山梨学院パブリシティセンター
第93回全国高等学校野球選手権大会(2日目)
〜山梨学院1対8 悪夢3回6安打に2失策〜
〜再々の好機逸するも 坂上の執念の適時打〜

第93回全国高等学校野球選手権大会(2日目)は8日、阪神甲子園球場で一回戦4試合を行った。第4試合は2年ぶり5回目の出場となる山梨県代表の山梨学院と5年ぶり7度目の出場となる滋賀県代表の八幡商との対戦が行われた。山梨学院が3回表に6安打2失策を許すなどして、1対8で八幡商に破れ一回戦で姿を消した。後攻の山学は、エース左腕・廣瀬直紀(2年・富士河口湖シ)が先発。3回表、内野安打と失策で先制点を奪われると、投手と捕手の間に落ちる不運な内野安打で一死満塁とされリズムを崩し3番打者に左越えに満塁本塁打され0対5、さらに1点を追加される悪夢のような展開で瞬く間に0対6とされた。4回裏の攻撃、二死後に3番・小林義弘(2年・千葉市シ)が中前安打で出塁。4番主将・田口蒔人(3年・青葉緑東シ)も中前安打し二死一二塁。6番・坂上泰斗(2年・静岡裾野シ)の2ー1からの3球目が暴投を誘い二死二三塁。坂上が5球目を執念で弾きかえす内野適時打で1対6とした。5回裏、一死満塁で3番・丸山陵司(3年・調布シ)のジャストミートした球が二塁手のグローブに吸い込まれ、飛び出していた二塁ランナーもアウトになり絶好の好機を逸した。6回表に2点追加で1対8とされると、8回裏に代打・長谷川舜(3年・宮城シ)、9回表にリリーフの右腕・湯浅将弘(千葉市シ)、9回裏に代打・大崎陽平(3年・浦安シ)を注ぎ込むもゲームセットとなり、山梨学院の夏が終わった。


☆第93回全国高等学校野球選手権大会(第10日) 於 阪神甲子園球場

八幡商
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6
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2
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0
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8
山梨学院
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1
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0
0
0
0
1

[山梨学院] ☆ 登録選手
投手:廣瀬(8回、127球、41打者、14安打、1
四死球、5三振、8失点、4自責点)
投手:湯浅(1回、10球、3打者、1安打、1三振)
捕手:丸山
二塁打 坂上

[八幡商]
投手:吉中(9回、132球、40打者、10安打、3
四死球、4三振、1失点、1自責点、1暴投)
投手:本多(4回、38球、4安打、2犠打、1三振)
捕手:石井
本塁打 白石
二塁打 遠藤 白石


◆エース左腕・廣瀬直紀(2年・富士河口湖シ)が先発。3回表、内野安打と失策で一死一三塁で1番打者に左前適時打され先制点を奪われた。2番打者に投手と捕手の間に落ちる不運な内野安打で一死満塁とされると、リズムを崩し3番打者の1ー1からの3球目を左越えに満塁本塁打され0対5、さらに1点を追加される悪夢のような展開で瞬く間に0対6とされた。4回裏の攻撃、二死後に3番・小林義弘(2年・千葉市シ)が中前安打で出塁。4番主将・田口蒔人(3年・青葉緑東シ)も中前安打し二死一二塁。6番・坂上泰斗(2年・静岡裾野シ)の
2ー1からの3球目が暴投を誘い二死二三塁。坂上が5球目を執念で弾きかえし内野適時打で1対6とした。5回裏、先頭打者の廣瀬が左前安打、犠打と死球、2番・鈴木孝昌(3年・八王子シ)の中前安打で一死満塁。3番・丸山陵司(3年・調布シ)の1ー0からの2球目をジャストミートした球が二塁手のグラブに吸い込まれ、飛び出していた二塁ランナーもアウトになり絶好の好機を逸した。6回表にも2点追加され1対8とされた8回裏、4番・小林の内野安打と6番・坂上の左翼手越え二塁打、7番・加藤久也(2年・千葉市シ)の四球で一死満塁
とし、8回を127球14安打5三振2犠打1四死球で自責点4と力投したエース左腕・廣瀬の代打・長谷川舜(3年・宮城シ)が送られたが得点にならなかった。9回表をリリーフの右腕・湯浅将弘(千葉市シ)が1回を10球1安打1三振の好投で望みを繋ぐ。9回裏、1番の代打・大崎陽平(3年・浦安シ)が倒れ、2番・鈴木が安打するものの後続が打ち取られゲームセットとなった。

