平成23年度全日本学生柔道体重別団体優勝大会(男子13回・女子3回)が、10月29・30の2日間開催で、兵庫県尼崎市ベイコム総合体育館で開幕した。北海道から九州までの9地区予選を勝ち抜いた全国51大学357名の精鋭が開会式で一堂に会した。昨年度男子優勝校の筑波大小倉武蔵主将と女子優勝校の環太平洋大津村美希主将が「鍛えた心技体で正々堂々と戦う」と選手宣誓を行い戦いが始まった。6月の全日本学生柔道優勝大会で2年連続4度目の大学日本一に輝いた山学大女子は、1回戦で松山東雲女子大を5対0と圧倒して2回戦に進み、宿敵の東海大と対戦した。試合は大将戦までもつれる大接戦となり、2勝3敗2分けで惜しくも敗れ、団体優勝を独占する2冠はならなかった。一方、6月の優勝大会で女子の優勝に匹敵す る2年連続ベスト4を獲得した男子は2回戦から登場、福岡大を4勝3敗で下し明日の3回戦に駒を進めた。龍谷大を下して進出した中央大と対戦する。
女子2回戦≪山学大vs東海大≫ (10/29)於 尼崎市ベイコム総合体育館
|
先鋒52s |
次鋒57s |
五将78s |
中堅48s |
三将78超 |
副将63s |
大将70s |
山学大 |
加賀谷 |
連 |
濱田 |
黒江 |
山部 |
磯崎 |
馬場 |
|
引き分け |
●
優勢負 |
○
一本勝 |
引き分け |
○
一本勝 |
●
優勢負 |
●
技あり |
東海大 |
渡邊 |
大友 |
浅井 |
浅香 |
土屋 |
生田 |
田知本 |
山学大2勝3敗2分敗退
ポイントゲッターの先鋒加賀谷千保(3年 藤枝順心)が引き分けで終わってしまい、次峰の連 珍羚(2年 台湾錦和)が指導2で敗れ、勝ちを計算していた序盤の2人が勝てず苦しい展開となった。ここからユニバーシアード出場で力をつけた濱田尚里(3年 鹿児島南)が横四方固めで流れを変え、主将の黒江優希(4年 横須賀学院)が引き分け、エースの山部佳苗(3年 旭川大高)が開始わずか22秒で体重128sの土屋文香を払い腰で豪快に投げ飛ばし一旦は一歩リードした。副将の磯崎未佳(4年 八千代)が指導2を取られて五分五分、試合の展開は大将戦までもつれる大接戦となった。東海大の大将田知本遥は、昨年の講道館杯2位、今年のグランプリ・アブダビ優勝の実力者、山学の大将馬場菜津美(2年 埼玉栄)は怯むことなく格上に立ち向かった。巴投げにいったところを逆に押さえ込まれたが懸命に逃れ、独特の変則的な柔道で対抗した。最後に袖釣り込み腰で技ありを取られ敗れたが、スタミナに課題があった馬場が稽古に励み、5分間攻め続ける力を身につけ、実力上位者に敢然と挑み、懸命に戦って散った。山学大7人のうち、4年は黒江と磯崎の2人、あとの5人は残る、この日の涙を糧に来年必ず花を咲かせる。
男子2回戦≪山学大vs福岡大≫ (10/29)於 尼崎市ベイコム総合体育館
|
先鋒
90s |
次鋒
60s |
五将
100s |
中堅
81s |
三将
100超 |
副将
60s |
大将
73s |
山学大 |
立花 |
廣瀬 |
柴崎 |
帆高 |
増田 |
清水 |
中村 |
|
●
一本負 |
●
優勢負 |
○
一本勝 |
○
一本勝 |
○
一本勝 |
○
一本勝 |
●
優勢負 |
福岡大 |
渡邊 |
田中 |
樋口 |
森 |
七戸 |
坪井 |
松下 |
山学大4勝3敗勝利
先鋒の立花優喜(4年 大牟田)と次峰の廣瀬康太(4年 大垣日大)が敗れたあと、主将の柴崎裕亘(4年 福岡舞鶴)が払い腰一本勝ちで流れを変え、中堅の帆高純平(4年 福岡大大濠)が小外掛け一本勝ち、三将の増田哲也(4年 大牟田)が技あり2回の合わせ技で一本勝ち、山学四天王(柴崎・帆高・増田・中村)の4年生3人が大活躍して逆転、軽量級のエース清水健登(2年 京都共栄)が大外刈りで勝利を決めた。大将の四天王のもう一人中村剛教(3年 京都共栄)は、国際大会で肩甲骨を痛めて帰国した直後の今月初めの体重別個人戦で優勝する離れ業を演じたばかり。勝利が決まった後の試合だったので、肩に負担がかかる強引な技には行かなかった。中村らしい切れ味鋭い投げ技をこの日は封印した。柴崎裕亘主将は「前二つの雰囲気がよくなかったので、自分のところで流れを変えようと思い、思い切って前に出た。自分たち4年生は、明日がラストの試合、どこが対戦相手でも悔いが残らないように、全力でぶつかっていく」と語った。山部伸敏女子監督は「東海大とは競った試合になると思っていたが、取るべき序盤で取れなかったことが終盤に響いた。攻撃力がもう一つ足りなかった。2冠を取るという目標は達成できなかったが、来年は必ず優勝旗を持って帰る」と雪辱を誓った。西田孝宏総監督「女子は悪すぎた、男子も出来が悪かった。明日は巻き返してもう一つ勝ち、東海大と対戦したい。男子の東海大は、世界選手権に出る選手がいるチーム、エリート軍団に全力でぶつかって行かせたい」と一日目を振り返った。
文(M.I) カメラ(平川大雪)
| アルバム開会式 | アルバム女子 | アルバム男子 |