山梨学院パブリシティセンター
外国人留学生OB・OG講演会
〜日本社会で活躍する卒業生が後輩に講演〜
〜留学生活の目的を明確にし、進路選択の参考に〜

山梨学院就職・キャリアセンターと国際交流センターは、5月12日、山梨学院大学において、外国人留学生のためのOB・OG講演会を開催した。この講演会は、山学大に留学している留学生が、卒業後日本社会で活躍している先輩の話を直接聞くことにより、留学目的の確認と明確化、学習意欲の刺激と動機付け、進路決定の参考とするために3年前から実施。この日は、山学大を卒業し、日本国内の企業に就職した卒業生20人が来学。このうち3人が約30人の留学生を前に、現在の業務内容や大学時代の思い出、現役生に伝えたいことなどを思い思いの言葉で語りかけた。卒業生は日本語の勉強方法や夢を持つことの重要性などを語り、現役生たちは真剣な眼差しで聞き入っていた。また、講演会終了後には、卒業生と現役生との交流会も実施され、講演を行った3人以外の卒業生とも意見交換などを行い、現役生は先輩の体験などを聞き取り、自身の留学生活に役立てようとしていた。
留学生のためのOB・OG講演会は、山梨学院就職・キャリアセンターと国際交流センターが共同で企画し、今年度で3回目を迎える。今年度は20人の卒業生が、後輩たちの留学生活が充実したものになるよう協力し、来学。講演会は2部構成で行われ、第1部では講演と個別相談、第2部では卒業生と現役生との交流会が行われた。

第1部の冒頭で、小笠原高雪国際交流センター長は「一人一人の持ってる関心や将来の考え方は違うと思います。講演での全体に向けた話をしっかりと聞くことはもちろんですが、個別相談や交流会で質問ができれば、自分にとって貴重な情報源になると思います。きょうは、自分のニーズや関心のある質問ができるチャンスなので、最後まで積極的に参加して欲しい」と留学生に呼びかけた。また、帯金 久就職・キャリアセンター課長が「日本で就職するために身につけておくスキルとしては、日本語能力検定1級や母国語以外の言語ができれば強みになります。もちろんコミュニケーション能力を磨くことも重要です。山梨で留学生を採用する企業は限られていますが、全国では700社を超える企業が登録されています。住むところで決めるのではなく、やりたい仕事、何がしたいかをイメージすることで就職先は広がっていくと思います。色々な話を聞いて、自分ができること、やりたいことは何か、そのためには何が必要かなど自分自身の現状を把握し、周りの社会等の環境を理解しながら今後の学生生活を送ってください」とアドバイスを送った。

第1部の講演会では、3人の卒業生が約30人の現役生を前に現在の業務内容や大学時代の思い出、現役生に伝えたいことなどを講演した。2006年度に経営情報学部を卒業して、現在東京エレクトロン宮城株式会社でソフト技術部に勤務しているラシタ・エリヤワさんは「プログラマーになりたくて、大学時代は、伊藤栄一郎ゼミでロボットの研究をした。留学中、苦しいこともあったが、将来やりたい目標があったので乗り越えることができた。入社して5年が経つが、日本人と差が無いことを見せるために、入社1、2年は一生懸命努力した。社会では、成果を見せないと通用しない。諦めたら夢は叶わない、そこで終わりだと思う」と述べ、夢を持つことの大切さ、挑戦し続けることの重要さを時折ユーモアを織り交ぜながら説明した。2004年度に商学部を卒業し、現在は株式会社ニイガタマシンテクノに勤務している呂 彬さんは「日本語を習得するのに、家にいるときは、テレビをつけっ放しにしてヒアリングを鍛え、分からない言葉があればすぐに辞書を引いた。また、新聞を読むことで、言葉や日本経済、風習などを勉強することができた。日本に来た以上は、積極的に日本の知識や習慣、経済を勉強することが大切。日本企業への就職だけではなく、日本に市場を持つような日本に関連した会社に就職する際にも役に立つ」と自身の経験をもとに語り、日本語勉強法などのアドバイスを送った。2006年度に商学部を卒業し、現在、飯塚株式会社に勤務する楊 宏さんは女性の視点から家庭と仕事の両立について語り、「夢を追いかけ続けることが大事。夢を考え、夢に向かって追いかけられるのは学生時代。留学生は、海外に目を向け、世界の色々な部分を見てきているので、視野が広い。色々な分野を見ることで、自分の個性がはっきりして就職活動がうまくいく。前向きに挑戦することが大切です」と延べ、留学生の強みである視野の広さについて強調した。

3人の講演の後、それぞれの講演者を囲んでの個別相談が行われ、現役生からは、目標設定の仕方や日本での留学生活のポイントなどの質問が投げ掛けられた。また、第2部では20人の卒業生が参加して現役生と交流。現役生は卒業後の進路や職種など、自分が関心のある事柄を積極的に質問し、卒業生は親身になって答え、意義のある充実した時間を過ごしていた。
文・カメラ(Y.Y)
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