
第64回春季関東高校野球大会山梨県大会は5月4日、小瀬球場で準々決勝4試合が行なわれた。この春3戦目の山梨学院高は第3試合で甲府商と対戦した。山梨学院はこの日も打撃陣が好調、初回から打線がつながり犠牲フライで先制、3回と4回に3点ずつを奪い、5回表までに7‐0と大きくリードし圧勝かと思われた。しかし、エースの廣瀬直紀が初戦と同じようにピリッとしなかった。4回までは味方の好守備に助けられ零点に抑えていたが、5回裏にこの回先頭の9番と次打者の1番に連続四球を与える独り相撲から大きく乱れた。2番に絶妙のバンドを決められ無死満塁のピンチを招き、3番と4番にストレートを弾き返されて2失点、さらに5番の時に暴投で1点、犠牲フライで1点を与えた。 ベンチはたまらず平間凜太郎にスイッチ。平間は1塁ゴロの間に3塁ランナーの生還を許したが、後続を断ち、チームを立ち直らせた。打線は6回に4点、8回に1点を追加、12対5(8回コールド)で甲商を振り切った。
春季関東高校野球県大会準々決勝≪山梨学院vs甲府商業≫(5/4)小瀬球場
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1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
合計 |
山梨学院 |
1 |
0 |
3 |
3 |
0 |
4 |
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1 |
× |
12 |
甲府商 |
0 |
0 |
0 |
0 |
5 |
4 |
0 |
0 |
× |
5 |
(8回コールドゲーム)
バッテリー 廣瀬→平間−矢崎、
3塁打 安並、2塁打小林・福本・加藤・大下、
安打 山学17・甲商8、エラー山学1・甲商3、
昨夏の甲子園投手廣瀬直紀(3年)の調子が不安定だ。初戦の日大明誠戦は、2回5失点の乱調でいいところなく降板。中1週間で登板した3回戦の駿台甲府戦では、投球フォームをワインドアップからシニア時代から馴染んでいるセットポジションに戻し好投した。この日の準々決勝は、雨で1日順延となったため中3日で登板、3回戦同様にセットポジションで投げた。しかし、ピリッとしなかった。立ち上りから直球に伸びを欠き、変化球に切れがなかった。特に5回裏は変化球が全く決まらず、先頭打者から2連続四球、カウントを取るために投げる甘いストレートを相手の中軸打者に連続痛打され4回3分の1でKOされた(7安打・4四死球・2三振・1暴投)。救援した平間凜太郎(3年)は、初 戦の日大明誠戦同様に、球速のあるストレートと切れのあるスライダーで投球を組み立て、甲商打線を1安打・4奪三振に抑えチームを勝利に導いた。一方、山学打線は相変わらず好調だ。1番の安並大輔(2年)は初回に四球、3回表に先頭打者で3塁打を放ち出塁。いかにも2番打者らしい小柄な青戸角太郎(3年)が技ありの3安打、3番抜擢の大下拓馬(2年)、主砲の4番小林義弘(3年)、5番福本大賀(2年)のクリーンアップがそろって長短打で打点を挙げチームを牽引、下位打線も6番渡辺拓夢(1年)3安打、9番加藤久也(3年)2安打など、1番から9番まで切れ目なく低い弾道を左右に打ち分けた。ただ、14残塁は反省点。
平間凜太郎投手は「今日は真っすぐが走っていたので、真っすぐで押しました。85点から90点の出来だと思います。次も頑張りたい」と投球を振り返った。
小林義弘主将は「今日の反省点はバンドが一発で決まらなかった事。明日の試合は接戦になると思うので、送りバンドをしっかり決めて、自分たちのペースで試合を進めるようにしたい」とチームプレーを反省した。
須田喜照監督は「打線はいいところで打ってくれたので良かった。廣瀬は調子が悪すぎた、課題を一つ一つ潰して行くしかない。廣瀬が良くなってくれればもっといいチームに仕上がる」とエースの復調を期待した。
ベスト4に進出したのは、東海甲府・富士河口湖・山梨学院・甲府城西の4校。春は4年ぶりベスト4進出の山梨学院高の対戦相手は、甲府工を3−2で振り切り進出した甲府城西、明日5月5日小瀬球場第2試合13時00分開始予定で対戦する。勝つと関東大会出場が決まる代表決定戦。山学球児はチーム一丸、全力プレーで関東切符を獲得する。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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