山梨学院パブリシティセンター
第9回アルテア七夕まつり2011
 〜"祈りの七夕"故郷・星に想いを寄せて〜
 〜子どもたちの元気な姿を復興の一助に〜

酒折の夏の風物詩「アルテア七夕まつり」が七夕の7月7日、山梨学院大学内のSTAGE21で開催された。今回で9回目を数え、学生や多くの地域の人々がゆかたや甚平姿で来場した。会場はたくさんの人々の想いが込められた短冊や七夕飾りで飾られた笹に彩られ、夜風で揺れる笹の音が、蒸し暑い甲府盆地に涼を与えた。今年も地域交流ネットワーク「さかおり倶楽部」がまつりに協力し、県産野菜の夕市や韓国やブラジルの伝統料理の屋台などが会場を賑わせた。さらに、ステージ発表では山梨学院小学校のALTEES Jr.のチアリーディングや昨年結成された山梨学院ジュニアオーケストラの演奏も披露され、子どもたちの元気いっぱいの姿がまつりに華を添えた。残念ながら酒折の空は厚い雲に覆われ、星空を眺めることはできなかったが、会場に詰め掛けた人々は様々な想いを胸に、七夕の夜を満喫していた。
今年のアルテア七夕まつりは、昨年同様山梨学院ウインドブラスアンサンブルの威厳あるファンファーレで開幕。会場は、昨年を上回る3500人を超す人々が集まり、短冊や吹流しなどの七夕飾りで装飾された多数の笹が七夕情緒を演出。主催者を代表し山梨学院学生センターの込山芳行学生センター長は「酒折地区の夏の風物詩のアルテア七夕祭りが近隣住民や関係者の協力で今年も開催することができました。来年は10周年ですので、よりグレードアップできるよう今年も盛大に行い、楽しんで頂ければと思います」と挨拶した。今年は例年以上に多くの模擬店が並び、昨年発足した「さかおり倶楽部」は様々な模擬店をプロデュース。県産野菜の夕市やワイン、だんご、ところてん、韓国やブラジルの伝統料理などが軒を連ねた。さかおり倶楽部のブースの一つ、山梨学院学生交流館自治会では中国からの留学生が主体となって本場中国の水餃子を販売。水餃子リーダーの山学大経営情報学部3年の陳ハ可(チン ハカ)さん(ハは皮に頁のつくり)は「中国の本場の餃子を皮から作りました。餡にこだわり、日本の焼き餃子とは一味違うので、ぜひ本場の味を味わって欲しい」とPRしていた。さかおり倶楽部プロデュースの模擬店以外にも清里・萌木の村の地ビールやカレー、ソーセージ、また、男前豆腐で有名な三和豆水庵の各種豆腐などが来場者の胃袋を満たしていた。さらに、山梨学院短大食物栄養科のフードクリエイトコースの学生も模擬店を運営。開設2年目のフードクリエイトコースをPRすべく出店し、揚げたての"きなこ揚げパン"や「アルティ&ベッキー」をモチーフにしたクッキーを店先に並べた。クッキーは、昨年度の1期生が「山梨学院チャレンジ制度」で認定された企画の一環で製作したもので、リーダーの食物栄養科2年浅川みづきさんは「生地が柔らかいので一度冷凍庫で冷やしてから手早く伸ばして型に入れました。また、焼く時にも焼き色がつきすぎないように配慮しました。フードクリエイトコースはできて2年目でまた県民の方々には知れ渡っていないので、こういう機会を利用して「アルティ&ベッキー」とともにPRをしていきたいです」と語った。
 
ステージでは、山梨学院小学校のALTEES Jr.のチアリーディングや昨年結成された山梨学院ジュニアオーケストラの演奏も披露され、来場者や保護者からは子どもたちの元気いっぱいの姿に惜しみない拍手が送られた。ジュニアオーケストラは結成後初の一般観衆に向けた公開演奏。今回は、トワイライトスクールで指導している教員などを含めた24人でハーモニーを奏でた。演奏の最後には、東日本大震災の影響で、故郷を離れなければいけなくなった人々を思い、早く故郷に帰り今までと同じ生活が送れるように願いを込め、"ふるさと"を演奏し会場全体で合唱した。タクトを振った山梨学院小学校の新津晴夫事務局長は演奏後「手ごたえはありました。子どもたちは練習したことを精一杯披露してくれました。初心者が多い中でしたが現段階でできる最高の演奏をしてくれたと思います。今後は更にメンバーを増やし、一歩ずつ技術を高められるように努力していきたいと思います」と講評した。また、山梨学院ウインドブラスアンサンブルによる星空コンサートも開かれ"夏祭り"や"ジンギスカン"、さらにメンバーによる振り付けつきの"ヘビーローテーション"が演奏された。まつり会場の一角には学生会などによる花火コーナーも設けられ、集まった親子連れが花火を楽しむ姿も見受けられた。
午後8時のカウントダウンで会場が消灯されると模擬店のランプだけの幻想的な雰囲気になり、今年のアルテア七夕まつりは盛況のうちに閉幕した。
 
今年3月に発生した東日本大震災では、人々の心に様々な想いが交錯した。今年のアルテア七夕まつりは"祈りの七夕"として開催。残念ながら酒折上空は厚い雲に覆われ、降ったり止んだりの天気で星空は眺められなかった。七夕の日に降る雨は「催涙雨(さいるいう)」と呼ばれ、織姫や彦星が流した涙だと言い伝えられている。再び会えたことによる嬉し涙、出会えなかったことによる悲し涙、また離れ離れになってしまうという惜別の涙・・・。いわれは様々あるが、この雨は、会場に詰め掛けた来場者の笑顔を見ると、織姫と彦星が再び出会え、この日を迎えられたという嬉し涙なのかもしれない。この日の子どもたちをはじめする多くの人々の笑顔が、復興の一助になることを山梨の地から願い、七夕の夜は更けていった。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)
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