
第13回山梨学院アルテア室内管弦楽団演奏会(主催・山梨学院大学)が11月25日、山梨学院メモリアルホールにおいて開催された。毎年キャンパスの木々が赤や黄色に染まるこの時期に開催され、今年で13回目を数える。この演奏会は、やまなし県民文化祭協賛事業にも認定され、山梨県におけるクラッシック音楽の普及、向上に貢献している。今年は、ベートーヴェン名曲特集として、序曲「エグモント」ヘ短調op.84、「ピアノ,ヴァイオリンとチェロのための協奏曲」ハ短調op.56、「交響曲第7番」イ長調op.92などが演奏された。演奏会は昼の部と夜の部で構成され、昼の部では山梨学院小の2年生から5年生までの児童約260人と山梨学院中の1年生から3年生までの生徒約330人が、東フィルやN響、東響などに所属し、国内外で活躍する一流の演奏家らが奏でる旋律に耳を傾けた。夜の部では県内のクラッシック音楽ファンや地域の人々が、一流演奏家たちが作り出すベートーヴェンの世界に魅了され、休憩時間にはワインや日本酒、ソフトドリングを堪能し、思い思いに秋の夜長を楽しんでいた。
山梨学院アルテア室内管弦楽団の団員は、東京フィルハーモニー管弦楽団やNHK交響楽団、東京交響楽団などに所属し、国内外で演奏活動を行っている一流演奏家たちで、楽団はこの日のためだけに編成される。今年は、43人で楽団を構成(内訳:指揮1、ピアノ1、ヴァイオリン15、ヴィオラ4、チェロ4、コントラバス3、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、ティンパニ1)。タクトは山梨学院短期大学の
白河和治教授が振り、コンサートマスターを
三浦章宏氏(東フィル・コンサートマスター)が務めた。
演奏曲目は以下の5曲で、昼の部ではより多くの曲を鑑賞するため、曲によっては1楽章のみの短い編成で演奏された。(●印は昼の部のみ)
○ベートーヴェン作曲 序曲「エグモント」ヘ短調op.84
○ベートーヴェン作曲 「ピアノ,ヴァイオリンとチェロのための協奏曲」ハ短調op.56
○ベートーヴェン作曲 「交響曲第7番」イ長調op.92
●ベートーヴェン作曲 「木管五重奏」(メヌエット)
●ウェーバー作曲 歌劇『魔弾の射手』より「狩人の合唱」
昼の部では、「本物に触れる」を主眼に山梨学院小・中の児童・生徒が鑑賞し、それぞれの曲の途中には、曲の作られた経緯や時代背景、作曲者の人間模様などが分かりやすく紹介された。昼の部では夜の部で演奏されないベートーヴェンの木管五重奏とウェーバーの狩人の合唱が特別に演奏され、木管楽器の持つ張りのある伸びやかな音色とホルンの優しい音色に耳を傾けた。「ピアノ,ヴァイオリンとチェロのための協奏曲」ハ短調op.56では、チェロの
渡邊辰紀氏(東フィル主席チェロ奏者)、ピアノの
東 誠三氏(ピアニスト、東京藝術大学准教授)、ヴァイオリンでコンマスの三浦氏がそれぞれソリストを務め、卓越した弓捌きや軽やかなピアノの指運びで児童らを魅了し、一流演奏家らが織りなす芸術の数々を肌で感じていた。
演奏会後には、楽団メンバーへの質問コーナーが設けられ、児童らから楽器の大きさや練習時間、音楽家の仕事内容などの質問が挙げられ、メンバーらは一つ一つ丁寧に答えていた。夜の部では、県内のクラッシック音楽ファンや地域の人々が会場を埋め、一流演奏家らが奏でた旋律に包まれ、休憩時間には県内産のワインや日本酒、ソフトドリンクを味わい、思い思いに芸術の秋を楽しんでいた。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)
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