
第44回全日本大学駅伝対抗選手権大会の関東学連推薦校選考会が6月30日、東京・国立競技場で行われ、山梨学院大がトップで本大会への出場権を獲得した。予選会は、1校2名の選手が1万メートル走るレースを4組行い、8名の合計タイム上位5校に本大会への出場権が与えられる。山学大は1組目が終った段階では8位だったが、2組目終了時点で圏内の5位に上がり、3組目終了時点では2位に躍進、第4組に出場した新留学生のエノック・オムワンバが断トツの強さを発揮、井上大仁も自己ベストの激走、1位通過で2年ぶり25回目の全日本大学駅伝出場権を危なげなく獲得した。昨年は箱根駅伝だけだったが、これで、今年は出雲駅伝・全日本大学駅伝・箱根駅伝の大学3大駅伝すべて に出場することになった。
梅雨の蒸し暑い日差しを避けて午後5時にレースが始まった。参加大学は20大学、1組40名がトラックを25周するレースを4組行ない、160名の合計タイムで大学順位を競い、上位5校に本大会の出場権が与えたれる。山学大の第1組は阿部竜巳(あべ たつみ 2年)と上倉利也(あげくら としや 1年)が先陣を切ってスタートした。2人は1万mのベストタイムが30分10秒台から20秒台の選手だがよく食い下がった。阿部が30分13秒37で14位、上倉が30分25秒49で19位、1組終了時点の大学順位は8位となった。第2組は土田俊徳(つちだ としのり 4年)と兼子侑大(かねこ ゆうた 2年)が出場した。土田がこの組1位でゴール、タイムは29分53秒2 5の好走だった。兼子は最後苦しくなったが粘り、30分13秒48の19位でゴール、2組終了時点で圏内の5位に上った。第3組はキャプテンの牧野俊紀(まきの としき 4年)と小櫃裕太(おびつ ゆうた 2年)が走った。小櫃は29分24秒89の5位でゴール、自己ベストを13秒近くも短縮させる疾走だった。主将の牧野は上位集団の後方でよく粘り29分37秒43の14位でゴール。2人の疾走と粘走で大学順位は一気に2位に浮上した。各校のエースクラスが走る最後の第4組に新留学生エノック・オムワンバ(ケニア出身 1年)と井上大仁(いのうえ ひろと 2年)が起用された。オムワンバは2000mでトップに立ち、城西大の村山紘太が食い下がったが残り8周からは一人旅とな った。最後は2位の村山以下を200m以上離して圧勝した。井上は終盤、東海大の中川瞭・帝京大の蛯名聡勝と激しい3〜5位争いを繰り広げ、自己ベストを5秒短縮させる29分01秒28の激走で5位に入った。この結果、最終大学順位は山学大が1位に輝いた。2位日体大、3位帝京大、4位神奈川大、5位東海大までに本大会の出場権が与えられた。6位の大東大は13秒差で涙を飲んだ。
牧野俊紀主将「最低でも7割を目標にして、全員が7割以上をクリアして力を発揮した。トップ通過できた事を自信にして、夏合宿で3大駅伝に備えたい」。
井上大仁選手「出場権を取れてホッとした。自分は最終組だったが、1組目からみんな頑張ってくれたので、思い切り走ることが出来た」。
エノック・オムワンバ選手「暑くて、調子はあまりよくなかった。27分台で走れなかったのは悔しいが、1位になれてチームに貢献できてうれしい」。それぞれが、それぞれの立場でレースを振り返った。上田誠仁監督は「去年の失敗を生かすということで準備を整えて、シミュレーションをしっかりやって挑んだ。それぞれがいいリズムを刻んでくれた。足並みを揃えることは望んでいない。それぞれのリズムが一つの音楽になればいいなと思っている。そういうものをさらに磨いて、秋冬のシーズンを戦いたい」と予選会を総括した。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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