山梨学院パブリシティセンター
北東北インターハイ3回戦
〜2点差を力ではね返し同点に追いつき大熱戦〜
〜11人ものPK戦の末に立正大淞南高に惜敗〜

平成23年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)サッカー競技は7月30日、秋田県秋田市・男鹿市などの4会場で3回戦8試合を行った。1回戦で大阪第1代表の桃山学院高、2回戦で石川県代表の県立金沢桜丘高を下し、3回戦に進出した山梨学院高は、秋田市八橋運動公園球技場で、強豪の呼び声高い、島根県代表の立正大学淞南高とベスト8を賭けて 戦った。山梨学院は、ボールを圧倒的に支配した前半に得点を奪えなかったことがひびき、いずれも前がかりに攻め上がろうとした後半の11分と13分に、中盤で相手にボールを奪われ、カウンター攻撃を受けて2連続失点した。優勢から一転して大ピンチに陥ったが、後半から出場した主将白崎凌兵がチームを建て直し、自身の 1得点1アシストで、終了2分前に同点に追いついた。息詰まる死闘を展開した試合の決着はPK戦にゆだねられた。そして、PK戦も息詰まる死闘となった。決着がついたのは、実に11人目、山梨学院は試合に勝って勝負に敗れた。
≪山梨学院高vs立正大淞南高≫(7/30)於 秋田市八橋運動公園球技場
● 山梨学院高 2
前半 0−0
後半 2−2
PK9−10
2 立正大淞南高 ○
得点 白崎凌兵・木下伶耶(山学)、林大貴・隅田竜太(淞南)

試合開始の15分前、それまで晴れていた空が、にわかに暗くなり、風雲急を告げた。直後に、集中豪雨のような激しい雨が音を立ててピッチに降り注いだ。ベンチに入れない立正大淞南の部員100人が雨中で大声援を送った。正午の試合開始直後、天然芝のフィールドは蹴るたびに水しぶきが上った。短いパスがつ ながらないコンディションに、両チームとも縦に早い攻撃を展開、山学は、相手DF陣の裏にボールを上げ、そこに16番名嘉真朝季(3年)を走り込ませる。一方、淞南は2トップとMFのコンビネーションで得点を狙う。雨は10分過ぎにやみ、その後は、一対一の強さに競り勝った山梨学院が、中盤で立正大淞南のボールを奪って攻め上がる時間が長くなり、前半は山学が主導権を奪った。
サイドが変わった後半の頭から、山学ベンチは故障から回復した10番白崎凌兵(3年)を投入、攻撃に変化をつけて、さらに有利に進めたが得点を奪えなかった。試合の流れが変わったのは後半10分過ぎ、攻撃態勢に入った時に中盤でボールを横からカットされ、11分と12分に立て続けにカウンター攻撃から2 点を奪われてしまい一転して窮地に立たされた。しかし、主将の白崎は冷静だった。1分後に13番木下伶耶(3年)から受けたパスをGKの動きを見て冷静に左隅に決めた。さらに試合終了2分前に、9番山口聖也(3年)のロングスローをゴール前で受けてドリブル突破、DFとGKを惹き付けてパス、これを木下伶耶が決めて同点に追いついた。インターハイは、35分ハーフ、延長戦なし、短時間で勝敗を決めるルール、そのままPK戦に突入した。両チームの代表5人はいずれもゴールを決め、ここからはサドンデス、フィールド上の選手全員が蹴るという、実に11人に及んだPK戦の末に残念ながら敗れた。

荒木克仁副主将「こういうギリギリの試合になると、セットプレーが大事になる、自分が決めなければいけなかった。決めるべきところで決めなかったから失点した。攻め切れないでカウンターを受けたこと、素早い切り替えが出来なかったことを反省して練習に取り組みたい」。白崎凌兵主将「自分が(もっと)決めていれば勝った試合だったので悔しい、PK戦は運もある。攻撃は全国トップレベル、ディフェンスは体を張ってよく守った。ただ攻撃の終わり方が悪かった時に、一瞬バラバラになりそこを衝かれた。負けてからが大事、なにくそと思って、これをばねにしないといけないと思う」。吉永一明監督「PK戦の結果は仕方のないこと。70分間の中で起きたことが全て、そこで勝負を決め切れなかったことが全て、力が足りなかった。白崎は、本人的には物足りないところが合っただろう、もう一回しっかり体を作ってやってもらいたい。前半も良かった、メンバーを変えてもいい動きが出来てい た、白崎一人に頼るチームから抜けつつある。秋に向けて、自分たちが出来ること、出来ないことが明確になった。こういう戦いの中で力を出すことの難しさ、大事さを選手は知った。これを糧に夏を乗り越え、秋に向かいたい」。

チーム山梨学院は、選手も監督も、秋田で味わった悔しさをその胸に刻み込み、秋、そして、冬の本番に向かう。

文(M.T) カメラ(平川大雪)
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