
平成23年度第30回全日本大学ホッケー王座決定戦は7月2日、奈良県天理市の天理大学親里ホッケー場で男女の準決勝戦を行った。男女ともにベスト4に進出した山梨学院大ホッケー部は、女子が午前中に昨年の優勝校東海学院大と対戦した。開始11分に失点したが、前半20分に同点に追いつき、後半に2点を奪って 3−1で逆転勝ち、決勝進出を決めた。一方、山学男子は、午後から岐阜の朝日大と対戦した。試合開始からわずか8分の間に2点を奪われる最悪のスタートとなったが、後半に2点を奪い返し同点で試合終了。試合の決着は、代表5人によるPS(ペナルティー・ストローク)戦に持ち込まれる戦いとなった。結果は3−4と惜敗 。山学大ホッケー部は、男女揃ってのアベック優勝を胸に大会に臨んだが、男子は昨年同様に朝日大に準決勝で敗れる形で決勝進出を逃した。決勝進出を果たした女子は、明日3日に天理大を下して進出してきた立命館大と対決する。山学女子は、3年ぶり3度目の女王の座を射止めるシュートを必ず決める。
全日本大学王座決定戦は、北海道、東北、北信越、関東、東海、関西の地区代表男女各12大学が出場し大学日本一の座を争う。男女ともに関東第1代表の山学大は、1日の2回戦から登場した。女子は、東京農大を8−0の大差で下し準決勝に進出。男子の2回戦の対戦相手も東京農大で、男子は2−1の僅差で勝利、とも に準決勝に進んだ。
2日準決勝、最初に女子が午前11時40分から東海学院大と激突した。
平成23年度全日本大学ホッケー王座決定戦 女子準決勝
≪山梨学院大vs東海学院大≫(7/2)於 天理大親里ホッケー場 |
○ 山梨学院大 3 |
前半 1−1
後半 2−0 |
1 東海学院大 ● |
得点 田中泉樹・三橋亜紀・中畝地里沙(山学)、大橋彩佳(東海) |
関東第1代表ながら、集中豪雨の中で行われた昨年は準決勝敗退の山学大女子は、この大会第4シード。一方、東海第1代表の東海学院大は、昨年は天理大を下して優勝した大会3連覇を目指す第1シード。女王の座を賭けた戦いは、東海学院大が先制して始まった。前半11分に与えたPC(ペナルティー・コーナー)から 大橋彩佳にタッチシュートを決められた。しかし、山学女子は焦ることなく非常に落ち着いていた。日本代表チームの一員としてヨーロッパ遠征から帰国したばかりの7番三橋亜紀(4年 築館)と代表を辞退してチームに専念する5番永山加奈(4年 桶脇)らの上級生と、苗字に揃って"田"が付く1年生の"田・カルテット" 10番田中泉樹(不来方)、9番山田明季(羽衣学園)、26番高田結菜(横田)、28番岡田彩果(石動)ら下級生が連携して攻め上がり、前半20分にPCを獲得。これを田中泉樹が決めて同点で折り返した。後半7分に三橋亜紀が珍しくタッチシュートを決めて逆転に成功した。14分に相手にPCを与え、再び東海の大橋が タッチシュートを狙ってきた。しかし、GKの3番永山衿香(3年 桶脇)が今度は読んでいて冷静に弾き返した。17分にもPCを与えて、今度は強烈な直接シュートを打ち込まれたが、横に倒れた足先で防御。キーパーの永山が2連続ファインセーブで山学のピンチを救った。そしてその直後の後半18分、相手陣深くに攻め込 んだ山学は、サークル内の右から左にボールを回し、最後は6番中畝地里沙(3年 桶脇)が本人も「あんなに見事に決まったのは初めて」という芸術的なリバースヒットシュートを豪快に決めて3−1と突き放し、そのまま試合終了のホーンを向かえた。
GW永山衿香選手「山学のゴールを守り切るんだ、力を出し切るんだという気持ちで戦いました。2本のあのシュートは体が勝手に反応しました、明日もしっかり守ります」。
三橋亜紀選手「来ると思って体が反応しました。タッチシュートはあまり決めたことがないので自分でもビックリです。ここまで来たら優勝したい」。
中畝地里沙選手「練習で取り組んではいますが、リバースヒットシュートがあんなに見事に決まったのは初めて。サポートしてくれている人、試合に出れない人のためにも優勝したい」。
ジョン・シアン監督「先制点を取られても崩れなかった、堂々と戦って勝った事は自信になる。決勝は、当然厳しい戦いになるが、相手やスコアは気にしない。自分たちがやることは決まっている、自分たちが練習してきたゲームプランをしっかりやり切る事、そうすれば優勝できる」指揮官は冷静に頂点を見詰 める。
男子の準決勝第2戦は、山学大と朝日大の対戦、午後3時14分に開始された。
平成23年度全日本大学ホッケー王座決定戦 男子準決勝
≪山梨学院大vs朝日大≫(7/2)於 天理大親里ホッケー場 |
● 山梨学院大 2 |
前半 0−2
後半 2−0
PS戦 3−4 |
2 朝日大 ○ |
得点 塩川直人・西川尚裕(山学)、藤原広人・木佐貫亮(朝日) |
山学男子は、5年ぶり2度目の優勝を目指して準決勝戦に臨んだ。しかし、立ち上がりが非常に硬かった。開始直後から激しく攻め込んでくる朝日大に、完全に受身に回ってしまった。開始2分と8分にPCを与え、1本目は直接、2本目はタッチシュートを決められて、開始からわずか8分で2点ビハインドの戦いとなった 。攻撃の起点となる5番大橋哲也(4年 伊吹)が故障から復帰したばかりで万全ではなく、連係不足でロングパス・ミドルパスはことごとくカットされた。いい形が作れないで前半終了。寺本監督は、ハーフタイムに「相手はバランスよく守っている。ロングパス・ミドルパスに頼っては相手を崩せない。ドリブル突破と2対1の 短いパスをつないで崩せ」と指示。後半は、山学の動きが良くなった。指示通りドリブル突破と短いパスをつなぎ合わせてチャンスを作り、後半12分にゴール前に抜け出した2番日本代表FB塩川直人(4年 天理)がGKをかわして1−2と迫り、その2分後に得たPCを6番西川尚裕(4年 伊吹)が決めて同点に追いついた 。その後は、山学が押し気味に試合を進めたが、もう一人の日本代表FW9番北里謙治(4年 小国)も得点を奪えず、2―2の同点で試合終了。大会規定で延長戦はなく、PS戦に突入、3−4で敗退し決勝進出は果たせなかった。
山学男子は、昨年の主将7人制と同様に、日本代表の2人を除く3人の4年生が主将を交代制で務めている。この大会のキャプテン
西川尚裕主将「正直悔しすぎます。立ち上がりが悪すぎた、後半は前に行くプレーが出来た。2連覇がかかるインカレでは絶対優勝します」。
寺本祐治監督「スタートの立ち上がりが硬くなった。ミスから2失点して悪い展開となった。後半立ち直って同点にしたが、エンジンがかかるまでに時間がかかり過ぎた。これは一つの試練、秋のインカレで連覇を勝ち取るために、チーム力を高める練習を重ねていく」山学ホッケーを作り育ててきたリーダーは 捲土重来を誓った。
決勝戦は明日3日、同じ天理大親里ホッケー場で、女子は13時から山学大対立命館大。男子は15時から朝日大対天理大の組み合わせで行われる。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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アルバム女子 |
アルバム男子 |