山梨学院パブリシティセンター

関甲新学生野球春季リーグ戦1部(第6節)
〜山学・松本に勝ち越し 仕事人・7番田中が2点逆転打〜
〜1年・花城6回無失点『嬉しい誤算』と賞賛される熱投〜


2012年関甲新学生野球春季リーグ戦1部(第6節)は5月14日、埼玉県の平成国際大学野球場で1勝1敗同士となった山梨学院大学と松本大学戦を行った。山学が松本に3対1で勝ち、このカードを勝ち越した。高橋一三監督がマウンドに松本戦の1戦目中継ぎで1イニング投げた1年生右腕・花城大輔(1年・八重山商工)を起用した。花城が6回まで「毎回ランナーを背負いながらも安心してみていられるコントロールで、良く投げてくれてゲームになった。最初から100球と決めていた。本当に嬉しい誤算」と監督が賞賛する無失点の熱投。その後の7回から技巧派右腕・穴田真太郎(4年・PL学園)に継投。穴田が代わり端に1点を献上すると、8回表に沈黙していた味方打線が反撃。先頭の1番・加賀美祐樹(2年・東海大甲府)が右前安打と右翼手の後逸する失策で一挙に二塁へ進塁。続く投手前へのバントがフィルダーズチョイスを誘い無死一三塁。一死後、相手投手が4番DH・大沢和久(3年・光星学院)との勝負を回避する敬遠策で一死満塁。主砲6番・中村圭輔(2年・熊本国府)の犠飛で1対1。二死二三塁で、仕事人6番・田中貴也(2年・八重山商工)がスライダーを右前に運び3対1とし勝ち点を挙げた。山梨学院大は最終節で白鴎大と秋季リーグを睨み2位の座を争う。


山梨学院は昨日、松本大に敗れ優勝争いから一転2位争いとなった戦い。先攻の山梨学院は、1回裏、高橋一三監督がマウンドに松本戦の1戦目中継ぎで1イニング投げた1年生右腕・花城大輔(1年・八重山商工)を、捕手には高校時代にバッテリーを組んでいた強肩・田中貴也(2年・八重山商工)を起用した。

 
1
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合計
山梨学院
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0

0

3
0
3
松  本
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0
0
1
0
0
1

●[山梨学院](2勝1敗〈通算 勝ち点3 6勝3敗〉)
●【投手】
●花城 投球回数6回、打者24、打数23、投球数87、安打6、四球1、三振4、暴投1
●穴田(勝ち投手〈3勝1敗2セーブ〉)投球回数3回、打者12、打数12、投球数50、安打3、三振3、暴投1、失点1、自責点1
●【捕手】田中(盗塁刺 1)


◆1回裏、花城が1番打者に1ー1からの2球目を中前安打、続く2番打者を落ち着いて3球バント失敗に仕留め一死一塁。3番打者の一球目、捕手の田中が強肩を生かし盗塁を阻止し二死無塁。花城が3番打者を内野ゴロに仕留める落ち着いた立ち上がりを披露。

◆6回裏、花城が先頭の3番打者を内野安打で出塁させると、一塁に牽制球エラーで進塁を許すピンチ。4番打者が捕手の牽制を守備妨害し一死二塁。すると花城が崩れることなくリズムを取り戻し後続を右飛、内野ゴロに打ち取りマウンドを降りた。

◆7回裏、高橋監督が「花城は最初から100球と決めていた」と熱投する花城から最上級生の技巧派右腕・穴田真太郎(4年・PL学園)に継投。穴田が先頭の7番打者に右中間を破る二塁打で出塁させると、8番打者と9番打者を空振りの三振に斬り取り二死二塁。続く1番打者に右前安打され、右翼手のホームへの返球でクロスプレーとなったが生還を許し0対1とした。

