山梨学院パブリシティセンター
関甲新学生野球春季リーグ戦1部(第7節)
〜山学・白鴎に勝ち越し、昨秋に続く2位死守〜
〜最多勝利賞 山田、首位打者・新人賞 中村〜

2012年関甲新学生野球春季リーグ戦1部(第7節)は5月21日、群馬県の上武大学野球場で3戦目1試合を行った。1勝1敗となった山梨学院大学と白鴎大学が2位争奪戦をくりひろげ、山学が白鴎に5対4で勝った。後攻の山学は高橋一三監督が先発に技巧派右腕・穴田真太郎(4年・PL学園)を起用。その穴田が先頭打者に四球を与え、犠打と2回のワイルドピッチで先制点を与える。山学は3回裏、4番DH・大沢和久(3年・光星学院)が左前同点打、続く主砲5番・中村圭輔(2年・熊本国府)が左線を破りフェンスに到達する適時打で3対1と逆転。監督が「最多勝利賞がかかっていたので、5回からは山田と決めていた」と、力投派右腕・山田祐也(3年・山梨学院)をマウンドへ、その代り端に3対2と追い上げられるも、7回裏に代打・酒井雄史(2年・木更津総合)が左翼手の頭上を越えフェンスに当たる三塁打で5対2とリードを広げる。3点差をもらった山田が8回に1点、9回に1点を献上するが、ひょうひょうたる風貌で力投し5対4とした。山梨学院は白鴎に勝ち越し、昨秋に続く2位を死守し3強の一角を揺るぎないものにして、秋季リーグに向け弾みをつけた。最多勝利投手に山田(5勝)、首位打者と新人選手賞に中村が輝いた。
□昨日、白鴎に敗れ1勝1敗とした山梨学院は、高橋一三監督が春季2位争奪戦の先発に3勝1敗3セーブの技巧派右腕・穴田真太郎(4年・PL学園)を起用した。

 
1
2
3
4
5
6
7
8
9
合計
白  鴎
1
0
0
0
1
0

0

1
1
4
山梨学院
0
0
3
0
0
0
2
0
×
5

●[山梨学院]
●【投手】
●穴田 投球回数4回、打者18、打数13、投球数58球、安打1、犠飛1、四球3、死球1、三振1、暴投2、失点1、自責点1
●山田 投球回数5回、打者24、打数23、投球数80、安打9、四球1、三振4、失点3、自責点1
●【捕手】田中
●二塁打 中村、三塁打 酒井
◆山梨学院は1回表、穴田が先頭打者に四球を与え、犠打で一死二塁。3番打者の初球ワイルドピッチで三進、2球目もワイルドピッチで生還を許し先制点を呆気なく与える。
 
◆2回裏、先頭の4番DH・大沢和久(3年・光星学院)が1ー0から左前安打で出塁。続く、主砲5番・中村圭輔(2年・熊本国府)が3ー1から四球で歩かされ無死一二塁。6番・菊池紳弥(3年・学法石川)の犠打で一死二三塁としたが後続が倒れ好機を逸する。
 
◆3回裏、先頭の9番・大丸浩平(2年・甲府商業)が1ー0から右前安打、主将1番・高田千暉(3年・木更津総合)の犠打で一死二塁。2番・春山亮太(2年・神村学園)の内野ゴロで二死三塁。3番・加賀美祐樹(2年・東海大甲府)が四球を選び二死一三塁。前打席で左前安打を打っている4番DH・大沢が、0ー1から左前に打ち返す適時打で同点とすると、続く主砲5番・中村が「大沢さんが同点にしてくれたので、何とか一本出したい」と打席に、3ー1から「執念でインコースの真っ直ぐ」を打ち、左線を破りフェンスに到達する2点適時打で3対1とする。
 
◆4回表、穴田は7番打者を0ー1から投手ゴロに、8番打者を2ー1から三ゴロに、9番打者を遊飛に仕留めリズムに乗る投球を披露。
 
◆5回表、高橋一三監督が「最多勝利賞がかかっていたので、最初から5回からは山田と決めていた」と、4勝1敗1セーブの力投派右腕・山田祐也(3年・山梨学院)にマウンドを任せた。その代り端に山田が、1番打者にテキサスヒットを許し無死二塁、続く2番打者に右前安打され無死一三塁、迎えた3番打者を内野ゴロに仕留めるが、野手がホームを突く走者を見て捕手へ悪送球し3対2と追い上げられる。
 
◆7回裏の二死後、9番・大丸が四球を選び出塁。続く、主将1番・高田の内野ゴロが1塁への失策を誘い二死一三塁。ここで高橋監督が2番打者の代打に酒井雄史(2年・木更津総合)を迷わず投入。酒井が監督の期待に応え1ー1から振り抜くと、左翼手の頭上を越えフェンスに当たる2点三塁適時打で5対2と引き離す。
 
