
山梨学院生涯学習センター(永井健夫センター長)は4月25日、大学生涯学習センター講義室で「やまなし学研究2012」第1回講座を行った。「やまなし学研究」は、向学心豊かな中高年から高い支持を得ている人気講座。山梨の文化・社会・風土について、一般の社会人と総合基礎教育科目として履修する大学生が、同じ講義室でともに学ぶユニークな地域学研究。昨年度までは年間を通して学ぶスタイルであったが、今年度からは4月からの前期コースと9月からの後期コースに分けてテーマごとに受講者を募る形に変わった。今年度前期テーマは、山梨の観光について考える「観光立県の行方」。後期テーマは、従来から人気の高い「「甲斐の国人物伝」の二本柱で実施される。前期第1回は 、現代ビジネス学部藤原邦彦教授が「ホスピタリティ産業の視点から見る山梨の観光」と題して講義を行った。
山梨学院大学では2012年度から、法学部・現代ビジネス学部・経営情報学部で、[学部横断型副専攻]として「観光・ホスピタリティ」「スポーツアドミニストレーション」「国際教養」の3分野について、学部の枠を超えて学べる制度をスタートさせた。「やまなし学研究2012」前期のテーマである「観光立県の行方」は、「観光・ホスピタリティ(おもてなし)」の視点から山梨の観光産業を見つめて行くことにしている。第1回の講義には、社会人と学生合わせて80人が出席した。講義に先立ち、やまなし観光推進機構の
窪田克一専務理事が「観光行政は、団体旅行客の旅館街誘致を目的にした時代から、どのようにして地域振興を図るかを考える時代に変わった」と行政側の対応を参加者に説明した。第1回講師を務めた藤原邦彦教授は、1943年生まれ、茅ヶ崎市在住、立教大卒業後、大成建設に入社、名古屋支店・本社営業部・国際事業本部などに勤務、東京ディズニーランド隣接のシラトンホテルや恵比寿ガーデンプレイスなどのホテルプロジェクトに参加した元企業人。立教大・山梨学院大の非常勤講師を経て、2005年から現代ビジネス学部教授。
藤原邦彦教授は「山梨の人にとってのごちそうは、マグロの刺身をはじめとする海の幸や外来の食材かも知れないが、県外からの来訪者は、山梨の地産物である四季折々の食材を食べたいと楽しみに来ている。ホテルや旅館、そしてレストランなどは来訪者向けに"山梨県産メニュー"をもっと考えてほしい。山梨で採れる上質な野菜や肉、淡水魚、種々の自然味あふれる食材、あまりにも当たり前にある自然資産にもっと自信を持ち、もっともっと売り込んでほしい」と呼びかけた。そして、「笑顔でも、作り笑顔は相手に分かってしまう。おもてなしを学生に教えることは出来ない。おもてなしの心は、育つ家庭と環境、地域が育てるもの」と講義を締めくくった。
「やまなし学研究2012」前期コースの申し込み受付は4月末まで。後期コース「甲斐の国人物伝」の申し込み受付期間は、8月22日(水)から9月5日(水)の間、往復はがき限定(1枚1名、9/5必着)となっている。
文(M.I)カメラ(平川大雪)
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