◆8回表、先頭の1番・加賀美祐樹(2年・東海大甲府)が3ー1からの5球目を右前安打すると、右翼手が打球処理を後逸する失策で、加賀美が一挙に二塁へ進塁。2番・春山亮太(2年・神村学園)が投手前へのバントを試みると、これを相手投手がフィルダーズチョイスし無死一三塁。3番・菊池紳弥(3年・学法石川)の左飛で春山が二塁へ進塁。一死二三塁で強打者の4番DH・大沢和久(3年・光星学院)。相手投手が大沢との勝負を回避する敬遠策で一死満塁。主砲6番・中村圭輔(2年・熊本国府)が左ポール側へのフェンスぎりぎりの大飛球を放ち、これが犠飛となり1対1とした。このタッチアップで進塁した二三塁の走者を、仕事人6番・田中貴也(2年・八重山商工)が2ー2から邪飛でねばり7球目の「スライダー」を右前に運び、2人の走者を生還させ3対1と勝ち越した。

◆9回裏、穴田は先頭の6番代打を三ゴロに、7番打者に中前安打を許すと、8番代打の2球目を暴投し一死二塁としたが、気持ちで8番代打を遊ゴロに、9番打者を三ゴロに仕留めチームに勝ち点を与えるとともに自身にも3勝目をもたらした。


□二死二三塁から勝ち越し打となる右前に2点適時打を放った仕事人6番・田中貴也(2年・八重山商工)は「中村が同点にしてくれたので、気楽に打席に立てた」と中村に敬意を表した。「こうした場面で打てるようにと日頃、練習して来ているので是が非でも打ちたかった」と「外のスライダーに必死に食らい付いて、バットに当てた」と笑顔で振り返った。

□6回を熱投しゲームをつくった1年生右腕・花城大輔(1年・八重山商工)は「松本戦で一昨日投げたが、自分のピッチングが出来なくて不甲斐ない結果に終わり、伊藤コーチに喝を入れてもらい、次投げる時にはリベンジしたいと思っていた。今日はそんなに調子は良くなかったが、リベンジのチャンスなので気持ちを込めて投げた」と、毎回打者を塁に出したが「点数を取られることを考えずに、一個一個ずつ自分のピッチングに徹し投げた結果、無失点に抑えられた」と振り返った。また登板機会があれば「勝負ごとなので1年生だとかは関係ないので積極的にチャレンジしたい。そして、どんな相手にも立ち向かって行きたい」と闘志を燃やしていた。

□花城をリリーフし3勝目を挙げた最上級生の技巧派右腕・穴田真太郎(4年・PL学園)は「花城が6回まで零点に抑えてくれて、一点取られてしまい。チームに花城に申し訳ない」と頭を下げた。「身体が、ちょっとしんどかったので気持ちで、バッターを抑えに行った」と投球を振り返った。「4年生なので次の週で春は最後になる。相手は白鴎だが、チームが2連勝して次の秋の戦いに繋げるためにも、後悔しないピッチングでチームに貢献したい」と述べた。

伊藤彰コーチは「厳しい戦いだった」と言葉を吐いた。「勝ったから良いという、考え方もあるが、内容を求めた勝ちにしなければならない」と注文を付けた。「送るべきところで送り、無駄な走塁ミスなど、自分達でチャンスを潰している」と指摘。「反省すべきところは反省し、一つ一つのプレーを大切にし山梨学院の容(かたち)を確りつくり、白鴎戦に備えてもらいたい」と力説した。

高橋一三監督は「疲れる野球だった」と一言。「1年生の花城が初先発にも拘わらず、毎回ランナーを背負いながらも安心してみていられるコントロールで、良く投げてくれてゲームになった。勝利投手にとも思ったが、最初から100球と決めていた。本当に嬉しい誤算」と安堵の胸をなでおろす。「それにしても、打撃陣はイライラするぐらい、うちの良さが出せていない」と語尾を強めた。「穴田は、ここに来て調子を落としているが、今日、勝利投手となり山田と3勝で並んだ。後、一枚欲しい」と、今季登板した3年の倉本、2年の諸見里・山本・桃原、1年の花城・松尾・土屋らの投手には積極的にアピールしてもらいたい素振り。最終節の「白鴎には、このところ勝利していないので、秋季に繋げるために勝ちに行きたい」と語り球場を後にした。山梨学院大は5月19日から上武大学野球場で行われる最終節で白鴎大と秋への布石となる2位の座を争う。
文(H・K)、カメラ(小池裕太)
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