山梨学院パブリシティセンター
男子64回・女子20回関東高校駅伝競走大会 
〜山学女子・矢田貝(1年)高校駅伝初登場で6人抜き区間賞〜
〜都大路睨み 女子・県最高3位も笑顔なし/ 男子20位〜

男子64回・女子20回関東高校駅伝競走大会は11月19日、神奈川県の丹沢湖周回コース(男子 7区間42.195キロ、女子 5区間21.0975キロ)で1都7県の上位6チームの代表48チームが関東一の座を競った。山梨県代表でアベック優勝し出場を決めた山梨学院は、女子が1時間10分44秒で3位、男子が2時間13分13秒で20位となった。都大路に向けて、女子は「3位以内、白鵬に絡む走り」を掲げて挑んだ。1区・鈴木千晴(3年)が2位で流れをつくるも、2区が区間16位と遅れ5人に抜かれ、3区が区間5位と善戦したものの2人に抜かれ9位へ後退。救世主となったのは4区の矢田貝美咲(1年)。高校駅伝初出場ながらも6人を抜き去る区間賞でチームを3位に浮上させる快走。その矢田貝 から襷を受けた5区アンカーの田中結女(2年)が3位を堅持しゴールした。山梨学院は韮崎高校が第16回でマークした山梨県最高順位の4位を4年ぶりに塗り替えたが、選手や関係者に笑顔はなかった。一方、男子は「経験の大会」と位置づけて臨んだ。予選会の西湖でともに区間賞の上田竜平と上田健太などを外し、新たに3選手を起用。結果は市谷龍太郎(1年)の区間8位の力走もあり、山梨県出場校中1位の20位とした。優勝は、女子・白鵬女子(神奈川)1時間9分9秒、男子・白鴎大足利(栃木)2時間8分36秒、ともに初優勝となった。山梨学院の男女は、1ヶ月後に迫った全国大会(都大路)を睨み、さらにチーム力を向上させる。


■女子20回関東高校駅伝競走大会
■〜山梨学院「3位」 矢田貝「強い気持ち」で区間賞〜

◇萩倉監督は「関東はあくまで(都大路の)調整」と、西湖の予選会とはオーダーをガラリと変えて来た。西湖で、2区区間賞の鈴木を1区に、2区にはアンカーで区間賞の塩川を配置。ともに区間新記録をマークした3区の黒岩と4区の野田を外し、3区・青葉、4区・矢田貝を新たに抜擢。5区アンカーは西湖1区区間賞の田中を据えた。山梨学院は都大路を見据え、鈴木・塩川・田中の3選手には長い距離での区間適性能力を、3千メートルは西湖予選会をも含めた競争力を養いながらの適性能力を見極めるための布陣ながらも、3位以内、白鵬に絡む走りを掲げて挑んだ。
◇レースは、午前10時30分に紅葉が秋雨で煙る中を県道山北中川線の焼津バス停付近から一斉スタート。参加予選会タイム1位の白鵬女子(神奈川)、3位の那須拓陽(栃木)、5位の山梨学院(山梨)の争いとなり、4区・矢田貝美咲(1年)の6人を抜く区間賞9分50秒の快走でチームを9位から3位へと浮上させると、5区アンカーの田中結女(2年)が3位を堅持する走りで、1時間10分44秒でゴールした。山梨学院は韮崎高校が第16回でマークした山梨県最高順位の4位を4年ぶりに塗り替えた。

1区・鈴木千晴(3年)は、中川洞門先63.5メートル先から神縄トンネル手前の6.0キロメートルのコース。鈴木は、「リラックスしてレースを楽しもう」と中川洞門先のスタート地点から一斉に飛び出した。鈴木は那須拓陽(栃木)の直ぐ後ろの2位集団につける。「レースの流れで、前半スローペース」で走る。鈴木は流れにあわせて、さらにリズムをつくり軽快な走り。中川橋を渡り1区中間点の中川洞門手前、「時計を見ると10分、設定は9分40秒なので遅かったが、レースの流れを大事に」走る。「3キロと4キロの間の上がりがきつかった」が、監督の指示どおりのリズムを刻む。落合トンネルを右に永才橋を渡りラスト1キロ、「ラストスパートが十分にできなかった」と悔いたが 、鈴木はトップの那須拓陽に13秒差の2位19分44秒で、2区以降へ繋げる流れをつくり、第1中継所の塩川に襷を手渡した。

