
第64回春季関東高校野球大会山梨県大会は4月30日、小瀬球場で3回戦の残り3試合を行いベスト8が出揃った。山梨学院高は第1試合で駿台甲府高と対戦した。初戦の日大明誠高戦では、2回5失点で降板したエースの廣瀬直紀が、この日は投球フォームをシニア時代からのセットポジションに戻して好投した。バランスの取れたフォームから速球とスライダーをリズムよく投げ分け、4回にマックス142キロを記録するなど、5回4安打1失点で勝利投手となった。9人中7人が左打者の山学打線は、初回に主将の4番小林義弘が2塁打を放ち先制、全員が低い打球を打つバッティングを心がけ、駿台甲府の2人の投手から14安打を奪い11対1(5回コールド)で大勝した。次は準々決勝、5月3 日小瀬球場13時30分開始予定で、甲府商業とベスト4を賭けて対戦する。
春季関東高校野球県大会3回戦≪山梨学院vs駿台甲府≫(4/30)小瀬球場
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合計 |
駿台甲府高 |
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0 |
1 |
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0 |
× |
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× |
× |
1 |
山梨学院高 |
3 |
0 |
5 |
1 |
2 |
× |
× |
× |
× |
11 |
(5回コールドゲーム)
バッテリー廣瀬―矢崎
2塁打 小林・福本
山学14安打・駿台4安打、エラー駿台2、
昨夏の甲子園を経験しながら、初戦の日大明誠戦では、相手の4番青木にいきなり2点本塁打を浴びるなど2回5失点の乱調でいいところなく降板した廣瀬直紀(3年)が、中1週間で自分のピッチングを取り戻した。制球が乱れた前回の反省から、高校から始めた(振りかぶって投げるので球威を高めることは出来るがコントロールはつきにくい)ワインドアップから、シニア時代から体に馴染んでいる(個人的にはコントロールがつけやすい)セットポジションに戻して、この春2度目のマウンドに立った。結果的には、初回から134キロ前後の速球を投げ込み、4回にはマックスの142キロを記録するなど、バランスの取れたフォームから、ストレートとスライダーを投げ分け好投した。3回にポテン ヒットと3塁手の頭を超える不運なヒットが続き1点を失ったが、4安打、4奪三振、無四球、72球で勝利投手となった。
打線は、1回裏に4番小林義弘(3年)と5番福本大賀(2年)の連続2塁打で3点を先行するなど、打線がつながり駿台の佐藤・小林両投手から14安打・5四死球を奪い5回までに11点を上げてコールド勝ちを収めた。今シーズンの山学打線は、『低い打球を打つこと』をチームテーマにしている。無理に長打を狙わずに、低い弾道で打ち返す野球を練習で心がけている。その成果がこの試合に出た。内野手のわずか右わずか左を抜けるヒットが何本も生まれた。外野に凡フライを打ち上げたのは2本だけだった。
廣瀬直紀投手は「前回悪すぎたので、色々考えてセットポジションに戻した。自己採点では40点ぐらいの出来、切れのいい強いボールを低めに投げることを目標にしているので、次はもっといい投球をしたい」満点には60点足りないと振り返った。
小林義弘主将は自らの体幹強化について「冬場にウェートトレーニングをしっかりやって体が一回り大きくなった(身長は1cm伸び188p・80s、体脂肪は15%から13%に減)、去年チーム2位だった体力テストでチーム1位になった。疲れた状態でも同じ打球が飛ばせるようになってきた」と話し、キャプテンとしては「次の甲府商業戦でも、打線のつながりで接戦をものにするよう全員の力を合わせたい」と語った。
須田喜照監督は「廣瀬には、前回の後、セットポジションで投げ分けてバッターのタイミングを外す方法もあったのではとアドバイスした。まだまだだが、前回よりは良かった。上の戦いになればなるほど1点を争う勝負になる。それぞれが役割を果たし、しっかり守りしっかり打つ野球をやりたい」と語った
ベスト8に勝ち上がったのは、東海甲府・吉田・甲府商業・富士河口湖・笛吹・山梨学院・甲府工業・甲府城西の8校。山梨学院高の対戦相手は甲府商業、5月3日小瀬球場13時30分開始予定。打球を低く強く弾き返す野球が、山学球児を夏の甲子園に導くはずだ。甲子園で勝つ野球をするために、チームは低弾道野球に磨きをかける。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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