
男子第60回、女子第33回、平成23年度全日本学生ホッケー選手権大会(インカレ)最終日の11月3日、岐阜県グリーンスタジアムで男女の決勝戦、3位決定戦が行われた。山梨学院大対天理大の男子決勝は、1−1のまま延長でも決着がつかず、PS(ペナルティー・ストローク)戦に持ち込まれた。準決勝・決勝とも好セーブで山学のゴールを死守してきた守護神山崎元が相手の4本目を止め、山学は5人全員がシュートを決めて2年連続2度目の大学日本一に輝いた。一方、山学女子は3位決定戦で立命館大と対戦、この試合も延長戦までもつれる大接戦となった。試合を優勢に進めながらゴールを割れず、PS戦直前の延長終了直前に立命館大にゴールを割られ、女子は4位となった。男女のインカレ上位4チームに、12月に行なわれる全日本選手権への出場権 が与えられた。男女ともに4年生と下級生が一体となって戦ってきた山学チームは、シーズン最後の全日本で優勝することを胸に、今シーズン最後の練習に向かう。
平成23年度全日本学生ホッケー選手権 男子決勝
≪山梨学院大vs天理大≫(11/3)於 岐阜県グリーンスタジアム |
○ 山梨学院大 1 |
前半 1−1
後半 0−0
延長
前半 0−0
後半 0−0
PS戦
5−3 |
1 天理大 ● |
得点 西川(山学)、三谷(天理) |
実力がありながら、その力を発揮できずに不本意なシーズンを送ってきた山学男子が、週交替で主将を務める4人の主将を中心に、インカレでついにその力を発揮した。準決勝で慶応大を圧倒した勢いを天理大との決勝戦に持ち込み、開始1分に相手ゴール前に攻め上がりPC(ペナルティー・コーナー)を獲得、このチャンスにこの大会大活躍の4人の主将の一人6番西川尚裕(4年 伊吹)が強烈なフリックシュートをゴール右上に決めて開始早々に先制した。その後も司令塔の5番大橋哲也主将(4年 伊吹)、攻撃の要7番佐藤大公主将(4年 築館)、守備の要12番久我祐太主将(4年 築館)と日本代表の9番北里謙治(4年 小国)・2番塩川直人(4年 天理)の4年生がチームを引っ張り、多彩な技を持つ3番村田和麻(2年 石動)ら下級生が堅守速攻のハイスピードホッケーでフィールドを縦横に駆け回った。しかし、追加点を奪えずに前半終了間際に連続PCから1点を返され同点で前半を終えた。後半開始早々に、佐藤のセンターリングに10番草野大介(3年 天理)がタッチシュートで合わせたと思われたが、判定が覆され、両チーム無得点で延長に突入した。延長戦は完全に山学優勢で再三PCのチャンスを得たが点を奪えなかった。延長後半のピンチはGK山崎元(4年 北海学園)の好判断とDF陣の体を張った守りで防ぎ、PS戦に突入した。PS戦は山学大先行で始まり、相手の4人目を山崎が読み勝ってセーブ、5人目の草野がゴール左上に突き刺した瞬間に山学大の勝利が決まった。その瞬間に控え部員もフィールドに雪崩れ込み、全員が優勝の喜びを共有した。寺本監督と4年生が次々に胴上げされ、獲得したたくさんのトロフィーをカメラの列に向けて喜びを爆発させた。X2サインと最高の笑顔で2年連続2度目の大学日本一に酔いしれた。
今週の主将佐藤大公選手「今年は全然勝てなかったけれど、皆くさらずに、この日のために練習に取り組んで来た。相手も強いし簡単には勝てないと分かっていた、全員が同じ方向を向いて戦って得た優勝、ただひたすら嬉しい」。好セーブ連発でゴールを守った山崎元選手「今日はいつもより集中していた、体が勝手に動いてくれた。PS戦に入っても読みは全部当たった、3本目までは止められなかったが、自信を持って4本目に向かった、最高です」。最後の5本目を決めた草野大介選手「自分で決めるんだと緊張したが、練習して来た通りに打てた。一瞬何が何だか分からなくなったが、皆が走り込んできて優勝したんだと実感した」。最優秀選手に選ばれた北里謙治選手「本来のFWではなくMF役だったが、与えられたポジションをしっかりやってチームに貢献しようプレーした。2連覇達成を目標に取り組んで来たので最高にうれしい」。寺本祐治監督「今年の男子は力がありながら、これまでもどかしい試合が多かったが、選手はこの大会に賭けてやってくれた。天理はまとまった良いチーム、延長でもPCを体を張って防がれてなかなか決められなかった。PS戦までもつれたが、選手は集中力を切らさずに良く頑張ってくれた。昨年は力で勝ち取った優勝、今年はチーム全体がまとまってつかみ取った優勝」とフィールドの選手だけでなく、ベンチ入りできずにチームを支える側に回った部員たち全員でつかんだ優勝と、全員の健闘をたたえた。
女子3位決定戦
≪山梨学院大vs立命館大≫(11/3)於 岐阜県グリーンスタジアム |
● 山梨学院大 1 |
前半 0−0
後半 1−1
延長 0−1 |
2 立命館大 ○ |
得点 山田(山学)、友次・諏訪(立命) |
山学大チームは、大会期間中に負傷した日本代表の三橋亜紀(4年 築館)とFW中畝地里沙(3年 桶脇)に無理をさせずに休ませ、チームの中心5番永山加奈(4年 桶脇)ら主力メンバーはベンチスタート、控え選手中心で試合に臨んだ。それでも、山学女子は強かった。大学王座準優勝の立命館大と全く互角に戦い、前半は0−0、後半8分にタッチシュートを決められたが後半31分に9番山田明季(1年 羽衣学園)がヒットシュートを決めて同点に追いつき、延長戦に突入した。PS戦目前の延長後半終了間際にPCから得点を奪われ、4位に留まった。3人の主将の一人永山加奈選手は「インカレで頂点に立てなかったことをばねにして、これから帰って課題をしっかり練習して、全日本で頂点を取りたい」と気持を切り替えた。ジョン・シアン監督は「天理大戦ではPCが全く入らなかった、こういう大会でほぼ完ぺきに決めた天理大には頭が下がる。今日は全日本に向けての1日目と考え、負傷したメンバーにはケガを悪化させないよう無理はさせなかった。第4位という残念な結果に終わったが、この大会の結果を無駄にせずに、PCの精度・決定率を上げる練習に取り組み、全日本での優勝を目指す」と大会を振り返った。課題の克服に取り組んで全日本に向かう。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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