☆【1位 那須拓陽(栃木)、2位 山梨学院(山梨)、3位 白鵬(神奈川)、4位 伊奈学園総合(埼玉)、5位 茨城キリスト(茨城)】


2区・塩川結(1年)は、神縄トンネル手前から林道、ヘイロク沢橋先の4.0975キロメートルのコース。塩川は「先輩が上位で来ると電話で聞かされ、前の選手について走ろう」と気合いを入れた。2位で襷を受け取ると前を軽快に追う。小畑境橋を渡り、神縄トンネルバス停を力走する。玄倉ロッジ手前の中間点で後続の「1人に抜かれた」。予選会の西湖ではアクシデントに見舞われながらも区間賞と抜かれることはなかった。「関東は甘くない」。玄倉大橋を渡り、降りしきる雨の中を力走する。しかし、残り1キロで「4人に並ばれ」た。「つかなければいけない。つかなければいけない」と必死で食らいつく。塩川は「自分のせいでチームに迷惑をかけてしまう」と歯を食いしばり粘走。「ラスト5百まで粘った」が「心の弱い自分が出た」と4人に置いていかれた。塩川は区間16位14分12秒の走りで、トップの白鵬女子(神奈川)に45秒差の7位で、第2中継所の青葉に襷を預けた。

☆【1位 白鵬女子(神奈川)、2位 那須拓陽(栃木)、3位 荏田(神奈川)、4位 茨城キリスト(茨城)、5位 常磐(群馬)、6位 秦野(神奈川)、7位 山梨学院(山梨)】


3区・青葉愛(1年)は、ヘイロク沢橋先から県道、焼津橋手前の3.0キロメートルのコース。青葉は「上位(7位)で来ていたので、自分の所で抜かされるわけにはいかない」と襷を受け取る。入り1キロは「3分20秒を切る」思いどおりの走りで軽快に飛ばす。藤小屋橋からのアップダウンを力走。大仏大橋を左に見て通過し、3区中間点に差し掛かる。「疲れてくると顎が上がり、体が反ってくる」、「反らない様にと意識して走る」。青葉はラストの1キロでペースが落ちた。中川橋を渡りと焼津バス停を走り抜け「残り1キロで5、6秒遅かった」とチーム順位を7位から9位に落とした。順位は落としたものの「まあまあの走りが出来た」と区間5位10分5秒の力走で、トップ白鵬女子(神奈川)に57秒差の9位で、第3中継所の矢田貝に襷を手渡した。

☆【1位 白鵬女子(神奈川)、2位 那須拓陽(栃木)、3位 常磐(群馬)、4位 茨城キリスト(茨城)、5位 市立船橋(千葉)、6位 秦野(神奈川)、7位 荏田(神奈川)、8位 柏日体(千葉)、9位 山梨学院(山梨)】


4区・矢田貝美咲(1年)は、焼津橋手前から神縄トンネルバス停手前の3.0キロメートルのコース。矢田貝は中継所で「混戦だったので、焦らず」襷を受け取った。「襷リレーは高校駅伝では初めて」だった。「緊張より、走れる嬉しさが勝り」快調に走る。県駅伝(西湖)では落とされ悔しい思いをした。「今大会でチャンスを貰え、結果を出したい」と突き進む。「自分のリズムを考えて」軽やかに走る。「1人ずつ、ターゲットを決め」て抜いて行く。アップダウンのコース、「どちらかというと下りが多いので、確りリズムを刻んだ」とギアを落ち着いて変えて走る。「中学では、ここというときに気弱になった。高校に入り強い気持ちを持てる様になった」と自分を信じての激走。無我夢中で前の選手を捕らえていく。矢田貝は6人を抜く区間賞9分50秒の快走。矢田貝は、チームを9位から3位へと浮上させ、トップの白鵬に44秒差とし、第4区中継所の5区・田中に襷を託した。

