第7回関東地区大学野球選手権大会は11月1日、横浜スタジアムで明治神宮野球大会出場権2枠を奪取する準々決勝の3試合が行われた。第3試合の山梨学院大学(関甲新学生連盟2位)と城西国際大学(千葉県大学連盟1位)戦は山梨学院が1対4で負け準々決勝で姿を消した。山梨学院は技巧派右腕・穴田真太郎(3年・PL学園)が先発。サインプレーや捕手の強肩、外野手と内野手の連携プレーで進塁を阻止するなど、堅守を披露し相手の攻撃の芽を摘むが、5回裏、好投していた技巧派右腕・穴田が3四死球と安打で崩され0対2と均衡が破れた。7回表、エース右腕・高梨裕稔(2年・土気)を投入したが2点を献上し0対4とされた。攻めては、リーグ最多打点打者の主砲5番・山内恭平(4年 ・育英)が1回裏に敬遠気味のストレートの四球で一塁へ歩かされ、3回裏は二死一三塁で3ー2から勝負に行き空振り三振、8回裏には二死満塁で死球の押し出しの1点と、相手投手に主砲が徹底マークされる術中にはまり音無。高橋一三監督は「負けたけど、守りから攻めという、うちの野球が出来たと思う。選手はチーム一丸となり、山梨学院の歴史を塗り替えた。今日の涙を、また新しい歴史を塗り替える涙にしてもらいたい」とチームを讃えた。
☆ 対 城西国際大学戦(準々決勝)
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◎バッテリー
【山梨学院】穴田・村山・高梨・山田 ー 田中
【城西国際】金成 ー 柏木
◎[二塁打]柏木(城)2、岡本(城)
◎投手
【山梨学院】
☆穴田 4 2/3回 72球、18打者、2安打、4四球、2失点、2自責点
☆村山 1 1/3回 23球、5打者、1安打
☆高梨 1 回 25球、7打者、1安打、2三振、3四球、2失点、2自責点
☆山田 2 回 21球、6打者、1安打、2三振
【城西国際】☆金成 9回 149球、37打者、6安打、3三振、5四球、1失点、1自責点
☆〈山梨学院出場メンバー〉
◇準々決勝の第3試合は、山梨学院大学(関甲新学生連盟2位)と城西国際大学(千葉県大学連盟1位)が対戦。山梨学院は技巧派右腕・穴田真太郎(3年・PL学園)が、城西国際のエース右腕・金成繁がマウンドに上がった。
◇山梨学院は1回表、技巧派右腕・穴田が先頭打者を四球で出塁させるが、2番打者の0ー1からの2球目に、一塁手が前にダッシュしランナーを誘い出し、二塁手が一塁に入り、右腕・穴田がボール球を投げ、捕手・田中の強肩で一塁でランナーを刺すサインプレーで、相手の攻撃の芽を摘んだ。
◇その1回裏の二死後、3番・古川裕剛(4年・八王子実践)、4番・渡辺貴幸(4年・甲府商業)の連続中前安打で二死一二塁、リーグ最多打点打者の主砲5番・山内恭平(4年・育英)が打席に向かった。主砲・山内は敬遠気味のストレートの四球で一塁へ歩かされ満塁とした。しかし、後続が打ち取られチャンスを逸した。
◇2回表、右腕・穴田は先頭打者の4番打者にライト線を破られる二塁打で出塁を許すが5番打者を右飛に、これを見て二塁ランナーがタッチアップで三塁進塁を試みるが、山梨学院は右翼手ー遊撃手ー三塁手の送球タッチアウトとで堅守を披露。
◇3回裏の一死後、2番・高田千暉(2年・木更津総合)が四球を選び出塁、続く3番・古川の中前安打で一死一二塁、4番・渡辺の一塁ファールフライで二塁の高田がタッチアップで三塁へ進塁し二死一三塁。主砲5番・山内は3ー1から積極的に勝負に出たが、ファール、そして空振りの三振に倒れた。
◇4回表、右腕・穴田は先頭打者の1番を内野ゴロに仕留めたが、これが失策となり無死一塁とした。2番打者の初球、捕手・田中の強肩が進塁を阻止。穴田は後続を内野ゴロで処理しリズムをつくる。
