
山梨学院短期大学食物栄養科の学生グループが、山梨学院学生チャレンジ制度と山梨県の甲斐の木活用総合推進事業の助成を受け、室内で気軽に楽しめる高齢者向け健康器具の開発に取り組み、このほど完成させた。3月25日に南アルプス市にある山梨県産木材の情報発信基地「木の国サイト情報館」で行なわれた推進事業実績報告会で、グループの代表2人が研究成果の発表報告を行った。開発に取り組んだのは、食物栄養科岡本裕子教授のゼミ生。栄養士の卵である学生たちは、健康作りは望ましい食生活だけでなく、適度な運動が大切なことを訴えようと健康器具作りに取り組んだ。考案したのは、お年寄りの運動不足解消を図る踏み台形式の2段式用具、名づけて「健康ステップ台"げんき君"」。素 材には山梨県産の間伐材を活用した。環境に優しく、地域の活性化に結びつく商品にしようと、試作を繰り返して完成形に辿り着いた。
山梨学院短大食物栄養科岡本裕子教授のゼミ生(2年生6人、・1年生7人)は、平成23年度春季の学生チャレンジ制度の認定を受け、昨年前期から研究に取り組んだ。試作品を各地のイベントに持ち込み、体験者の感想を基に開発を進めた。また、県産材の需要拡大や普及促進を目的とする平成23年度甲斐の木活用総合推進事業の助成を受け、県産間伐材を素材活用する開発に取り組んだ。1月21日には、甲府・県男女共同参画推進センターで甲府市琢美地区の住民を対象にした健康運動教室を開催。約30人の参加者にステップ台の使い心地を確かめてもらう普及啓蒙活動を実践した。各イベントで寄せられた参加者の体験談を基に、ゼミ生全員で話し合い、改良を重ねて完成させた。
木の国サイト情報館で行なわれた25日の実績報告会には、2人の1年生が出席、パワーポイントを使い、事業の取り組み内容と研究結果を報告した。報告を行った
水谷佳代さん(左)と長田結香さんは「買いたいと言ってくれた人がいて、頑張った甲斐があったと思いました。自分たちの取り組みが、お年寄りの健康作りに役立てばとても嬉しい」と声を揃えた。
岡本裕子教授は「この用具は、脚部の筋力と心肺機能の向上を図るもの。高齢者だけでなく、運動不足による生活習慣病が心配される中年者や、怪我などで激しい運動が出来ないスポーツ選手の筋力維持をサポートするためにも使用できる。山梨県は健康寿命日本一の県、学生たちが試行錯誤して作った"げんき君"が高齢者の健康作りをさらに高めることに役立てば」と語った。岡本ゼミでは、新年度は"げんき君"を使用した場合の検証をテーマにする方針。体脂肪量や肥満度、筋肉量をグラフや数値で表す体組成分析装置などを活用し、ステップ台をステップにして研究を確立させていくことにしている。また、山梨学院短大は、県木材協会と話し合い、"げんき君"の商品化を検討することに している。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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