山梨学院高校サッカー部の白崎凌兵（しらさき　りょうへい）主将が、Ｊ１の名門チーム清水エスパルスに入団することになり、８月３０日に山梨学院広報スタジオで、新加入内定報告及び記者会見を行った。白崎は東京都調布市出身、ＦＣ東京Ｕ−１５むさしから山梨学院高校サッカー部に入部、身長１８０ｃｍ・６７ｋｇ、１年の時から注目され、昨年の全国高校選手権ベスト８、今年のインターハイベスト１６にチームの中心選手として大きく貢献した。視野の広い天才的なプレーをする逸材、実にＪリーグ７球団からオファーを受けた。最終的に、最初に声をかけてくれた清水エスパルスに入団することを自分の意志で決めた。記者会見で「エスパルスで成長して、日本を代表する選手になり、将来は海外で活躍する選手になりたい」と抱負を述べた。山梨学院高校卒のプロサッカー選手は、ヴァンフォーレ甲府ユースからトップチーム入りした堀米勇輝選手が最初、高校サッカー部出身のプロ選手としては、昨年ヴァンフォーレ甲府に入団した加部未蘭選手が第１号、白崎選手が第２号となる。

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記者会見に先立ち、白崎凌兵選手は佐々木憲士ハイスクールスポーツセンター長、横森巧総監督、吉永一明監督とともに、山梨学院大学学長室に古屋忠彦校長を訪ねて入団を報告するとともに、清水エスパルスの竹内康人球団社長・原　靖強化部部長の表敬訪問を受けた。古屋忠彦校長は竹内社長に対し「本人はプロになる夢を持って入学してきた。横森総監督と吉永監督が手塩にかけて育ててくれた。いい運命を持った選手なので大切に育ててほしい」と要請、これに応えて（株）エスパルス竹内康人社長は「彼が１年の時から注目していて待ち望んでいた。現在のエスパルスは３０歳代のベテランと若い選手の混成チーム、白崎選手はフォワードトップ下の選手として、来季の即戦力と期待している」と答えた。
 
このあと、広報スタジオで新加入内定報告及び記者会見が行なわれ、高校サッカー部の吉永一明監督が「白崎は元々プロ志望、全国優勝した時は１年生でケガをしていたが、スカウトの山崎さんが１年の時から毎試合見に来てくれた。Ｊリーグの７クラブが興味を示してくれたが、一番早く注目してくれたエスパルスに行くことを本人が自分の意志で決めた」と入団に至る経過を報告した。横森巧総監督は「本人は東京の出身で、山梨に来ることはご両親も心配された。一番は本人の努力だが、たくさんの人の協力があって成長し、プロ入りが実現した。本人は周りの人の期待に応えて強い意志で頑張りたいと言っている、これからが大変だが、大きく育ってもらいたい」と励ました。清水エスパルス原　靖強化部部長は「山崎スカウトから常に報告を受けていた。クラブ全体として攻撃的なサッカーをやっていく方針、彼は攻撃の中心となるトップクラスの素材、清水から日本を引っ張っていく選手に育てたい」と語った。エスパルスのユニホームに着替えて写真撮影に応じた後、記者団に囲まれた白崎凌兵選手は「ジュニアユース時代を過ごしたＦＣ東京にしようかと思った時もありましたが、知っている所だと甘えてしまう。何も知らない山梨に来て成長させてもらったように、最初に声をかけて頂いた何も知らない清水に行って自分を高めたいと選ばせて頂きました。エスパルスの練習に参加させて頂いた時に小野伸二選手に接し、サッカーがうまいだけでなく、生活面やチームの事を常に考えている姿勢に憧れを抱きました。小野選手のようなプロフェッショナルになりたい。エスパルスで成長して、日本を代表する選手になり、海外で活躍する選手になりたい」と記者の質問に答えた。エスパルスの山崎光太郎強化部スカウト担当は「１年の新人大会から注目していた。２年の沖縄インターハイの 時、チームは優勝した市立船橋に敗れたが、その時の彼の打開力を見て確信した。パスもドリブルも優れ、得点も取れてアシストも出来る選手、プロで通用する」と太鼓判を押し、日本を代表する選手に育ってほしいと語った。記者会見場の隅でわが子の会見を見守った両親の白崎裕幸さんと美紀さんは「親としては自宅から通える東京都内の高校に入れたかったが、何でも自分で決める子、山梨に行くといった時はとても心配でした。１５で家を出しましたが、皆さんに育てて頂いて自分の行きたい道を進めそうです、ありがとうございます」と語った。記者会見で立派に答えるわが子を見守る母の目が、一瞬潤んだようにも見えた。そして、その息子は、「プロになる前に自分は果たさなければならないことがある」、自分を育ててくれた仲間たちを"国立"に連れて行くことを、心に固く誓っている。
 
文（Ｍ．�T）　カメラ（平川大雪）
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