
ロンドン五輪日本代表選考会を兼ねた第88回日本選手権水泳競技大会競泳競技が4月2日、東京・辰己国際水泳場で開幕した。オリンピックと同じ予選・準決勝・決勝方式で競われる7日間の大会に、山梨学院勢は20人が出場する。このうち、鈴木聡美・加藤和・萩原智子の3人には五輪出場の期待がかかる。初日は、男女400m個人メドレー、400m自由形などが行われた。山梨学院勢は、400m自由形の野中瑞姫が決勝に進出、自己最高の4位となった。100mバタフライの中坊彩は準決勝に進んだが、9位となりあと一歩で決勝進出を逃した。加藤和は200m個人メドレーに専念するため400mは棄権した。
《女子400m自由形 決勝 野中瑞姫》
長距離が専門の野中瑞姫(のなか みずき 4年 佐賀学園)は、高校時代は無名の選手だったが、山学大に入ってから徐々に徐々に、一歩一歩、力をつけて来た。昨年秋からは、最終学年で迎えるこの日本選手権で、檜舞台の決勝レースを泳ぐことを目標に猛練習を重ねて来た。朝練習8500m、午後練習9500mを自らに課し泳ぎ込んだ。どの選手よりもゆったりした大きな泳ぎが特徴だが、わずかにピッチを早める工夫をして大会に臨んだ。午前中に行われた予選を自己ベストに迫る4分14秒68で泳ぎ4位通過。400m以上の種目は準決勝がないため、そのまま夜8時過ぎからの決勝に進んだ。決勝レースはテレビ中継される。テレビカメラに小さく両手を振って入場、6コースから飛び込んだ 。150mまでは5位だったが200mで4位に上がり、最後まで4位をキープして4分14秒89でゴールした。野中瑞姫選手は「合宿でスピードを上げる練習をして、いい調子で大会に臨んだ。自分では予選よりいい感じで泳いだと思ったが、タイムは予選より悪かった。でも過去最高の成績だから悔しくはないです」。全力を出し切ったのだろう、サッパリした表情だった。5日目の800m自由形にも出場する。
《女子100mバタフライ 準決勝 中坊 彩》
中坊 彩(なかぼう さやか 4年 京都外大西)も努力の人。野中と同じように高校時代は無名だった。同じバタフライの加藤ゆかを育てた神田忠彦監督の指導を求め山学大に入学した。小柄ながら全身をバネのようにして水面を進む力強い泳法。努力で少しずつ少しずつ成長、3年の短水路選手権で全国大会初の3位表彰台を獲得した。その後はタイムが伸びず苦しんだが、黙々と泳ぎこみ、2月の短水路選手権で自己ベストを更新、2年連続となる3位表彰台を獲得し見事に復活した。日本選手権は長水路、中坊は午前中の予選15位で準決勝に進出、1組1コースで泳いだ。前半を思い切って飛ばし50mは27秒86でターン、2位で折り返した。75mまで2位だったが、最後伸び切れず1分00秒 21でこの組5位となった。2組が終わり、結果は8位と0,04秒差の9位となり、決勝進出を惜しくも逃した。中坊彩選手は「1分を切りたかった。予選は気持ちがふわふわしていたが、準決勝はしっかり泳げた。前半から思い切って飛ばし予選より1秒近く早く入った。後半きつくなったが、最後まで諦めない気持ちで泳いだ。決勝に残りたい一心で猛練習してきたので悔しい、結果が全てです」。レース結果を伝える電光掲示板を涙で見つめた。3日目の200mバタフライにも出場する。
3日の2日目は、男女200m自由形、女子100m平泳ぎ、男子100m背泳ぎの予選・準決勝と、女子100mバタフライと男子100m平泳ぎの決勝が行われる。山梨学院勢は、100m平泳ぎに鈴木聡美・村上優海、200m自由形に山岸奈央・江原騎士が出場するほか、OGの加藤ゆか(東京SC)が100mバタフライ決勝に出場する。
山梨学院勢 1日目の成績 |
名前 |
学年 |
種目 |
記録 |
備考 |
野中瑞姫 |
4年 |
400m自由 |
4分14秒86 |
決勝4位 |
中坊 彩 |
4年 |
100mバタ |
1分00秒21 |
準決勝9位 |
福田真大 |
3年 |
400m個メ |
4分22秒73 |
16位
(自己ベスト) |
青木健鉱 |
2年 |
400m個メ |
4分24秒34 |
18位
(自己ベスト) |
重森俊二 |
3年 |
100m平泳 |
1分03秒72 |
35位 |
七里夏海 |
高3 |
400m個メ |
4分58秒31 |
50位 |
加藤 和 |
4年 |
400m個メ |
棄権 |
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文(M.T) カメラ(平川大雪)
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アルバム野中選手 |
アルバム中坊選手 |