山梨学院パブリシティセンター
競泳日本選手権 最終日
〜萩原智子は50m自由形完全燃焼5位〜
〜下中千明も自己ベストの完全燃焼7位〜

ロンドン五輪日本代表選考会を兼ねた第88回日本選手権水泳競技大会競泳競技は8日、東京・辰己国際水泳場で最終日のレースを行った。100m自由形での五輪出場を逃した萩原智子と下中千明が、ラストチャンスの50m自由形決勝に挑んだ。50mは、わずか30秒で決着するあっという間のレース。どの選手も1度しか息継ぎをしないで泳ぎ切った。ゴールタッチの波しぶきが一斉に上り、観客席からは全員がほとんど一緒にゴールしたように見えた。結果は、1位から7位までが25秒台という大激闘だった。25秒67の萩原智子は5位、25秒73の下中千明は7位となった。2人とも残念ながら五輪出場はならなかった。全競技終了後のプールサイドで、オリンピック日本代表内定式が行な われた。激戦を勝ち抜いた鈴木聡美・加藤和ら男女27選手がJAPANのトレーニングウエアを着用して場内を一周、カメラの放列に笑顔を向けた。
≪女子50m自由形 決勝 萩原智子・下中千明≫
萩原智子(はぎわら ともこ カレッジスポーツセンター職員)は準決勝3位で、下中千明(しもなか ちあき 4年 北陸大谷)は7位で、決勝レースに挑んだ。レース直前の選手控え所、下中は緊張をほぐすために足を踏み両腕を叩き体を動かした。萩原は直立不動の姿勢で目を閉じ、静かに息を吸い呼吸を整えた。最初に1コースの下中が入場して来た。いつもの下中は、うつむいて中継カメラに目線を向けないのだが、この日はカメラに微笑み、会場の観客席に手を振って入ってきた。目標の決勝に残れたことでプレッシャーから解放されたのだろう、落ち着いた表情だった。萩原は、名前を告げられると両手を大きく上げて入場、こちらも落ち着いた表情、ハギトモスマイルで観客の拍手に応えた。スタートの反応は、萩原が最も早い0,65、下中が最も遅い0,75だった。25mでは二人とも派遣標準を切るスピードだったが、後半伸びず、萩原は25秒67の5位、下中は25秒73の7位となった。この種目は、優勝した上田春佳も派遣標準を切れなかった。
 
下中千明選手は「控え所は雰囲気が違った、居づらいような張りつめた空気でした。ベストを出すことを目標にして挑んで、ベストが出たので続ける自信になりました。スタートを改善して、インカレではもっといいタイムで泳ぎたい」と話した。萩原智子選手は「今の100パーセントは出せたと思います。タイムのことは置いといて、この1週間は今までの試合の中で一番充実していたし、気持ち的にも緊張感を満喫して濃密だった。去年いろいろ経験して、今思うのはあきらめないで、最後まで続けてきてよかった。後輩たちが迷ったら、どんと背中を押してあげたい」と語った。
 
全レースが終了した直後に、ロンドンオリンピック競泳日本代表内定式がプールサイドで行われた。ジャパンのトレーニングウエアに着替えた男子13人・女子14人の27人の代表選手が晴れやかな顔で集合した.松田丈志選手が選手を代表して「センターポールに日の丸を合言葉に全員で頑張って来ます」とロンドンでの健闘を誓った。全員で場内を一周しながら水泳連盟のマスコットを観客席に投げ入れた。鈴木聡美も加藤和も加藤ゆかもカメラの放列に笑顔を向けた。
神田忠彦監督は「鈴木聡美については予定通り、200mは勝たないといけないので安全策で行った。前半もっとタイムを上げられる。泳ぎとしては抜群でした。加藤和はプレッシャーの中でよくやった。一度つまづいているのは怖いですから、怖さを克服したという点では勇気があった。嬉しいですけれど、オリンピックで記録を出さなければいけないので、喜んでいられない。今からですね」と語った。
 
50mのレース、私の精一杯を出し切りました。
この一年、本当に充実していたし、濃密でした。
所属である山梨学院の関係者には、自衛隊体育学校への出稽古など、
私のワガママを聞き入れて頂きました。
自衛隊体育学校の関係者の皆さんにも、最大のサポートをして頂きました。
もう一度、チャレンジ出来たことに幸せを感じます。
この1年、しっかり水泳と向き合って分かったこと!
やっぱり私は、水泳が大好き!だと言うこと。
レース後は、まだまだ泳ぎたいなぁ〜と思っていました(笑)
旦那さんからは、「ママになってから、泳ぎたかったら、泳ぎなよ!」って。
まずは、病気のこともありますが、ママになれるように努力します。
「アマチュア」に引退はありません!
だから私は、引退するつもりもないし、大好きな水泳を続けていく予定。
「いい加減、しつこい!」と怒られるかもしれませんね(笑)
「blog萩原智子のいつも笑顔で・・・」ロンドン五輪選考会より抜粋
 
「五輪」という目標をつかむことはできなかった
しかし、年齢も手術も乗り越えて挑んだ君の姿は
とても多くの人に感動を与え 人の心をつかんだ
人はどんな環境にあっても目標を持つことが大切
人はチャレンジャー、だれもが皆チャレンジャー
大切なのは勝つとか負けるとかということではなく
目の前にある現実から逃げずに自分の心に挑むこと
君がそう教えてくれた
 
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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