2012年関甲新学生野球春季リーグ戦1部(第6節)は5月13日、埼玉県の平成国際大学野球場で2戦目2試合を行った。第2試合は暫定2位の山梨学院大学が暫定4位の松本大学に1勝しての対戦。山学が松本に2対3で敗れた。山梨学院は高橋一三監督が、先発に2勝0敗2セーブの技巧派右腕・穴田真太郎(4年・PL学園)を起用したが、3回までに3点を献上。その後ルーキー右腕・松尾勇太(1年・米子西)を7回まで、8回から制球派右腕・諸見里尚(2年・糸満)に投げさせ、両投手は無失点に抑える好投。攻めては3回裏の二死後、2番・春山亮太(2年・神村学園)が0ー2と追い込まれた3球目をセーフティーバントで出塁。3番・加賀美祐樹(2年・東海大甲府)がフルカウントから四球を選び二死一二塁。4番DH・大沢和久(3年・光星学院)が1ー0からの2球目の「低目、真っ直ぐ」を迷わず叩き右中間を真っ二つに切り裂く2点タイムリーで2対3と追い上げる。その後も、再三ランナーを出しチャンスをつくるが、送りバントとあと一本が出ずに敗れた。これで山梨学院大は、通算成績で暫定1位の上武大に勝ち数で及ばず優勝争いから一転、2位争いへ後退した。
□暫定2位の山梨学院は4対3で勝ち、むかえた松本大戦。1番・渡辺晶也(3年・山梨学院)がバッターボックスに向かった。
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松 本 |
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山梨学院 |
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2 |
●[山梨学院](1勝1敗〈通算 勝ち点2 5勝3敗〉)
●【投手】
●穴田(勝ち投手〈2勝1敗2セーブ〉)投球回数3回、打者14、打数10、投球数48、安打2、犠打1、四球2、死球1、三振3、失点3、自責点3
●松尾 投球回数4回、打者16、打数14、投球数57、安打1、四球2、三振2
●諸見里 投球回数2、打者9、打数8、投球数39、安打1、四球1、三振2
●【捕手】高野、田中
◆後攻の山梨学院は、高橋一三監督が2勝0敗2セーブの技巧派右腕・穴田真太郎(4年・PL学園)をマウンドに上げ、捕手に高野照久(2年・市立川越)を起用した1回表。信頼のある穴田が1番打者に2ー2からの5球目を死球。続く2番打者を落ち着いて3球三振に打ち取り一死一塁としたが、3番打者の0ー2からワイルドピッチし進塁させ、さらに内野ゴロで二死三塁。続く、4番DHに中前適時打されあっさりと先制された。
◆2回裏の一死後、先発の左腕投手から主砲5番・中村圭輔(2年・熊本国府)が内野安打で出塁。6番・菊池紳弥(3年・学法石川)が四球を選び一死一二塁とし、続く打者の初球がパスボールとなり一死二三塁としたが、後続の打者が打ち取られ好機を逸した。
◆3回表、穴田が先頭の9番打者と1番打者を連続四球とし、犠打で一死二三塁、続く4番打者の中前への2点適時打で0対3とされた。
◆3回裏の二死後、2番・春山亮太(2年・神村学園)が0ー2と追い込まれた3球目をセーフティーバントで出塁。3番・加賀美祐樹(2年・東海大甲府)がフルカウントから四球を選び二死一二塁。4番DH・大沢和久(3年・光星学院)が1ー0からの2球目を迷わず叩き右中間を真っ二つに切り裂く2点適時二塁打で2対3と追い上げる。
◆4回表、高橋監督は穴田から、ルーキー右腕・松尾勇太(1年・米子西)に継投。松尾は6番打者と7番打者を内野ゴロに仕留め、8番打者に四球を与えるが、9番打者を内野ゴロに仕留め新人らしからぬ投球を披露。
◆4回裏、この回から代わった左腕投手から6番・菊池が内野安打で出塁。7番・高野照久(2年・市立川越)が四球を選び無死一二塁とし、ワイルドピッチで無死二三塁と絶好の好機、後続にあと一打が出ずに無得点。
◆8回表高橋監督が「球が浮いて来た」松尾を諦め、制球派右腕・諸見里尚(2年・糸満)に継投。諸見里は4番DHを3球三振に、5番打者を投手ゴロに仕留め二死。続く6番打者に中前安打、これを中堅手が「スライディングキャッチをしようと思ったとき、芝にスパイクが絡み足を取られた」と球が後ろに転がる間に三塁へ進塁されるが、諸見里は動じることなく7番打者を見逃しの三振に斬って取った。
◆9回裏、先頭の6番代打・岩渕智和(2年・樹徳)が内野安打で期待に応え出塁。途中交代の7番・田中貴也(2年・八重山商工)が犠打し一死二塁と得点圏に送ったが、後続が続かず2対3で敗れた。
□3回裏の2点適時二塁打を放った4番DH・大沢和久(3年・光星学院)は「2アウトから繋いでくれたチャンスだったので、自分もとにかく繋げようと打席に立った」と、無の境地で投手と対峙した。「狙い球を絞り、無心で低目の真っ直ぐを振り抜いた」と頬が緩んだ。右中間を真っ二つに切り裂く「二塁打で2者を還させ、流れを引き寄せられるかと思ったが」駄目だったと心境を語った。
□2安打と四球、盗塁でチャンスメーカーとして活躍した春山亮太(2年・神村学園)は「今日、監督さんから『この試合が最後のチャンス』と言われ、どうしたら塁に出られるか、ケースバイケースで考えた。3回2アウトでは、2ストライクと追い込まれたので自分の足を生かすセーフティーバントを試みたら上手く行った」と微笑んだ。「これからも、とにかく必死で頑張ります」と述べた。
□4回から7回まで無失点に抑えたルーキー右腕・松尾勇太(1年・米子西)は「ストライク先行でという、心で描いていたとおりのピッチングが出来た」と満足げ。しかし「7回に先頭打者を出塁させてしまったのが反省点」と自己を見つめた。「強気で投げるのが自分の理想、それには真っ直ぐと変化球にもっと磨きをかけたい」と貪欲に答えた。
□高橋一三監督は「情けない」と一言。打撃陣は「一番成功率の高いバントが出来ずに犠打1。それに見逃しの三振4、空振り三振が6と、もう一本が出なかった。プレッシャーに弱い打線では勝てない。これで、完全に優勝の目は無くなった。残念」と目を伏せた。「2位3位の争いとなる。これからは秋季を見据えた戦いをしたい」と語った。山梨学院は明日の正午から同球場で勝ち点を松本大と争う。
文(H・K)、カメラ(小池裕太)
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