山梨学院パブリシティセンター
講道館杯全日本体重別選手権 1日目
〜山部佳苗(78s超級)2連覇ならず準優勝〜
〜田知本愛を圧倒しながら残り1分逆転負け〜

平成23年度講道館杯全日本体重別選手権大会が11月12日、千葉市の千葉ポートアリーナで開幕した。男女7階級の柔道日本一を決める2日間の大会。初日は、女子は70s級・78s級・78s超級の3階級、男子は81s級・90s級・100s級・100s超級の4階級で"日本チャンピオン"の座が争われた。山学勢は女子6人、男子2人が登場した。このうち、昨年度の女子78s超級チャンピオンの山部佳苗が今年も大健闘した。3連勝で決勝に勝ち進み、世界ランキング1位の強敵田知本愛と対決した。そして、一歩も引かなかった。開始早々に、場外際で払い腰を鮮やかに決めて優勝かと思われたが、ビデオ判定で場外と判定された。その後も積極果敢に攻め続けて田知本を圧倒した 。開始1分15秒に指導1、2分25秒に指導2を奪い大きくリードした。しかし、残り1分05秒に逆転の払い腰を許し1本負け、惜しくも2連覇ならず、準優勝の表彰台に上った。その他の山学勢は、女子70s級の馬場奈津美と78s超級の井上愛美、男子100s超級の増田哲也がベスト8に入った。
≪ 女子78s超級 山部佳苗 ≫一段と成長、惜しくも2連覇ならず
昨年の優勝者山部佳苗(3年 旭川大高)は、1回戦シードで2回戦から登場した。2回戦で後藤美和(創価大2年)を指導3で圧倒、3回戦は市橋寿々華(大阪府警)を開始10秒に支え釣り込み足で秒殺、準決勝は実力者の立山真衣(フォーリーフジャパン)から指導2を奪い優勢勝ちで決勝に進出した。決勝の相手田知本 愛(ALSOK)は、大学1年の時には雲の上の存在だった強敵。世界ランキング1位に山部は敢然と立ち向かった。開始早々に、場外際で強烈な払い腰、110sの田知本の体が完全に一回転、鮮やかな一本勝ちで優勝かと思われたが、ビデオ判定で場外と判定された。腐らずにそこからどんどん前に出て攻め続け、残り2分35秒に田知本が指導2となり大きくリード、勝利がぐっと近づいた。しかし、百戦錬磨の田知本は試合巧者だった。まともに戦っては適わないと判断、前に出てくる山部の足を狙って、強烈な出足払いを何度も何度も仕掛けてきた。それが後半になって効いて来た。残り1分05秒に仕掛けて来た払い腰に 、足の踏ん張りが利かなかった、この試合初めて許した投げ技で逆転の一本負け。言い訳は一切言わない山部佳苗選手は「弱いから負けた」とだけ話し、肩を震わせて悔し涙を流した。痛いとは決して言わなかったが、強烈に蹴られ続けたその足は、たぶん、ミミズ腫れになっているであろう。力では田知本に勝っていた、試合に勝って勝負に負けた。
 
そのほかの山学勢
女子70s級の馬場奈津美(2年 埼玉栄)は、社会人2人を倒して準々決勝に進み、上野巴恵(三井住友海上)に敗退、敗者復活戦の試合途中で負傷し途中棄権した「相手との投げ合いで肘を傷めてしまった」と唇を噛んだ。国際大会で優勝し帰国したばかりの78s超級期待の新星井上愛美(1年 愛媛新田)は、準々決勝で田知本愛に優勢負けした「田知本さんとの試合の前半で肩を脱臼しました。敗者復活戦は棄権したが、思った以上に田知本さんと戦えました」と振り返った。男子100s超級の増田哲也(4年 大牟田)は準々決勝まで進んだ。卒業後は新日鉄に進む増田は「結果は今の自分の実力、先に仕掛けられる選手になるよう精進する」と明日に向かう。女子78s級の濱田尚里(3年 鹿児島南)は2回戦で敗退「まだ弱いと感じた、練習して練習して強くなります」と雪辱を誓った。女子78s超級の甲斐 南(4年 大分立野津)は2回戦で敗退した「今日の試合で柔道を引退して大分に帰ります。しんどい事がいっぱい合ったが、楽しく充実した4年間を過ごせました」と静かに畳を下りた。男子100s級の柴崎裕亘(4年 福岡舞鶴)は社会人の強豪出口雄樹(旭化成)に1回戦で敗れた「自分の中では、やり切った感があります」。雑草軍団の男子を団体3位のチームに引き上げた主将は、卒業後も社会人で柔道を続ける。
 
講道館杯1日目山梨学院大生及び卒業生の成績

成績

階級

名前

学年

備考

準優勝

78s超級

山部佳苗

3年

 

ベスト8

78s超級

井上愛美

1年

 

ベスト8

70s級

馬場奈津美

2年

 

ベスト8

100超級

増田哲也

4年

 

2回戦

78s級

濱田尚里

3年

 

2回戦

78s超級

甲斐 南

4年

 

2回戦

70s級

谷口亜弥

OG

了徳寺学園職員

1回戦

100s級

柴崎裕亘

4年

 

1回戦

78s超級

町 純香

2年

 

1回戦

91s級

西田泰悟

OB

旭化成

1回戦

70s級

飯田有香

OG

まるや接骨院


2日目(最終日)は、体重の軽いクラスの戦いとなる。女子52s級の加賀谷千保、男子73s級の中村剛教、66s級清水健登らが柔道日本一に挑む。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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