☆【1位 白鵬女子(神奈川)、2位 那須拓陽(栃木)、3位 山梨学院(山梨)、4位 常磐(群馬)、5位 秦野(神奈川)、6位 茨城キリスト(茨城)、7位 柏日体(千葉)、8位 荏田(神奈川)】


5区・田中結女(2年)は、神縄トンネルバス停手前から三保支所前の5.0キロメートルのコース。田中はスタート前に「順位が後ろに下がっている」と連絡を受けた。審判員のコール前に「美咲が順位を上げて来たのが見えたので、慌てて衣服を脱ぎ捨ててスタートラインについた」。田中は、呼吸を整える暇もなく襷を4番の常磐とほぼ同時に貰ってスタート。「多少戸惑ったが、直ぐ落ち着きを取り戻せた」と力走。「下りはあまり得意ではない」と言いつつも軽快なリズムで走る。「前は抜ける」と仕掛けるタイミングを計る。しかし、「仕掛けるタイミングが遅かった」と、前との距離は詰まるが最後まで抜けない。田中は区間3位16分53秒の走りで、チーム総合1時間10分44秒の3位で三保支所前にゴールした。田中は無表情でクールダウンへと向かった。試合後「もっと前に付いていれば抜けた」。「最後の追い込みが足りなくて、凄く悔しい....」と後の言葉を呑んだ。

☆【1位 白鵬女子(神奈川)、2位 那須拓陽(栃木)、3位 山梨学院(山梨)、4位 柏日体(千葉)、5位 茨城キリスト(茨城)、6位 秦野(神奈川)、7位 常磐(群馬)、8位 順天(東京)】


■4区(3キロ)で区間賞を獲得した矢田貝美咲(1年)は「個人タイトルを取れたことも嬉しいが、それより走れた(出場できた)ことと、チームに貢献できたことが嬉しい」とはにかむ。「中学では8百と千5。高校で萩倉先生に指導してもらい3千が走れる様になった」。レースになると「中学の時はすぐ弱気になったが、高校生になって練習の中から強い気持ちを持てる様になった」。都大路に向けて「風邪を引かない様に体調管理し、チーム全体で調子を上げ、都大路でも良かったというレースを、個人だけでなくチーム全体で言える様にしたい」と目を輝かせた。
黒岩みさき主将(3年)は「皆、雨の中を良く走ってくれた。矢田貝が区間賞を取り収穫があった反面、優勝を目指して臨んだが3位だったので課題も残ったレースだった。この課題を残された期間で克服し、さらにチームに力を付けて、都大路では山梨県代表として納得のいくレースをしたい」と述べた。
萩倉史郎監督は「調整は上手くいっていた」。悪天候だったが「順位は3位(目標順位3位以内)、ただタイムが1分近く遅かった」。「1区・鈴木は流れを良くつくってくれ、5区・田中は良く走った」。しかし、「2区の塩川の状態が」と表情が曇った。練習では「青葉に後半追いつき追い越して10秒勝っていたが、状態が上がってこない」と憂いだ。「3区・青葉、4区・矢田貝の1年生は良く走った」と頷いた。「今日の走りでは、都大路では12番か13番が良い所。白鵬に絡む走りが出来なければ入賞以上は無理」と唇を噛み締めた。都大路に向けて「3千メートルは、西湖での野田と黒岩、今大会の青葉、矢田貝、そして古屋の5人の熾烈な争いとなる」。「4千は塩川の調 子が戻れば良いが、戻らない時に備え、青葉と黒岩も対応できる状態にしたい」。調整は「田中、塩川は県下一周駅伝に、日体大の記録会には鈴木を始め他の選手にも、5千にチャレンジさせる」。都大路までに「15分台を走れる選手を2人。16分頭で走れる選手を3人つくりたい」と雨空を見上げた。

