山梨学院パブリシティセンター
第十三回酒折連歌賞 受賞者決定
〜大賞(文部科学大臣賞)に宮城県の宍戸あけみさん〜
〜飛べないと 分かっていても 見続けた空〜

酒折連歌賞実行委員会(川手千興実行委員長)は1月31日、第十三回酒折連歌賞の大賞(文部科学大臣賞)・山梨県知事賞・山梨県教育委員会教育長賞・甲府市長賞・アルテア賞最優秀(山梨県教育委員会教育委員長賞)などの受賞作100選を発表した。大賞(文部科学大臣賞)は、宮城県仙台市在住の宍戸あけみさん(35歳)に贈られた。問いの片歌「色あせた麦藁帽子が知っているのは」の問いかけに、宍戸さんは「飛べないと分かっていても見続けた空」と答えの片歌を返した。今野寿美選考委員は「単なる諦めと違って「見続け」る姿には、若さに裏打ちされた一縷の希望のニュアンスが感じられ、爽やかな印象を与える」と選評した。今年度の大会応募句数は30,883句、大震災の影響で募集期間が2カ月短縮されたにもかかわらず、9年連続して3万句を超える多数の応募句が寄せられた。大賞からアルテア賞最優秀までの上位5作品の作者は、男性1人、女性4人、うち3人は女子中高校生が受賞した。受賞者の表彰式は2月20日に山梨学院広報スタジオで行われる。
大賞(文部科学大臣賞)
(問いの片歌1、色あせた麦藁帽子を知っているのは)
飛べないと分かっていても見続けた空  宍戸あけみ  (宮城県仙台市)
 
山梨県知事賞
(問いの片歌4、ハモニカがひかりのおんぷならしているよ)
木造の校舎で聴いた虹の音階       松本一美  (東京都三鷹市)    
 
山梨県教育委員会教育長賞
(問いの片歌3、集まって話したくなることのいくつか)
失敗とほんの少しの今日の幸せ      石川 明  (北海道伊達中)
 
甲府市長賞
(問いの片歌2、ケータイをやはり持とうか子に問いかける)
よそはよそうちはうちって言ってたくせに 仲川暁実 (さいたま市立浦和中) 
 
アルテア賞最優秀・山梨県教育委員会教育委員長賞
(問いの片歌4、ハモニカがひかりのおんぷならしているよ)
眠たげなクジラの背中すべり落ちてく   梶山未来 (茨城県立水戸二高) 
 
酒折連歌賞は、5・7・7の問いの片歌に対して、答えの片歌を5・7・7で返す歌遊び。日本武尊ゆかりの連歌発祥地甲府市酒折宮にちなみ1998年に創設され、今年度で第十三回を数える。大賞(文部科学大臣賞)・山梨県知事賞・山梨県教育委員会教育長賞・甲府市長賞に加えて、高校生以下を対象に将来楽しみな才能を見出すことを目的に設けられている特別賞としてアルテア賞が設けられている。今年度からアルテア賞最優秀に、山梨県教育委員会教育委員長賞が新たに贈られることになった。上位5作品に加えて、入選(10作品)、アルテア賞(最優秀賞を含む10作品)、奨励賞(12作品)、次点(64作品)の合計100選が選出された。今年度の大会応募句数は30,883句(男性15,090、女性15,776、不明17)、最年少応募者は7歳(山口と茨城の男の子2名)、最高齢応募者は新潟県の94歳男性だった。全国の中学・高校で授業の一環として活用される事が年々増加しており、今年度は応募者の71%が10代で占められた。他の文学賞と比べると圧倒的に若い人が多い文学賞となっている。都道府県別では地元の山梨県が最も多く13,157句、次いで東京2,368句、兵庫、埼玉、大阪、北海道、神奈川、福岡、愛知、茨城がベスト10となった。海外からもデンマークを始めフランス、カナダ、アメリカなどから27句が寄せられた。今年度は、東日本大震災の影響で、募集の開始時期を6月に遅らせたため、募集期間が例年より2ケ月短かったが、9年連続となる3万句を超えるたくさんの応募句が寄せられた。 
文(M.T)
100選の詳細及び選評は酒折連歌賞HP
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