山梨学院パブリシティセンター
全日本学生空手道選手権
〜保田恵美がラストチャンスで3位の座を獲得〜
〜仲村恵は2年連続して決勝トーナメント進出〜

第56回全日本学生空手道選手権大会が7月1日、大阪・大阪市舞洲アリーナで開催された。この大会は個人戦の学生日本一を決める大会。山梨学院大からは形の部に、男子2人・女子3人が関東大会を突破して出場した。風邪を引き体調を崩した主将の森田真亜沙と男子の2人は予選で敗退したが、保田恵美と仲村恵は予選を突破しベスト8で競う決勝トーナメントに進出した。このうち、最上級生になった4年の保田恵美は、準々決勝で国体優勝者の大野ひかる(同志社大)を下し準決勝に進出した。準決勝で清水希容(関西大)に敗れたが、4年最後の大会で、自身最高位の3位の座を獲得した。誰よりも早く道場に入り、誰よりも多く練習を重ねた努力が実を結んだ。仲村恵は準々決勝で敗れ5位となっ たが、2年連続の決勝トーナメント進出となった。仲村は3年生、保田の後を追い1年後に努力の花を咲かせる。
大会出場者は、形が男子34人・女子32人、組手が男子126人・女子81人、地区大会を突破した精鋭が大阪・舞洲アリーナに結集した。山学大からは、形の部に男女5人が出場した。予選は、男女ともに二つのグループに分かれて得点を競い、2グループの上位4人が決勝トーナメントに進む方式で行われた。女子の主将森田真亜沙(4年 横浜立野)は風邪で体調を崩し、喉が腫れて声が満足に出ない最悪の状態で臨み21.2で実力を出せずに予選敗退した。男子の本郷昭人(3年 高崎商科大付)は21.1、戸田大輝(2年 埼玉栄)は21.9に留まり3人は決勝トーナメント進出を逃した。保田恵美(4年 安芸南)と仲村恵(3年 沖縄・浦添)はともに22.0の得点、2人ともグループ 2位でベスト8入りした。

≪保田恵美・決勝トーナメント≫
準々決勝で保田が選んだのは「アーナン」だった。そして、相手の国体優勝者大野ひかる(同志社大3年)が選んだのも「アーナン」、2人は同じ形を演じた。5人の審判による旗判定は4−1で赤の保田に上った。下半身のパワーと演武の安定感で保田が上回った。続いて行なわれた準決勝の対戦相手清水希容(関西大1年)は、1年ながら関西第1代表、日本代表チームに選抜された新星。清水がゆっくりした動きと繰り返しの技が多い「スーパーリンペイ」だったのに対し、保田は演武時間が長く体力とスピードの切れが要求される難しい「チャタンヤラクーシャンク―」で対抗した。2人の演武終了後の旗判定は1−4で清水に上った。保田は悲願の決勝進出はならなかったが、全国規模の大会で3位の 成績を収めたのはこれが初めて。けっして強い選手ではなかった。先輩の矢野彩や同級生の森田真亜沙の動きを学び、誰よりも早く道場に入り、誰よりも多く練習を重ねた努力が、4年最後の大会で全日本3位という自己最高位に自分を引き上げた。
≪仲村恵・決勝トーナメント≫
空手発祥の地沖縄出身の仲村は、準々決勝で「スーパーリンペイ」を選んだ。ゆっくりした動きの静かな形からいかにパワーを発揮するかが難しい形。中盤までは理想的な動きをしていたのだが、後半の決め所で一瞬足が滑ってしまった。動揺を表に出さずに最後まで踏ん張って演じたが、終盤はいつもの大きい演技が出来ずにやや小さくなってしまった。5人の審判の旗は、いずれも対戦相手の鶴山千紗(京産大3年)に上った。さぞかし悔しかっただろう、だが仲村はまだ3年生、この大会は2年連続決勝トーナメント進出となった。大会でたくさんのことを学んだ、先輩からは努力することを学び、自らはミスの悔しさを味わった。この悔しさを薬にして、一歩一歩成長して行く。

保田恵美選手「1年から3年までは関東の3位が最高で、全日本では成績を残せずに来ました。悔しい思いをしていましたが、ナショナルチームの人たちがいっぱいいる中で3位になれてうれしい。これが最後、どうしてもという気持があったから頑張れたと思います。部活の4年間はきつかったけれど、みんなに支えてもらって歩むことが出来ました、充実した4年間でした」。森田真亜沙主将「体調管理が良くなかったが、学生最後なので、今迄やってきたことを出し切ろうと臨みました。決勝トーナメントに行けなかったけれど、同期の保田や後輩の仲村がいい演武をしてくれたので、自分の気持ちとしては、最後に仲間と一緒に頑張れて良かったと思います」。仲村恵選手「今回の大会は、沖縄らしくシーサーパワーで思い切りやることを目標にしました。練習でいい感じだったので行けるかなと思いましたが、いざコートに立ったら心とは逆に体が緊張してしまってミスが出ました。落ち着いた心が必要だと思います。いつもベスト8で止まっているので、次はそれより上に行けるように頑張りたい」。3人はそれぞれ自分の演武を振り返った。片田貴士監督は「保田に関しては4年間の集大成でいい形を打ったと思います。日々の練習から自分に妥協せずに、誰よりも早く来て、誰よりも練習する姿勢がこういう結果に結びついた。仲村は結果を意識し過ぎて力が入ってしまった。2年連続決勝トーナメントの舞台に上がったことを自信にして、もっともっと自分を追い込んで頑張ってもらいたい。森田は風邪で実力が出せなかった。男子は激戦の関東を2人が突破して出場した。戸口はもう少しで決勝トーナメントだった。ここから体つくりから始まって、もうワンランク上げる工夫をして来年に臨ませたい」と各選手の戦いを振り返った。

文(M.I)カメラ(平川大雪)
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