
第88回東京箱根間往復大学駅伝競走"箱根駅伝"に出場する山梨学院大陸上競技部の壮行会が12月15日に大学キャンパスで行われた。上田誠仁監督を先頭に16人のエントリーメンバーが入場、宮崎光陸上競技部主務がメンバーの名前と学年・出身校を紹介した。会場には学生や教職員約600名が詰めかけ、拍手とエールで激励した。選手を代表し松枝翔主将が「山梨学院らしい粘り強い走りをして、箱根を往復して来ます」と活躍を誓った。今年のチームテーマは「一歩の決意〜引くな前へ出ろ 己の殻をぶち破れ〜」。今年は苦しい1年だった。出雲駅伝にも、全日本大学駅伝にも出場することが出来ず、箱根駅伝も予選会を勝ち抜いてようやく出場に漕ぎ着けた。逆風の中で自分たちを信じ続けて 走り抜き、26年連続26回目のスタートラインに立った選手たち、去年涙を流した大手町のゴールに、今年は笑顔でゴールする。
壮行会に先立ち、今月10日早朝に甲府・緑ヶ丘体育館前でエントリーメンバーの発表が行なわれ、上田誠仁監督から松枝翔主将にプルシアンブルーの伝統の襷が手渡された。16人のエントリーメンバーは、箱根駅伝経験者7人、登録経験者3人、初登録者6人の布陣。4年は、主将の松枝翔(鹿児島実)、予選会トップのオンディバ・コスマス(山梨学院高)、予選会チーム2位の田口恭輔(愛知・東邦)、昨年走った佐々木直弥(鳥取中央育英)と中村悠二(和歌山・日高)、2年連続登録メンバー入りの尾崎博(山梨学院高)の6人。3年は、昨年走った伏島祐介(白鴎大足利)、牧野俊紀(西武台千葉)のほか、予選会に出場した篠塚春希(千葉・冨里)、森井勇磨(京都・山城)、2年連続登録の藤岡将大(兵庫・報徳)、土田俊徳(仙台育英)、松本大樹(出雲工)の7人。2年は、予選会に出場した宮本悠矢(大分・日大文理)1人。1年は、予選会チーム4位と好走した井上大仁(長崎・鎮西学院)と福沢潤一(佐久長聖)の2人。松枝・コスマスら、経験豊富な上級生を軸にした布陣で臨む。
昨年は、総合成績12位(往路13位、復路9位)に沈み、4年ぶりにシード権(上位10校)を逃した。苦闘のシーズンを送り、10月の予選会を2位で通過、ようやく26年連続出場を決めた。本番の箱根路では、高くはない前評判を覆し、最低でもシード権を確保し、さらに上位を狙う。
15日の壮行会は、昼休みの12時20分から大学キャンパス内40周年記念館前で行われた。上田誠仁監督を先頭に16人のエントリーメンバーが入場、
宮崎光陸上競技部主務がメンバーの名前と学年・出身校を紹介した。
古屋忠彦学長は「昭和62年に初めて箱根に駒を進めて四半世紀になる。長い歴史の中で、いつも高い所にいられるわけではないが、かけがえのない感動をもう一度蘇らせたい。来年は何かが起こる、素晴らしい年になると思う」と壮行の辞を述べた。
下田正二郎カレッジスポーツセンター長は「箱根駅伝に優勝した大学は15大学ある。山梨学院が3回の優勝をしていることは、選手だけでなく競技をやっているアスリート共通の原点であり、誇り。強化育成13クラブの選手とともに、思いを一つにして箱根を迎えたい」と励ました。
平井明日香学生会会長は「常連校と言われる裏には、計り知れない選手の努力があるからだと思います。体調管理に気を付けて、悔いの残らないよう全力で走って来てください」と激励した。選手を代表して
松枝翔主将が「前回シード落ちの結果を受けて、悔しさを胸に練習を重ねてきました。山梨学院らしい粘り強い走りをして箱根を往復して来ます」と活躍を誓った。山梨学院幼稚園の園児代表から「お兄ちゃんたちがんばって」の言葉が添えられた折り紙のお守りが贈られ、チアリーダー部とウインドブラスアンサンブルの共演で、応援パフォーマンスが行なわれ「フレー・フレー・ヤマガク」とエールを送った。最後に
上田誠仁監督が「東日本大震災の被災者の方から、励ましの言葉を頂いた。自分たちの走りを持って勇気と元気を送り届けたい。下馬評というのがあるが、勝負に絶対はない。予選会から立ち上がってもここまで走れるのかという走りをしたい。すべて覆す勢いで戦いに挑み、サプライズを起こしたい」と抱負を述べた。
壮行会を終えた選手たちは、午後1時から40周年記念館6階会議室でマスコミ各社の合同取材に応え、午後3時前から川田『未来の森』運動公園陸上競技場で公開練習を行った。練習に先立ち、JAバンク山梨から梨北米60sと南部茶240個がチームに贈られた。公開練習では、ジョップのスピードでトラックを30周する集団走が公開された。最終調整の時期に入った選手たちは、自分のホームをチェックしながら、黙々と走り込んでいた。
文 (M.T) カメラ(平川大雪)
[エントリーメンバー一覧]
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