
金環日食が日本の本州で129年ぶりの出現となった5月21日、山梨学院小学校(山内紀幸校長)で「金環日食観察会」が行われた。山梨学院小では、子どもたちの知的好奇心を高め、安全に観察することを目的に「金環日食観察会」を計画。この日は、通常より開門を20分早め、参加を希望する子どもたちにオクトーバー運動場とプレイコートを開放。山学小の児童・保護者だけでなく、山学小を卒業した山梨学院中の生徒や山梨学院幼稚園の園児(年長)とその保護者などおよそ500人が参加し、東の空を見上げ、金環日食の出現に期待した。金環日食の始まりとなる午前7時31分頃の甲府市酒折上空は薄雲が広がり、太陽が見え隠れしたが、食が最大となる午前7時33分頃には、くっきりとした太陽のリングが出現。雲が減光フィルターの代わりとなり、ケータイのカメラでも簡単に撮影ができ、参加者からは歓声があがり、子どもたちも大興奮の様子で世紀の天体ショーを楽しんでいた。
「金環日食」は、太陽と月と地球が一直線に並び、月が太陽を隠す「日食」が起こる際に、太陽が月より大きく見えるため、月のまわりから太陽がはみ出し、環状に見える現象。今回の金環日食は、日本の本州では129年ぶり、本州全域に渡り観測できるのは932年ぶり。この「世紀の天体ショー」に山梨学院小では、開門を通常より早め、運動場などを開放し「金環日食観察会」を開催した。子どもたちや保護者は、日食専用グラスを手に集まり、会場では、山梨学院小の小林祐一教諭(専門:自然領域)が時間ごとに太陽の様子や観察の注意点をアナウンスし、太陽のリングの出現に期待した。また、会場の一角には、天体望遠鏡が設置され、太陽投影板を通して太陽の影を見ることができ、デジタルカメラで撮影する参加者の姿もあった。金環日食の始まりの午前7時31分頃の甲府市酒折の上空は、雲が広がり、雲間から太陽が見える状態で、子どもたちは、東の空に想いを込めた。食の最大となる同33分頃には、子どもたちの想いが通じたのか、雲が減光フィルターの代わりとなり、くっきりとした
太陽のリングが出現し、子どもたちだけでなく、保護者からも大きな歓声が沸きあがった。
担当した
小林祐一教諭は「お天気に恵まれて良かった。めったに見られない天体ショーを、仲間と一緒に空を見上げたという経験は、大人になっても忘れられない経験になったと思う。6月には、太陽の前を金星が横切る天体現象もあり、今後も子どもたちの宇宙への興味を高めていきたい」と語った。
金環日食が次に日本で観察できるのは、2030年の北海道で、今回のように本州で広範囲に見ることができるのは、300年後の2312年。子どもたちは、この世紀の天体ショーを最後まで楽しもうと、東の空を見上げ、遠い宇宙の神秘に想いを馳せていた。
文、カメラ(Y.Y)
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