボールにプレッシャーを掛け、常にゴールに向かう姿勢を見せる。その姿勢がPKを生むことになった。前半7分、高い位置で相手のボールを奪いペナルティーエリア内に走り込んだ佐藤が倒されてPKを獲得。これを6番荒木克仁(3年)が冷静に右隅に決めて先制した。早い段階の得点で勢いに乗った山学は、前半はほとんど相手陣でゲームを進めたが、追加点を奪うことは出来なかった。そして、帝三はハーフタイムの指示で流れをガラッと変えた。人と人との距離を近づけ、ボールを動かしながらいいタイミングで飛び出し、ゴール前に次々 に迫った。前日の延長戦の疲労なのか、山学ナインの足が止まったように見えた。後半の開始20分間の運動量は、完全に帝三が山学を上回った。そして21分にボールを綺麗に回され、途中出場の板垣将史(3年)に決められて同点に追いつかれた。山学ベンチは、体調が万全ではなく、出来れば休ませたかった主将の白崎凌兵をここで投入、ようやくゲームが落ち着いた。両チームともに暑さと疲れの中で激しく攻め合い、互いにゴールバーに当たるシュートを放った。一進一退の攻防が続いた延長後半14分、白崎が決勝のヘディングシュートを決めてようやく2年連続3回目のインターハイ出場を決めた。
白崎凌兵主将「個人的には、30%ぐらいの出来だったが、全力で点を取りに行った。チームとしては、準決勝も、決勝も、延長までいく厳しい戦いだったが、戦い抜いたことで自信になった。1か月間しっかり調整して、全国と勝負したい」。藤原光晴副主将「後半はラインがズルズル下がる場面があった。下がるな と指示を出し続けた。連チャンで疲れはあったが、総体で負けた借りは返した。全国で勝てるよう皆でしっかり練習する」。
吉永一明監督「厳しい中でやれることをやってくれた。白崎は将来のある選手、しっかり治して万全な状態で臨めるようにケアしたい。一つの関門は突破できたが、攻撃はもっと集中して上げていく必要がある、ゴールを守るディフェンスもまだ甘い。全国は、当然簡単には勝てない。全体的にレベルを上げ ていかないと上には行けない」ここがスタートラインと語った。
「2011熱戦再来 北東北総体」サッカー競技は、7月27日に競技種目開会式が行われ、28日から8月3日までの間、秋田県秋田市・男鹿市など3市8会場で開催される。
文(M.T)カメラ(八巻和夫・今村佳正)
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アルバム準決勝戦)(
アルバム決勝戦)