
山梨学院生涯学習センターは6月27日、第5回山梨学院理事長賞を受賞した江藤俊昭法学部政治行政学科教授の受賞記念講演会をクリスタルタワー生涯学習センター講義室で実施した。江藤教授は専門分野の地方政治・地方議会のあり方について「激動する地方政治―山梨・大阪・東北から考えるー」と題して講演を行った。講演会には一般の県民や大学生など約110人が訪れて席を埋めた。江藤教授は「地方政治が急激に変動して来た。あれもこれもの時代から、あれかこれかの選択の時代に変わった。大阪の橋下氏、名古屋の河村氏らの動きが注目されるが、水戸黄門主義やカリスマ性を持った人に手を叩いているだけでは無責任。地域の事は地域で考え、地域の住民が政策提言を積極的に行うべきである」と説いた。
山梨学院理事長賞は、教育・研究活動、学校改革、スポーツや芸術文化活動などで、法人の発展に貢献する顕著な功績があったと認められる教職員・団体に贈られる。これまでの受賞者は、第1回の平成19年度は小菅信子教授と法科大学院・短期大学。第2回は神田忠彦水泳部監督と附属中高・附属小。第3回は横森巧サッカー部総監督、川上隆史スケート部監督、上田誠仁陸上競技部監督の3人の名将。第4回は西田孝宏柔道部総監督とカレッジスポーツセンターに贈られた。今回の第5回受賞者は、個人表彰3名で江藤俊昭法学部教授(入試センター長)、寺本祐治ホッケー部総監督、星野武男施設部長の3氏に贈られた。
江藤俊昭教授は、法学部教授として専門知識を活かし、数多くのメディアを通じて地方議会のあり方など斬新な提言を行い、山梨学院の名声を高め、また、入試センター長としても活躍、山梨学院の発展に大きく貢献したことが評価された。寺本祐治経営情報学部教授・ホッケー部総監督は、ホッケー部監督として卓越した指導力を発揮し、女子ホッケー部のリーグ戦連勝記録を現在も更新し続け、日本ホッケー界やスポーツ界に優れた足跡を残したことなどが評価された。星野武男施設部長は、学園の草創期から建設期にかけて校舎建築などキャンパスの整備を担当し、長きにわたり学園へ献身し、今日の学園発展の礎を築いたことが評価された。
講演を行った江藤俊昭教授は、東京都出身、中央大学大学院博士課程後期課程満期退学。専門分野は地域政治、政治過程論。著書に「協働型議会の構想―ローカル・ガバナンス構築のための一手法―」など多数。
講演会は27日の午後6時から行われ、仕事帰りの県民や山学大の学生などが多数出席した。最初に
永井健夫生涯学習センター長が山梨学院理事長賞の由来について説明を行い、コーディネーターの
青山貴子副センター長が講演会の企画趣旨を説明した。
江藤俊昭教授はテーマを「地方政治の変動から考える自治」と「自治の原点と展望」の二点に絞って講演を行った。「地方政治が急激に変動して来た。あれもこれもの時代から、あれかこれかの選択の時代に変わった。大阪の橋下氏、名古屋の河村氏らの動きが注目されるが、困ったことの解決を水戸黄門に来てもらって解決することを願望する水戸黄門主義や、カリスマ性を持った人に手を叩いているだけでは無責任、黄門様が帰った後やカリスマ性のある人が去ったあとをどうするか、地域の事は地域で考え、地域の住民が政策提言を積極的に行うべきである」と説いた。山梨の動き、大阪の動向、先日視察した東北での体験を踏まえて出席者に意識の改革を求めた。
今回の講演会では、江藤教授の要請で、県議会の森屋宏議員、山梨県の田中聖也総務部長、山梨まんまクラブの若尾直子さんの3人が議会・行政・市民の立場からそれぞれ地域社会への提言を行い、曲がり角に来た地方の向かうべき先、目指すべき将来の姿を参加者とともに考察した。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
アルバムはこちら