山梨学院パブリシティセンター
酒折連歌講座2012
〜連歌の歴史や短詩型文学に理解を深める〜
〜連歌の変遷や特色を川の流れに例え解説〜

山梨学院生涯学習センターと酒折連歌賞実行委員会は5月26日、酒折連歌講座2012を開講させた。この講座は山梨学院大学と酒折連歌賞実行委員会が主催する「酒折連歌賞」が10周年を迎えたのを記念して始まり、今年で5回目を数える。昨年と同様に3回の講座が企画され、第1回となる26日は、山梨県立大学名誉教授で俳文学会会員の両角倉一氏が講師を務め、「連歌の歴史−発生と展開−」をテーマに講演した。当日は、当初想定していた定員を上回る申し込みがあり、会場を変更して開講。会場となった山梨学院クリスタルタワー大会義室には、山梨県内から国文学や短詩型文学に興味がある80人を超える参加者が詰め掛け、連歌について興味を深めた。第2回目は6月9日に第十四回酒折連歌賞の選考委員の宇多喜代子氏(現代俳句協会特別顧問)を講師に迎え「短詩型文学のことばについて」をテーマに講演が行われる。第3回目は6月30日に同じく選考委員で歌人の今野寿美氏が「七五の魅力」について講演する。

酒折連歌講座は、山梨学院大と酒折連歌賞実行委員会が主催する「酒折連歌賞」が創設10周年を迎えた2008年に記念事業として実施され、その後も山梨県内への「酒折連歌」の普及・啓発、文学の振興、文化の創造に寄与するため毎年開講し、今回で5回目の開催となる。講座は全3回開講し、第1回目となった5月26日は、山梨県立大学名誉教授で俳文学会会員の両角倉一氏が講師を担当し、「連歌の歴史−発生と展開−」をテーマに講演した。「酒折連歌賞」は、2013年に山梨県で開催される文化庁などが主催する「国民文化祭」に、甲府市の主催事業としての参加が決定しており、この講座には、当初想定していた定員を上回る申し込みがあり、山梨県民の"酒折連歌"への興味・関心が伺えた。

講演に先立ち、この講座のコーディネーターを務めた酒折連歌賞実行委員会の川手千興実行委員長が講座の主旨説明と講師紹介を行った。講師の両角倉一氏は1936年東京都生まれ、1960年に東京教育大学大学院文学研究科(日本文学専攻)修士課程修了。東京都立高校の国語科教員を経て1967年から山梨県立女子短期大学(現・山梨県立大学)の国文科教員として教育・研究活動を行い、現在は山梨県立大学名誉教授。俳文学会や中世文学会に所属し、専門は鎌倉・室町時代の日本文学(特に連歌)。第一回から三回の酒折連歌賞の選考委員を務めた。

両角氏は、最初に連歌の定義について解説し、その後、連歌の歴史・変遷を川の流れに例えて、大和・奈良時代の連歌の発生から平安、鎌倉時代の連歌の流行など時代時代の連歌の特色などを詳説した。さらに、連歌最盛期である室町・安土桃山時代には、室町初期に連歌式目と呼ばれる連歌の全国ルールが作られるなど連歌の最盛期を迎え、各種の句集や論書が編集されたことを紹介。その中で、二条良基が日本書紀を読み解き、連歌の発祥は「酒折宮」であることを主張したことに触れ、酒折宮と連歌の結びつきを示した第一の功績者は二条良基であると述べた。また、講演の後半には、酒折宮と連歌の関係について触れ、古事記・日本書紀の両歴史書の記述の差異などについて語り、参加者らはメモを取るなどして両角氏の話に耳を傾け、連歌の奥深さについて理解を深めていた。

酒折連歌講座は、全3回開講し、第2回目は6月9日に第十四回酒折連歌賞の選考委員の宇多喜代子氏(現代俳句協会特別顧問)を講師に迎え「短詩型文学のことばについて」をテーマに講演が行われる。第3回目は6月30日に同じく選考委員で歌人の今野寿美氏が「七五の魅力」について講演する。

「酒折連歌賞」は今回で14回目を数え、"酒折連歌"は五・七・七の問いの片歌に、答えの片歌を五・七・七で返す二句一連の片歌問答。俳句などと違い、作歌上の約束事は五・七・七で返すことのみ。問いの片歌に続く答えの片歌を作者の感性で自由に発想し、老若男女を問わず詠むことができる歌遊び。今年の第十四回酒折連歌賞は4月1日から募集を開始しており、応募の締め切りは9月30日。最優秀作品には、大賞と文部科学大臣賞が贈られ、副賞として賞金十万円と楯などが添えられる。

詳しい募集内容と応募の問い合わせは山梨学院大学酒折連歌賞事務局(TEL055-224−1641 ホームページ
文・カメラ(Y.Y)
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