天皇杯平成23年度全日本レスリング選手権大会が12月21日から3日間、東京・代々木第2体育館で開催された。山梨学院大勢では、大会2日目のグレコローマンスタイル96s級に出場した有薗拓真が3位の表彰台に上った。今年の天皇杯は、来年8月5日から始まるロンドン五輪レスリング日本代表の座を競う第1ステージ。オリンピック出場を目指す有薗は、9月にトルコで行われた世界選手権の日本代表、今回は第1シードで大会に出場した。1回戦をシードされ、2回戦から登場した。2回戦の対戦相手インカレ王者を圧倒して準決勝に進出し斎川哲克と対戦した。斎川は昨年のアジア選手権84s級で銀メダルを獲得した世界レベル選手。毎回10s近く減量して大会に出場していたが、今回は 減量なしで済む96s級に階級を上げて出場して来た。186cmの強敵、180cmの有薗は、体が一回り大きい斎川のパワーに押され、ポイントを奪うことが出来ないまま敗れ3位に留まった。
第1シード有薗拓真(4年 兵庫育英)の初戦2回戦の対戦相手、大坂昴(早大)は、有薗が世界選手権に出場するために欠場した今年の全日本学生レスリング選手権(インカレ)優勝者だが、まったく寄せつけなかった。第1ピリオドはグランドで相手を回して取り、第2ピリオドはグランドを余裕で守り切り、格の違いを見せつけて勝利した。しかし、準決勝の相手斎川哲克(両毛ヤクルト販売)は強かった。10月の国体から96s級に階級を上げて来たが、その国体で有薗・山本雄資・森保弘のグレコ96s級ビッグ3全員を破って優勝した怪力。有薗が思い描く試合はさせて貰えなかった。第1ピリオド0−1、第2ピリオド0−4で敗れた。試合後有薗拓真選手は「斎川さんは尊敬している強い選手。国体の時よりはやれたが及ばなかった。ただ、この階級のオリンピック代表は斎川さんで確定したわけではない。2月にアメリカで行われる国際大会に出場する。世界選手権のような三つ巴代表決定戦となる可能性もあるので、可能性がある限り最後までロンドン五輪を目指して練習を重ね、戦いを挑む」と語った。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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