
平成23年度第31回全日本学生スピードスケート選手権大会は12月9日、群馬県総合スポーツセンター伊香保リンクで2日目(最終日)の競技を行った。スプリント(SP)の後半と、オールラウンド(AR)の後半が行われた。最初の種目女子SP500mで梅川風子が3位に入り、前日果たせなかった表彰台に上った。AR1500mでは松岡三葉・歸山麻衣・小島早織の3人が前日の500mに続きワンツースリー・フィニッシュを決め2日連続の表彰台独占となった。AR5000mは歸山麻衣が断トツの強さで優勝を決め、小島早織が3位に入った。2日間の合計得点で競うSP総合では、土田愛が3位に入り、4距離の総合得点で競うAR総合は、歸山麻衣が優勝を飾り、小島早織が準優勝を獲 得した。男子は、由井篤樹の総合9位が最高だった。SPの総合優勝は、2年前に雪の中で完全優勝を成し遂げた郷亜里砂など過去に7人いるが、ARの総合優勝は、個人だけでなく山学大としても歸山麻衣が初優勝となる。
≪女子AR1500m≫松岡・歸山・小島が2日連続表彰台独占
AR1500mは、4人の選手が200m間隔で同時に滑るカルテットスタートで実施された。7組で
小島早織(こじま さおり 3年 佐久長聖)と川口愛莉(日体大)が同走、最終8組で
松岡三葉(まつおか みつは 4年 帝京三)と
歸山麻衣(きやま まい 3年 駒大苫小牧)が同走、山学大の3人が一緒に滑走した。中距離が専門の主将松岡が実力を発揮して優勝、歸山2位、小島3位となった。
松岡三葉選手「夏の陸トレの成果が出てスピードがついて来た。人を引張る性格ではないが、主将は一つの勉強だと思って精一杯努めたい」。
歸山麻衣選手「スピードが課題だったが、和田コーチから膝を内側に入れるよう指導を受け、昨年よりスピードが出るようになった」。
小島早織選手「1500mの力を使うところと粘るところが少しつかめて、いい感じで滑れました」。それぞれ自分のレースを振り返り、表彰状を手に笑顔の輪を広げた。
≪女子AR5000m≫歸山麻衣断トツ優勝・小島粘り逆転3位
400mリンクを12周半する5000mは非常に過酷なレース、このレースもカルテットスタートで実施された。5組で
小島早織と西舘桂(信州大)が同走、最終6組で
歸山麻衣と阿部真衣(日体大)が同走した。力をグンと伸ばしジャパンカップ第2戦札幌大会3000m優勝、第3戦日光大会第3位と日本長距離界トップレベル選手に成長した歸山が、前日の3000mに続きこのレースでも、他を寄せ付けない断トツの強さで優勝を飾った。小島は粘り強い冷静なレース運びで最後までしっかり足を動かし、同走の西舘を最後に逆転し3位に滑り込んだ。
歸山麻衣選手「5000mを滑るのは1シーズンに1回程度、残り5週から苦しくなったが、同走に負けたくないと思って耐えてラップを上げました。今までで一番辛かったがベストを出せた。総合優勝はとても嬉しい、フォームを少しずつ直してインカレに臨みたい」。
小島早織選手「最初は良かったが、途中で崩れてバタバタした。負けたくない思いで最後逆転したがまだまだダメ、上を目指して頑張りたい」。和田貴志コーチは、歸山を日本トップレベルの選手にするために、2年がかりでフォームの改造を図る方針、レースで手応えをつかんだ長距離のホープ2人は、更なる高みへ照準を合わせる。
≪女子SP500m≫梅川風子逃した表彰台を獲得
梅川風子(うめかわ ふうこ 3年 大検)は、前日の500m1本目は、わずかな差で4位となり表彰台を逃した。2日目の2本目は7組で滑り、同走の大森亜珠香(大東文化大)に競り勝ち41秒79でゴール、後続2組の滑りを待った。結果は、清水玲香(日体大)、宮崎麻衣(信州大)に次ぐ3位で表彰台を獲得した。
梅川風子選手「1日目は全然ダメだったが、2日目はスタートはよくなかったが200mからは練習通り滑れた。やっと肩を並べて滑れるようになった。今年からジャパンカップにも出れるようになったので、インカレでも表彰台に立てるよう頑張りたい」と自信を持って前に向かう。
そのほかの山学大勢の結果、SP500m土田愛5位・阿部美沙希7位・伊藤さゆり9位。SP1000m土田愛4位・梅川風子7位・阿部美沙希10位・伊藤さゆり11位・下田琢也17位。(SP総合土田愛3位・梅川風子6位・阿部美沙希8位・伊藤さゆり11位)。AR1500m阿部小春11位・由井翔12位。1万m由井篤樹10位(AR総合由井篤樹9位)など
和田貴志コーチは「歸山を日本トップレベルの選手にするために、フォームを大幅に変えている、2年がかりで完成させる方針、まだ自分のものになっていないが、自信はつかめたと思う。小島は絶不調だったが、やっと粘りが出てきた。男子は寂しかったが、女子は松岡を中心に表彰台を独占するなど、スピード力と持久力がついてきた」と分析している。
川上隆史監督は「屋外リンクの厳しい条件だったが、選手は実力を出した。女子は学生NO1チームの自信を持って戦い上位を占めた。チームの最大の目標は1月のインカレ団体戦、女子は、3連覇を目指してトレーニングを重ねていく。男子は、2部に落ちないよう危機感を以って1部残留を目指す。チーム山梨学院一丸となって頑張りたい」と先を見詰める。
今シーズンのスケート・インカレは、1月6日から9日に、北海道苫小牧市で開催される。チーム山梨学院は、フィギュア陣を加え、一丸となって女子3連覇・男子1部残留に挑む。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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