■廣瀬が打ち込まれた3回から篠原と肩を作った、投手右腕・湯浅将弘(千葉市シ)は9回表に登板。「やっと投げられるという気持ちと、チームのために絶対に押えるという気持ちと、大舞台だったので自分を見失わないようにと」マウンドに向かった。「先頭打者を安打で出してしまったが、内野ゴロで併殺を取り、最後の打者を自分の得意球のスライダーで三振に打ち取れたので、今までやって来たことが形として現れたので嬉しい」と素直に喜んだ。後輩に「このチームを実際に引っ張って来たのは2年生なので甲子園に出て勝って校歌を歌って欲しい
」と新チームにエールを送った。
■8回一死満塁で代打で見逃し三振に倒れた長谷川舜(3年・宮城シ)は「監督に告げられ、自分はボールだと見送ったがストライクだった。悔しいけど、あれが自分の全て、監督とチームに申し訳ない」と唇を噛んだ。高校2年で英検二級を取り、テストの時にはチームメイトの勉強の指南役をし、野球と勉強を両立して来た。「今度は頭を切り替えて、全力で受験に挑戦したい」と難関大学を目指す。
■三塁コーチャーをひた向きに努めた大崎陽平(3年・浦安シ)は「8回に須田監督に先頭で行くので準備しておけと言われた」。鏡のある所に言って素振りをして出番を待った。9回先頭打者で打席に立ち「真っ直ぐだけを狙った」。打った球は「真っ直ぐ」、球はライトに上がった。「あ、打ち上げてしまった」、それでも菊池コーチの教えの通りに、無我夢中で一塁を駆け抜けた。「3年間続けて来て良かった」と清々しい男の顔で述べた。
■チームの要として5番打者として活躍した田口蒔人主将(3年・青葉緑東シ)は「一つのミスから流れを悪くし、チャンスを作って置きながら得点を取れなかった」と真一文字に口を結んだ。「これが自分たちの実力。後悔はしていない」ときっぱり。「凄い甲子園は楽しかったし、良い経験になった」と総括した。「後輩たちには『野球は守りから』ということを大事にし、自分たちには出来なかった甲子園での一勝をし、さらに上を目指してもらいたい」と後輩に思いを繋いだ。
菊池徹コーチは「残念の一言」と頭を下げた。「負けた時には何を言っても、言い訳とか愚痴に聞こえてしまう」と、敗軍の将、兵を語らずの心境。暫くして重い口から「守備は4失策の外に、お見合いやベースカバーなど日常的に練習していることの記録に残らない失策が目立った」と苦笑い。新チームについて「秋季関東大会甲府北地区シード大会が直ぐある。甲子園経験者が5人残るが、外のチームも2年生主体。厳しい戦いになる」と秋を睨んでいた。
須田喜照監督は「悔しい負け方。エラーで6点とられ崩れての負け。今までやって来たことが出なかったので余計に悔しい」と声を詰まらせた。エース左腕・廣瀬について「少しボールが高かった。山梨では通用しても、全国ではボール一つ、二つ低くしないと通用しないということが、肌で感じてくれたと思う」と、これを糧に全国で通用する大投手に成長してくれることを期待していた。新チームは「明日、帰って、明後日から練習。秋季大会は勝ち進んで関東大会でも勝って、春の甲子園に出るのと甲子園で勝てるチームを目指したい」と休みなくスタ
ートを切る。
田中信幸野球部長は「山梨県代表として、近年になく期待されていたチームだけに、今日の試合は残念の一言につきる。しかし、この3年生が新しい野球部の歴史を作ってくれ、須田イズムの形が目に見えた大会となった。野球練習に加えて、生活ぶりや、強制でない上下関係、学業への取り組みなど、良いものは引き継、悪いものは捨てるという傾向が見受けられた。このチームは、秋・春とベスト8止まりで苦しんで苦しんで、努力して這い上がり夏の甲子園に来た。個人的に高い野球レベルの子供たちをチーム力にどう変えるか、学業生活や私生活にどう生かすか、預かる指導者の気質や技量も求められるので、選手ともども期待に答えられるように精進したい」と指導責任者として総括した。山梨学院は明日、午前10時に宿を出発して高校に到着次第、帰校式を行う。
文(H.K)、カメラ(平川大雪)(八巻和夫)(小池裕太)
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