
平成23年度第30回全日本大学ホッケー王座決定戦は7月3日、奈良県天理市の天理大学親里ホッケー場で男女の決勝戦を行った。女子の決勝は、3年ぶり3度目の女王の座を目指す山梨学院大と、6年ぶり2度目の優勝を目指す立命館大の対戦となった。試合は終始、山学大が先行し立命館大が追いかける展開となった。 山学が前半の7分と18分に2得点を奪い先行、後半開始早々に立命が1点を返し、それ以降は交互に得点を奪い合う激闘を繰り広げた。最終結果は、山学が4対3の1点差で立命を振り切り、3年ぶり(3度目)の優勝を勝ち取った。今年の山学女子は「Champion」をチームテーマに掲げ、伝統の全員攻撃・全員守備の山学ホッケーに磨きをかけ、一戦一戦全力でフィールドを駆け回り、念願の女王の座を獲得した。大会最優秀選手には、山学大のMF永山加奈が選ばれた。男子の決勝は、延長でも決着が付かず にPS戦の末に、天理大が朝日大を下しこちらも3年ぶりの優勝を飾った。
山学大女子は、秋のインカレでは4連覇を達成させながら、6月の大学王座はなぜか優勝が遠かった。優勝間違いないと言われた布陣で臨んだ昨年は、集中豪雨の中で戦い、雨に足元をすくわれて優勝を果たせなかった。男子が大活躍した一方で昨年は無冠に終わった女子は、今年は「Champion」をテーマに掲げて" 優勝"を胸に大会に臨んだ。2回戦で東京農大を8−0で下し、準決勝で東海学院大に3−1と逆転勝ちして決勝に進出した。
平成23年度全日本大学ホッケー王座決定戦 女子決勝
≪山梨学院大vs立命館大≫(7/3)於 天理大親里ホッケー場 |
○ 山梨学院大 4 |
前半 2−0
後半 2−3 |
3 立命館大 ● |
得点 三橋亜紀・田中泉樹・中畝地里沙・永山加奈(山学)
中村有希・坂井綾花・中山藍(立命) |
山梨学院は、試合開始と同時にFW陣が高い位置で相手ボールにプレッシャーをかけ、奪ったボールを全員でペナルティーエリア内に持ち込む"全員攻撃・全員守備"の山学ホッケーを展開した。開始7分に日本代表FWの7番三橋亜紀(4年 築館)が先制ゴール、18分に得たPCを10番田中泉樹(1年 不来方)が直接決めて2−0と先行した。前半は山学が圧倒的にボールを支配して一方的にゲームを進めた。しかし、後半立ち上がりにターンオーバーからの速攻で1点を返したことで、立命館が息を吹き返し、ここからは交互に点を奪い合う一進一 退の試合展開となった。1点差に迫られて苦しくなった後半11分に6番中畝地里沙(3年 桶脇)、再度1点差に迫られた後半17分に5番永山加奈(4年 桶脇)、主力の2人が貴重な追加点を入れた。永山加奈のシュートは、敵のGKに2度弾き返されながら3本目を決めたもの。山学大が生んだ日本最高のMFは、立命館のMF陣・DF陣に徹底的にマークされながら、天性の運動神経と抜群のスティックワークでフィールドを縦横に駆け回り、チームの優勝に大きく 貢献した。試合終了2分前に与えた相手PCは、守護神GK永山衿香(3年 桶脇)がファインセーブで防いだ。FW陣もMF陣もDF陣も、上級生も下級生も、ベンチ入りした22人だけでなく、チームを支える側に回った部員も、全員が心をひとつにして念願の"Champion"を獲得した。
優勝が決まった瞬間、選手たちは顔をくしゃくしゃにして泣き、笑い、声援を送り続けてくれた応援席に走り、控え部員らと抱きあい、ジョン・シアン監督と4年生を次々に胴上げして喜びを爆発させた。応援席に駆けつけて試合を見守っていた
徳島葵(ソニー)・丁ナリ(ソニー)・谷口育代(南都銀行)の3人の先輩は「去年優勝できなかったリベンジをしてくれた。コートに立てなかった部員も、一丸となって戦っていた。後輩たちが全員で掴み取った優勝、感動しました」と口を揃えた。この大会のキャプテン
渡辺千晶主将は「試合にそんなに出れない自分がキャプテンをして良いのか悩んだり重圧もありました。しかし、3人のキャプテンを筆頭に4年生全員でチームを引張り、下級生のみんなが応えてくれました。優勝出来て本当に嬉しい。インカレも絶対優勝します」汗を押さえながら笑顔で語った。大会最優秀選 手に選ばれた永山加奈は、実は肉離れで戦列を離れていた。大会直前に復帰しぶっつけ本番で臨んだ。
永山加奈選手は「体力面での不安はあったが、こういう試合は気力が勝負を決める、気合で乗り切りました。今日の試合で出た課題を皆で克服してインカレも勝ちたい。最優秀選手はみんな一緒に貰った賞、周りに感謝して、これを自信にしてこれからも頑張って行きたい」チーム全員が最優秀選手と語った。
男子の決勝戦が終了した後の午後5時過ぎから表彰式が行われた。山学女子は、この日のために用意した背中にChampionの文字とクラウンがデザインされた黒地のTシャツ姿で表彰台に上った。4年生6人が前に進み出て表彰状・優勝杯・優勝トロフィーを受賞、22人のメンバー全員に金メダルが贈られた。
表彰式のあと、
ジョン・シアン監督は部員全員を集め「前半は一方的だったが、後半は立命もいいシュートを決めてきた。同点にさせないで結果を出したことを誇りに思う。どうなるか分からないゲームに勝てたことは次につながる。チームの全員で勝ち取った優勝、2〜3日は喜んで、また次に向かって進もう」チームを支え る側に回った部員を含む全員の努力と健闘を称えた。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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