山梨学院パブリシティセンター
全日本学生レスリング選手権 最終日
〜金澤勝利フリー準優勝、グレコ3位ダブル表彰〜
〜増田もダブル、鈴木・濱本・亀山も3位表彰台〜

文部科学大臣杯2011全日本学生レスリング選手権大会が、東京・駒沢オリンピック公園体育館で4日間にわたり開催され9月1日に閉幕した。学生チャンピオンを決める大会に、山梨学院大レスリング部からグレコローマンスタイルとフリースタイル合わせて24名が出場した。前年優勝者グレコ96s級日本代表の有園拓真は、世界レスリング選手権直前のため欠場した。前半2日間のグレコローマンで、120s級の増田拓也と96s級の金澤勝利の2人が3位に入った。後半2日間のフリースタイルでは、山学勢はさらに健闘した。グレコでは96s級に出場した金澤勝利が、フリーでは1階級上の120s級で戦い、激戦を勝ち抜き準優勝を飾った。増田拓也は両スタイルとも3位に入った。 この他、実力がありながらなかなか上位に入れず苦闘してきた84s級の鈴木友希が3位、あと一歩の所で決勝を逃した66s級の濱本 豊が悔し涙の3位、新人戦優勝の1年84s級亀山晃寛が、準々決勝で中村風太との山学勢対決を制して3位の表彰台に上った。
大会には全国の大学から、グレコローマンスタイル273名、フリースタイル558名、女子54名が出場した。また、不祥事で1年間の出場停止処分を受けた日体大が復帰、グレコ5階級・フリー2階級を制して復活した。今年の山学勢は苦戦が予想されたが、3・4年の頑張りと1・2年の成長で予想を上回る成績を残した。
 
120s級増田拓也(4年 佐倉南)は膝に大怪我を追い手術、1年間のリハビリを乗り越えて復帰、最終学年4年で向えた大会。フリー準々決勝で、高校五冠王者で大学1年生にして全日本選抜王者に輝いたスーパールーキー前川勝利(早大)を下し、グレコ・フリーとも3位と大健闘、見事に復活した。増田拓也選手は「120s級としては小さい方だが、力とスピードは誰にも負けない。グランドでバックを取れれば絶対回せる。3位では満足できない、内閣総理大臣杯で頑張る」苦しい時に黙々とリハビリとトレーニングに励んだ努力家は更なる上位を目指す。フリー120s級金澤勝利(3年 岩手種市)は、本来は96s級の選手、1階級上げてフリーに挑んだ。準々決勝でグレコ120s級の覇者村木孝太郎(拓大)を下し、準決勝で学生2冠王者の谷田昇大(拓大)を下して決勝に進出した。決勝では長身で体が柔らかい岡倫之(日大)に敗れたが、体重差を感じさせない見事な戦いをした。金澤勝利選手は「グレコ96s級で3位に入り、いい感触を得てフリーの120s級に臨めた。決勝で敗れたのは悔しいが、両方とも次につながるいい感触を持つことが出来た」と語った。84s級鈴木友希(3年 八戸工大一)は、実力がありながらこれまで試合では好成績を残せないで来た。準々決勝の嶋田裕大(国士舘大)戦で大接戦を演じ、1P・2Pともにボールピックアップまでもつれた末に、鈴木が制し準決勝に進出した。準決勝の細谷翔太朗(日大)戦では、1P・2Pとも果敢にタックルに行った。2Pでは相手を場外に押し出しいったん1−1と追いついたが、残り5秒にタックルに行き、かわされてバックを取られた。鈴木友希選手は「攻めて負けるのならしょうがない、自分はタックルでポイントを取る選手になりたい。3位ではまだ納得できない、もっと上に行きたい」と語った。66s級濱本 豊(2年 山口鴻城)は、あと一歩で決勝という素晴らしい戦いをした。1回戦から5回戦い抜いて準決勝に進出、安田友貴(中央大)を相手に1Pを取ったが、2Pの中盤にあごに打撃を受け、脳震とうを起こしてこのピリオドを落とした。3Pは両者ポイントを奪えずボールピックアップ、出てきたボールは相手有利の赤、守りの姿勢からさっと逃げてバックに回ったが、レフリーは、相手がフライングしたと判定してやり直し、2度目は守り切れず惜敗した。マットを降りた濱本 豊選手は頭からタオルを被って顔を隠し、人に涙を見せないようにして泣いた。大きな大会で3位に入ったのは初めてだが、この悔しさは忘れない、来年のこの大会で優勝すると心に固く誓った。84s級亀山晃寛(1年 群馬大泉)は、準々決勝で中村風太(2年 佐倉南)との山学勢対決を制して3位の表彰台に上った。鈴木・中村・亀山の山学84sトリオは、互いに技を磨き、切磋琢磨して更なる高台を目指す。
 
小幡邦彦コーチは「グレコは予想通り、フリーは組み合わせを見た段階では、入賞者ゼロかもしれないと不安だった。夏合宿の成果を、全員が思った以上に出してくれた」と振り返った。大会後、選手を集めた高田裕司監督は「大事なところで諦めては駄目だ、勝つ気持ちが強い方が勝つ、勝ちたい気持ちを全面に出す選手になれ」と檄を飛ばし、取材の質問には「有園の欠場もあって学生チャンピオンは出せなかったが、金澤・増田・鈴木が健闘、2年の濱本、1年の亀山・鴨居(正和 香川中央 60s級)ら若い選手が伸びてきていい成績を残してくれた」と4日間を総括した。
 
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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