◇5回裏、好投していた右腕・穴田が、先頭打者の4番打者を死球で出塁させると盗塁を許し無死二塁。5番打者を内野ゴロに打ち取るも、6番打者に四球を与え一死一二塁。7番を左飛に打ち取り二死一二塁としたが、続く8番打者に四球を与え二死満塁。9番打者を迎え1ー0からの2球目を右前に運ばれ、0対2とされ均衡が破れた。二死一塁で、昨日9回の1イニングをリリーフした右腕・村山龍一(4年・銚子西)をマウンドに送った。右腕・村山は期待に応え、難無く1番打者を右飛に打ち取った。
◇2点を追う山梨学院は5回裏、9番・渡辺晶也(2年・山梨学院大附)が中前安打で出塁し反撃の狼煙を上げる。1番・平井慎也(2年・富士学苑)の犠打が捕手ゴロとなり二塁封殺で一死一塁。2番・高田の1ー0からの2球目に俊足の平井が二塁へ盗塁。平井は高田の中飛で、さらに俊足を生かし果敢に三塁への進塁を狙ったが中堅手からの好返球で刺されチャンスを潰した。
◇7回表、リリーフ右腕・村山は6番打者に四球を与えると、犠打に構える7番打者への投球が死球となり無死一二塁とした。ここで、昨日の8イニング102球の連投となるエース右腕・高梨裕稔(2年・土気)を投入。エース右腕・高梨は内野ゴロに打ち取るがそれぞれ進塁され一死二三塁。9番打者を空振りの三振に打ち取り二死二三塁としたが、1番打者に右越えされ2点を献上し0対4とした。
◇8回表、エース右腕・高梨は3番打者に四球。リーグ戦と昨日からの連投で疲れの見えるエースから、右腕・山田祐也(2年・山梨学院大附)に交代。甲子園経験のある右腕・山田は、4番打者を遊ゴロに仕留め6(遊撃手)ー4(二塁手)ー3(一塁手)の併殺に打ち取ると、続く5番打者に中前安打されるものの6番打者を内野ゴロに打ち取る。
◇四点を追う8回裏の一死後、1番・平井、2番・高田の連続四球で一死一二塁とした二死後、4番・渡辺が左前安打で満塁とした。主砲5番・山内が打席に、1ー2からの4球目が死球となり押し出しで1対4とした。
◇9回表、右腕・山田は7番打者を内野ゴロに打ち取ると、8番打者を見逃しの三振に、9番打者を空振り三振に打ち取り、味方の反撃に繋げる。
◇その9回裏の一死後、8番・田中は2ー2から3本のファールを打ち、ボールを挟み2本のファールを、そして11球目を中前安打、逆転への希望を繋ぐ。後がない山梨学院は、ここで代走に春山亮太(1年・神村学園)を、9番への代打に主将の力石昭仁(4年・向上)を投入した。力石は代打らしく積極的に打って出たが空振り三振、後続も打ち取られゲームセットとなった。
□一つの時代を切り開いた力石昭仁主将は「悔いがないと言えば嘘になるが、皆が良く一丸となり付いて来てくれたと思う。感謝したい。1年生の時は1部2部入れ替え戦のチーム。それからAクラスに、そして関東大会に出れて1勝で来た。皆で歴史を変えられて嬉しい。後輩には悲願の神宮に行けることを託したい」と爽やかに述べた。
□高橋一三監督は「負けたけど、守りから攻めという、うちの野球が出来たと思う」と試合を振り返った。そして「4年生中心に神宮に向けて良くやってくれたと思う。4年生十数名が就職活動に封印して、ユニフォームを脱がずに後輩を引っ張ってくれ、チームは一丸となり、山梨学院の歴史を塗り替えた」と讃えた。さらに「今日の涙が、また新しい歴史を塗り替える涙にしてもらいたい」と、また「4年生はこれで終わりなのかというやり切った感無量の涙、後輩には負けた悔し涙であって欲しい」と述べた。課題は、「高梨がフル回転しても耐えられる逞しい体をつくることと、少なくとも穴田を含めてもう一枚投手を育てること。あとは、守りだけではなかなか勝てないので主砲を育てること」と語 った。
文(H・K)、カメラ(平川大雪)(今村佳正)
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