
平成23年新司法試験の合格者が9月8日、法務省から発表された。平成23年新司法試験は、受験者8765人に対し最終合格者は2063人、合格率は過去最低の23.54%。山梨学院大学法科大学院からは45人が受験し7人(男性5人、女性2人)が合格。合格者数7人という数字は、全国74校中44位。合格率は15.56%、これは全国74校中30位、私学順位で見ると49校中15位。山梨学院大学法科大学院は開設以来、新司法試験がスタートした平成18年から毎年合格者を輩出。毎年着実に合格者を法曹界に輩出していることについて、荒牧重人法務研究科長は会見で「今後も地域に根ざす法曹の養成を基本に、学生支援ナンバーワンを目指し、学生が勉強しやすい環境をつくり、法曹界に有能な修了生を送り出したい」と改めて決意を述べた。会見には合格した後藤英恵さんと藤原大輔さんも同席し、合格の喜びや今後の抱負を語り、恩師と喜びを分かち合った。
平成23年新司法試験は8765人が受験し合格者は2063人。合格率は23.54%で過去最低。合格者の平均年齢は28.5歳で最高年齢60歳、最低年齢23歳。合格者の性別は男性1585人(76.83%)、女性478人(23.17%)。山梨学院大学法科大学院からは45人が受験、このうち男性5人、女性2人の7人が合格し合格率は15.56%。合格者7人のうち法学部を卒業した法学既修者を対象とした2年制コース修了者は3人、法学未修者を対象とした3年制コース修了者は4人。新司法試験がスタートした平成18年からから着実に法曹界に人材を送り出していることについて
荒牧重人法務研究科長は「今年も法曹界に優秀な人材を送り出せたことに嬉しく思っています。山梨学院大学法科大学院からは今年の合格者を含め、旧司法試験合格者を入れると57人を法曹界に輩出しています。来年以降も地域に根ざした地域に貢献できる法曹の養成を基本理念に学生支援NO1のロースクールを目指し、できるだけ有能な修了生を送り出したいと思っています。また、ロースクールは合格者数や合格率だけで評価されるとは思っておりません。法曹界に出て、依頼者や社会から信頼され、人権や社会正義が実現できるような法曹を育てることが我々の最終的な目標であり、法曹界に出た学生が周りから信頼され評価されることが山梨学院の評価につながると思っています」と語った。また、報道陣から毎年着実に合格者を出している要因について質問されると「基本には学生の努力があるが、その努力ができるような環境整備、実務家教員や学部教員を含めた指導体制、さらに山梨県内の法曹界の支援など総合的な取り組みが合格の要因だと思います」と答えた。
この日の記者会見には合格者2人も同席し喜びや今後の抱負を語った。未修コースで3年前にロースクールを修了した
後藤英恵さんは、3回目の受験で合格を果たした。後藤さんは東京都出身の28歳、早稲田大学文学部在学中に卒業後のキャリアプランを考えている際に法曹界に興味を持ち、ロースクール受験を決意。全国のロースクールを調べる中でサポート体制の充実に惹かれて山梨学院に入学した。ロースクールでの日々は、勉強するうちに法律が面白くなっていったという。ロースクール修了後は2回受験するも不合格。苦しく悔しい思いをして弱気になり勉強ができない時期もあったが、"来年同じ思いをしたくない"と気持ちを整理しスランプを乗り越え、3回目の受験で合格を果たした。後藤さんは会見で「合格できて本当にホッとしています。沢山の方たちに応援していただき感謝の気持ちでいっぱいです。授業で教えて頂いた弁護士の先生のように困っている方たちを救えるような弁護士になりたいです」と今の心境を語った。一方、今春ロースクールを修了した
藤原大輔さんは初めての受験で合格を手にした。藤原さんは兵庫県出身の24歳、東京大学法学部を卒業後、地域に根ざした法曹の養成を教育理念に掲げている山梨学院に共鳴し、既修コースに入学。修了後初めて受験し、合格発表までのここ数日間は寝れない日々を過ごしたという。合格発表は寮の自室でインターネットから確認。ひとりでは不安になり、受験番号を友達にも確認してもらい、一番に父親に電話で合格を報告した。藤原さんは「教員や環境が充実していて、受験勉強に専念できると思い、山梨学院への入学を決意しました。将来は、町医者のような弁護士になりたいと思っています。どんな仕事がきてもオールマイティに対応し、依頼者を救い、最終的には甲府のような地方でいろいろな人を助けてあげたいと思います」と今後の抱負を語った。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)
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