
猛暑の中で練習に励む学生たちの取り組みを紹介する「2011夏特集"猛暑に燃える"」第3回は、秋の関甲新学生野球リーグ戦に向けて猛練習に励む大学野球部を紹介する。山梨学院大学硬式野球部は8月18日、川崎市多摩区の読売ジャイアンツ球場で、巨人軍2軍チームとプロアマ交流戦を行った。巨人O Bの高橋一三監督が球団フロントに要請して実現したもの。選手たちは、プロのパワーとスピードをその肌で感じ、その力に驚きながら、自分の力を試そうと全力でプレーした。試合は、自分たちのミスから1回・2回に4失点したが、3回表に巨人の先発成瀬功亮の乱れに乗じ、5番古川裕剛のセンター前ヒットなどで3点を奪い 返した。しかし、先発の高梨裕稔3回3失点、リリーフの穴田真太郎2回4失点、3番手の斎藤翔太郎は2回を無失点で抑えたが、4番手の川畑広平1回2失点。投手陣がプロの洗礼を浴び、打線も巨人の4投手に3回以外は完全に沈黙し3−10で敗れた。試合には敗れたが、課題と貴重な経験を手にした山学ナインは、リーグ戦 を臆することなく戦う闘志も入手して秋の戦いに向かう。
プロアマ交流戦≪山学大vs巨人≫(8/18)読売ジャイアンツ球場
山学大 |
0 |
0 |
3 |
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0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
3 |
巨 人 |
1 |
3 |
0 |
0 |
4 |
0 |
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2 |
× |
10 |
〈バッテリー〉山学大高梨・穴田・斎藤・川畑―田中、巨人成瀬・木村・齋藤・ブライト―鬼屋敷・市川 〈ヒット〉山学大3安打、巨人13安打、〈エラー〉山学大3、巨人2
山学大はベストメンバー、巨人は2軍と育成選手の対戦となった。山学大の先発高梨裕稔(2年 土気)は、初回に巨人の先頭仲澤広基(東海大甲府―国際武道大)に力みからストレートの四球を与えてリズムを失い、味方のエラーもあって1失点、続く2回にはヒットと味方の悪送球で3失点と自分の投球が出来 ないまま3回で降板した。打線は3回表に巨人の先発成瀬功亮の乱れに乗じ、相手の送球ミスと5番古川裕剛(4年 八王子実践)のセンター前ヒットで3点を奪い返した。しかし、5回に2番手の穴田真太郎(3年 PL学園)が巨人打線につかまり4失点、3番手の斎藤翔太郎(4年 木更津総合)は6回・7回を無失点で抑え たが、8回に4番手の川畑広平(4年 八王子実践)が2点を失った。打線は巨人の4投手に3回以外は完全に抑え込まれ3−10で完敗した。
タイムリーヒットを放った
古川裕剛選手「大学生のピッチャーとは球のキレが違った、二遊間が開いていたのでセンターに弾き返そうと思い、思い切り良く振った。秋のリーグ戦に向けて自信になる1打になった」。無失点で抑えた
斎藤翔太郎投手「着てるユニホームに騙されてはいけないと思ってマウンドに上がった。真っ直ぐのスピードがないので、変化球で勝負した。リーグ戦でリリーフするチャンスがあったら、守備のリズムを作れるピッチャーになりたい」。健闘した2人は、自分の打席と自分の投球を秋に活かしたいと振り返 った。この日巨人軍の監督を務めた
吉原孝介育成チーフコーチは「大先輩のチームなので、どんな野球をするのか敬意をもって戦わせてもらいました。プロ野球側としては、底辺の拡大につながればという思いがあり、プロアマ交流がさらに活発になることを願っています」と語った。
高橋一三監督は「私が話して聞かせるより、自分の目で見るのが一番だと思い巨人軍に申し入れた。選手たちは、同世代のプロの選手と一緒にやって、自分のレベルを確認したと思う。ただ試合をやって終わっただけでは何にもならない。一人一人が何か一つでもいいからつかんでほしい」と一人一人の成長 を求めていた。試合後、上田和明育成コーチら巨人の指導陣が次々に高橋一三監督に挨拶に訪れていた。
日本の野球界は長い間プロとアマチュアの交流が断絶していたが、日本学生野球憲章が2010年に全面改正され、今年から3月と8月に限って大学野球部の単独チームとプロ野球球団の交流試合が解禁された。巨人軍は、山学大戦に続き、19日に法政大、20日に青山学院大、23日に東大戦を計画している。 プロアマ交流の動きが、球界全体の活性化につながることが期待されている。
秋の関甲新学生野球リーグ戦は9月3日に開幕する。山梨学院大の第1節対戦相手は常磐大と決まった、平成国際大学野球場で3日(土)12:30、4日(日)10:00試合開始で対戦する。猛暑の甲府盆地で積み重ねてきた練習と、プロアマ交流戦で得た新たな経験を糧に、山学ナインは秋のリーグ戦で燃える
文(M.T) カメラ(小池裕太)
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