競泳日本選手権　５日目～萩原智子１００ｍ自由形の五輪出場ならず～

ロンドン五輪日本代表選考会を兼ねた第８８回日本選手権水泳競技大会競泳競技は６日、東京・辰己国際水泳場で５日目の競技を行った。現役に復帰し１２年ぶりのオリンピック出場を目指す職員の萩原智子が１００ｍ自由形決勝に挑んだ。前半３位で折り返したが後半が伸びず結果は８位、１００ｍでの五輪出場はならなかった。明日の５０ｍ自由形に賭ける。この日の山梨学院勢は、萩原智子の他に１００ｍ平泳ぎで五輪出場を決めた鈴木聡美が二冠と五輪２種目出場を目指し２００ｍ平泳ぎに出場、予選・準決勝ともにトップで明日の決勝に進出した。また、初日の４００ｍ自由形で４位に入った長距離のエース野中瑞姫が８００ｍ自由形予選８位で決勝進出を決めた。男子２００ｍ個人メドレーの青木健絋が準決勝に進み、大舞台で１１位と健闘した。

≪女子１００ｍ自由形　決勝　萩原智子≫
再びの五輪を目指す萩原智子（はぎわら　ともこ　カレッジスポーツセンター職員）は前日の予選・準決勝ともに７位で決勝レースに進出した。スタート前、萩智は直立不動の姿勢で両手を腰に置き、じっと動かなかった。心を研ぎ澄ませていたのだろう、静かにスターターの合図を待った。最後に大きく息を吐き運命を決めるスタート台に上った。３１歳のチャレンジャーは、思い切って飛び出した。２５ｍは１位、５０ｍのターンは３位（２６秒４７）で折り返した。この位置を保てばリレーでオリンピックに行ける。山学応援席は「行け～、粘れ～」と大声援を送った。しかし、後半が伸びなかった。最後まで諦めない気持ちで泳ぎ、５５秒７８の８位でゴールした。復帰後のベストタイムではあるが、上位４人に与えられるリレーメンバーには入れなかった。プールサイドで観客席に一礼し、リレーメンバーがアナウンスされると拍手をして涙をこらえた。萩原智子選手は「まだまだ甘いということだと思います。でも、復帰後のベストタイムだと思うので、いいレースだったと思います、リレーメンバーに選ばれた４人は、皆５４秒を切れるところまで来ているので世界で戦える。頑張ってもらいたい」悔しさをこらえてリレーメンバーにエールを贈った。萩智は気持ちを明日の５０ｍ自由形に切り替える。

≪女子２００ｍ平泳ぎ　準決勝　鈴木聡美≫
鈴木聡美（すずき　さとみ　４年　九産大九州）は１００ｍの時と違い、非常にリラックスした表情で入場して来た。５０ｍは横一線だったが、１００ｍで抜け出した。伸び盛りの高１渡辺香生子（ＪＳＳ立石）やベテランの日本記録保持者金藤理絵（ｊａｋａｄ）らを寄せつけず、２分２４秒５６でゴールした。鈴木は２００ｍも強かった。鈴木聡美選手は「予選よりも少しペースを上げるつもりで泳ぎました。順調にタイムを上げれたので、決勝では自己ベストを超えるくらいのタイムを出したいと思います。２００ｍもしっかり記録を出して、（五輪で）表彰台を狙えるようにしたい」と明日のレースを見つめた。

≪男子２００個人メドレー　準決勝　青木健絋≫
青木健絋（あおき　たけひろ　２年　高松工芸）は、予選で自己ベストの２分０２秒２６をマーク、１１位で準決勝に進出した。山学選手団席に向けて、左手をあげて入場して来た。最初のバタフライはこの組６位で入り、次の背泳ぎでは８位に後退した。しかし、得意の平泳ぎで一気に巻き返し、１５０ｍは４位でターンした。ラストのクロールで順位を２つ下げたが、この組６位の２分０２秒４０でゴール、全体では１２位となった。決勝進出は逃したが、山学男子勢として大いに気を吐いた。青木健絋選手は「予選と違い、準決勝は空気がピリピリしていて凄い人の集まりだと思った。山学大で四国出身者は自分一人だが、五輪に行くレベルの人が多い環境のいいチーム。オリンピックが懸かった舞台で準決勝に出れたことは自信になる。インカレに向けて少しずつタイムを上げて行きたい」と向上を誓った。

この他の山梨学院勢は、初日の４００ｍ自由形で４位に入った長距離のエース野中瑞姫（４年　佐賀学園）が８００ｍ自由形予選で８位に入り決勝進出を決めた。また、男子２００ｍ背泳ぎの篠田大夢（２年　長岡大手）が自己ベストを２秒近く更新させ２６位。男子２００ｍ個人メドレーの福田真大（３年　白鴎大足利）が２７位。女子２００ｍ平泳ぎの村上優海（４年　市立船橋）が３３位となった。

明日６日目の山梨学院勢は、女子５０ｍ自由形予選に萩原智子・下中千明・本間あかりの３人、女子２００ｍ背泳ぎ予選に山下安輝、男子１５００ｍ自由形予選に須藤勝也と嶋崎喬介が出場する。そして、鈴木聡美が二冠２種目に挑む女子２００ｍ決勝が行われる。

山梨学院勢　４日目の成績
名前	学年	種目	記録	備考
萩原智子	職員	１００ｍ自由	５５秒７８	決勝８位、夢にあと一歩届かず
鈴木聡美	４年	２００ｍ平泳	２分２４秒５６	準決１位で７日の決勝へ
野中瑞姫	４年	８００ｍ自由	８分４７秒５０	予選８位で７日の決勝へ
青木健絋	２年	２００ｍ個メ	２分０２秒４０	準決１２位、予選で自己ベスト(2:02.25）
篠田大夢	２年	２００ｍ背泳	２分０３秒８７	２６位（自己ベスト）
福田真大	３年	２００ｍ個メ	２分０４秒３７	２７位
村上優海	４年	２００ｍ平泳	２分３３秒１１	３３位

文（Ｍ．Ⅰ）　カメラ（平川大雪）
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