アルバム女子


■男子64回関東高校駅伝競走大会
■〜山梨学院 上田良平・健太外すも「県1位の20位」〜

◇箱崎孝久監督は都大路を睨み、実践組(関東大会・19日)と、5千メートル記録組(日本体育大学長距離競技大会・20日)に振り分けた。予選会の西湖組のともに区間賞の竜平と健太は体調不良のため、区間3位の矢ノ倉は記録会のため外した。今回は、西湖経験組の西山、河村、南、市谷の4選手に、新たに深沢、安達、黒木の3選手を起用し、選手に経験を積ませる布陣で臨んだ。

◇午前11時00分に秋雨の降る中を県道山北中川線、焼津バス停付近から一斉スタート。全員、激しくなった秋雨の悪天候の中を襷を繋ぎ山梨県出場校中1位の力走。4区・市谷龍太郎(1年)は最長距離の8.0875キロメートルを区間8位の快走で、チームを20位から18位に上げる活躍。山梨学院は2時間13分13秒で20位とした。
 
1区・河村知樹(1年)は、県道山北中川線の焼津バス停付近から林道千代の沢園地(駐車場)手前の10.0キロメートルを、区間25位【31分25秒】。
    
2区・深沢優(2年)は、林道千代の沢園地(駐車場)手前から県道山北中川線の尾園橋手前の3.0キロメートルを、チーム23位【40分38秒】、区間23位【9分13秒】。

3区・西山令(1年)は、県道山北中川線の尾園橋手前から林道中川玄倉線の境沢橋先の8.1075キロメートルを、チーム20位【1時間6分2秒】、区間18位【25分24秒】。       
4区・市谷龍太郎(1年)は、林道中川玄倉線の境沢橋先から町道バス停玄倉前の8.0875キロメートルを、チーム18位【1時間31分19秒】、区間8位【25分17秒】。        
5区・安達拓郎(3年)は、町道バス停の玄倉前から林道千代の沢園地(駐車場)手前の3.0キロメートルを、チーム20位【1時間40分47秒】区間37位【9分28秒】。     
6区・南嘉紀(1年)は、林道千代の沢園地(駐車場)入り口から県道神縄トンネルバス停手前5.0キロメートルを、チーム20位【1時間57分12秒】区間27位【16分25秒】。
       
7区・黒木瞬(2年)は、県道神縄トンネルバス停手前から三保支所前の5.0キロメートルを、チーム20位【2時間13分13秒】、区間27位【16分1秒】。

上田竜平主将(3年)は「今大会は、故障者がいて経験のない選手が半分出場した」。しかし、「これまでチームを支えて来た選手が悔いのない走りをし、短い距離から長い距離を走った選手が長い距離も走れることを証明し、良い大会となった」。「結果20位と言うことで、全国(都大路)までに反省する所を反省して、残りの期間を確り練習したい」。そして「全国で積極的なレースをして、山梨の県民に勇気を与えられる走りを目指したい」と述べた。
箱崎孝久男子監督は「1区・市村、3区・西山、4区・市谷は、どの学校も強い選手を置いている中、1年生3人は、まずまずの走りが出来た」と目を細めた。中でも、「市谷は区間8位と潜在能力を見せてくれた」。「強いて言えば、5区・6区・7区がもう一歩だった」。「この天候だったので、タイムは出なかったが、全員で襷を良く繋いでくれた。竜平、健太、矢ノ倉の3名を落とした中での県1位は、都大路に向けて収穫があった」と語った。
アルバム男子
文(H・K)、カメラ(Y・Y)(平川大雪)(八巻和夫)(今村佳正)

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