◆8回表、山田が4番打者に右前安打、5番DHに左前安打、6番打者を左飛、7番打者に左前安打され一死満塁、8番打者に内野安打され5対3。満塁のランナーを背負いながらも「点差があったので、焦ることはなかった」と、ひょうひょうたる風貌で9番打者を三ライナーに、1番打者を空振りの三振に仕留める力投。
 
◆9回表の一死後、山田が3番打者に内野安打、4番打者に左前安打、5番DHに中前適時打を許し5対4と追い上げられるが、二塁走者を三遊間で挟みタッチアウト二死二塁。バックにも盛り上げられ山田が、6番打者を遊ゴロに仕留めゲームセット。山梨学院は8勝4敗の勝点4で秋季に続く2位とし、3強の一角を揺るぎないものとした。
□1点先制された3回裏二死一三塁の場面で左前に同点打した4番DH・大沢和久(3年・光星学院)は「凄い良いピッチャーだったので、チャンスは何回もないと思った」と打席に入った。「その中で巡って来た打席だった」。「真っ直ぐ、やや真ん中、ちょっと差し込まれたが、確り振り抜けた」と苦笑い。チームは「秋は、一つ上の優勝を目指すので、練習を積み、それに見合うバッティングを心掛けたい」と述べた。
 
□7回二死一三塁3対2で代打し左翼手の頭上を越えフェンスに当たる2点三塁適時打を放った酒井雄史(2年・木更津総合)は、「監督に5回前から準備しておけと言われ、準備していた」。打席に「とにかく、ランナーを還そう」と向かった。「流れを引き寄せたかった」と、「外のスライダーを叩いた。最終戦で打てて良かった」と喜びを全身で表し、「秋も出場できるように頑張りたい」と述べた。
 
【山梨学院表彰選手インタビュー】
◇5勝目を手にし、最多勝利投手に輝いた力投派右腕・山田祐也(3年・山梨学院)は、「この5勝は、皆に支えられた5勝。夏に鍛え、秋季には実力でタイトルを取れるようにしたい」と仲間に感謝しつつ、一心不乱に努力することを誓った。
◇首位打者と新人選手賞を受賞した主砲5番・中村圭輔(2年・熊本国府)は「ありがとうございます。いや、正直取れると思っていなかったので、びっくりしています。嬉しいです」と声を弾ませた。「秋に向けて、確りやり直して頑張って行きたい」と気持ちを引き締めていた。
【ベストナイン】
◇山梨学院から一塁手・菊池紳弥(3年・学法石川)、三塁手・中村圭輔(2年・熊本国府)がベストナインに選出された。
【平成24年 春季リーグ1部順位】
◇1位 上武大学、2位 山梨学院大学、3位 白鴎大学、4位 松本大学、5位 平成国際大学、6位 関東学園大学

主将・高田千暉(3年・木更津総合)は、「非常に疲れた」と一言。「白鴎も2位を狙いに来ていた。自分達も負けるわけにはいかないと、シーソーゲームが繰り広げられた」と、一呼吸おいて「ヒットは、5本しか出なかったが、ここというところで打ってくれて、そして良く守ってくれた」と壮絶な戦いを振り返った。「これで、秋に繋がったと思うので、秋は全員で一つ上の優勝を目指して頑張りたい」と抱負を述べ、春季リーグを終え「チーム全員に感謝したい」としみじみ語った。
 
伊藤彰コーチは「今日、一点差であろうが勝ったことが一番」と頷いた。今シーズンを「エース不在、怪我人が多い厳しい中で、今まで出場機会の少なかった選手が出場機会に恵まれた」と、間髪を容れず「野手も投手も、確りと準備をして来た選手が、予想以上の活躍をしてくれ底上げができた」と振り返った。さらに「コーチとして、秋に向けて、一つでも二つでも力をつけさせ、秋季リーグは最低でも関東出場(2位)、できれば優勝を狙いたい」と熱く述べた。
 
高橋一三監督は「密かに春、狙っていたが、エースの高梨や、主力バッターも怪我で欠け、まさか2位になれるとは思わなかった」と振り返り、「これも選手の頑張り」と褒め称えた。反面「この様な中で、多くの選手を出場させられた。打者では首位打者をとった中村や今日の試合で三塁打を放った酒井など、投手陣も最多勝利投手賞をとった山田、4勝を挙げた穴田など、それぞれが実践で力をつけて、選手層が厚くなった」と今季の成果を喜んだ。「秋は悪くても2位、できれば、その上を狙いたいね」と結んだ。

文(H・K)、カメラ(小池裕太)
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