
第94回全国高等学校野球選手権山梨大会の開会式が7月7日、甲府・小瀬スポーツ公園野球場で行われた。参加38校のベンチ入りメンバー760名が、母校の名誉と甲子園出場を賭けて結集、午前8時45分、山梨学院高校吹奏楽部の82人が演奏する行進曲に乗って入場行進が始まった。選手団の最初に入場して来たのは、前年度優勝校の山梨学院高、先頭は優勝旗を持つ小林義弘主将、次いで校旗を掲げる坂上泰斗副主将、第1列は真ん中に捕手の矢崎海、左に左のエース廣瀬直紀、右に右のエース平間凜太郎、バッテリーの3人を始め、山梨学院の20人のメンバーは実に爽やかに堂々と行進した。富士学苑高の青木峻主将が「挫けそうになっても、夢に向かって精一杯、力一杯プレーします」と力強 く選手宣誓、いよいよ球児の夏が始まった。山梨学院高は8日、小瀬球場第1試合で日川高と対戦する。
開会式の式典音楽は、82人の大編成になった山梨学院高校吹奏楽部が単独で担当した。入場行進曲は大会の歌「栄冠は君に輝く」と「マーチ ブルースカイ」の2曲を交互に織り交ぜて上手に選手を導いた。
深澤瑞生部長は「試験期間もあって十分な練習は出来ませんでしたが、精一杯の演奏が出来たと思います」と演奏を振り返った。今年の先導は甲府商業高校ソングリーダー部。次いで各校の女子マネージャー代表が掲げる国旗・大会旗。そして、選手団が入場して来た。選手団の先頭は、前年度優勝校の山梨学院高、プラカードを持つのは3年生マネージャーの槇晴香さん、優勝旗を持つ小林義弘主将、校旗を掲げる坂上泰斗副主将、第1列は守備からリズムを作る山梨学院の象徴、バッテリーの廣瀬・矢崎・平間の3人、昨夏の甲子園を経験した5人も、今年初めてベンチ入りした15人も、実に堂々と爽やかに行進した。小林主将が優勝旗を返還、日本航空高の亀田裕介主将が準優勝杯を返還した 。山梨県高野連の小澤清会長は「高校野球選手である前に立派な高校生であれ、支えてくれている人への感謝の気持ちを胸に、フェアプレーに徹し清々しいプレーをしてほしい」と激励した。主催者の朝日新聞気賀沢祐介甲府総局長は「4000校余りが参加する大会で一度も負けないのはただ一校だけ、すべての学校がただ一度だけ負ける、そのただ一度の敗戦から何を学ぶのかが大切。この夏の思い出は、君たちにとって将来かけがえのない宝物になります」とエールを送った。選手宣誓をした富士学苑高校の青木峻主将は「私たち高校球児は、グランドに立って野球が出来ることに喜びを感じています。私たちが目指すホームベースには大切なものがあります。挫けそうになっても、夢に向かって精一杯、力一 杯プレーします」と力強い宣誓を行った。12日間の暑くて熱い戦いが始まった。
今年の優勝争いは、廣瀬直紀・平間凜太郎の二枚看板で2年連続6度目の甲子園に挑む第1シードの山梨学院、神原 友・本多将吾の二枚看板を擁し8年ぶり11度目の出場を目指す第2シードの東海大甲府、1年からレギュラーの3年生で固めた6年ぶり9度目を狙うBシード甲府工が軸になりそう。これに甲子園初出場を目指す第3シード富士河口湖、夏の大会初の4強以上を狙う第4シード甲府城西が追いかける展開が予想される。順調に日程が消化されれば、18日に準々決勝、21日に準決勝、22日に決勝戦がいずれも小瀬球場で行われる。山学ナインは、遠くは見ない。明日8日午前9時プレーボールの日川高戦に心と体のすべてを研ぎ澄ませて挑む。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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