山梨学院大学硬式野球部は7月14日、横浜市青葉区の日本体育大学健志台グラウンドでハワイ・アイランド・ムーバーズと国際交流試合を行った。試合前に両チームの選手が整列して、ペナントなどの記念品を交換し友好を深めることとフェアプレーを誓った。ムーバーズの監督は1983年から2年間、阪神タイガースの右腕として活躍したハワイ州出身のリチャード・オルセン氏。山梨学院大学の監督は元巨人軍の左腕として活躍した高橋一三監督。奇しくも日本の球界の元プロ同士の指揮官の対戦となった。試合は両チームがそれぞれ5投手を継投させ息詰るような投手戦となり延長10回0対0と引き分けた。試合終了後、監督同士や両選手が入り乱れて国を越えた熱い握手を交わし、記念写真に収まった。山梨学院大は野球部員全員の74名が参加、本場のベースボールを堪能するとともに学び、国を越える友情を育んだ。
国際交流試合 〈 山学大 対 ムーバーズ 〉日本体育大学健志台グラウンド
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□ハワイ・アイランド・ムーバーズ(HAWAII ISLAND MOVERS)は、1985年にハワイ州の日系3世のムーバー株式会社代表ドナルド・M・タカキ氏(ハワイ観光協会前会長、ホークツリーインターナショナル会長)が中心となり、ハワイ州に縁のあるアメリカ合衆国の大学野球選手の野球技術の研鑽と日本文化に触れてもらおうとメセナ事業として立ち上げた。
□自ら団長を務めるドナルド・M・タカキ氏は「日本の大学野球チームをハワイ州に招待しエクスチェンジでの交流を行っている。今回は20名の選手と4名のスタッフの24名で7月2日に来日。これまで7月4日・5日に仙台六大学野球連盟選抜と交流戦を行い、7日・8日には秋田県の大館樹海ドームで南東北大学野球連盟選抜、北東北大学野球連盟選抜と野球対抗戦を行い、9日から12日に日本体育大学健志台グラウンドで青葉区六大学の國學院大学、玉川大学、桐蔭横浜大学、日本体育大学と国際親善試合を行って来た。今日の山梨学院大学との交流戦は9試合目となる。明日、関西に移動し大阪学院大学や同志社大学、和歌山大学などと交流して7月23日に帰国する予定」と述べ、ハワイのイ オラニ・スクールの理事をも務めるタカキ氏は「野球のほかに、ソフトボール、バスケットボール、バレーボールでも日本とハワイ州との交流を推進している。今後、スポーツ全般で日本とハワイ州に縁のある学生に、グローバルな時代にグローバルリーダーシップスキルを修得させるためにも、日本とハワイ州の架け橋になりたい」と青少年の育成に造詣が深いだけに熱く語った。
□リチャード・オルセン監督は「日本チームの山梨学院大学は単独チームだけあって、まとまりがあり連係プレーなど巧みで良いチームだった。ムーバーズはアメリカ合衆国ハワイ州に縁のある大学野球選手の選抜チーム(即席チーム)なのでチームとして限界があり、得点できずにタフな試合となった」と日本の湿度の高さにも汗を拭っていた。
□山梨学院大学のスタンドで応援していた左腕・倉本晃(3年・富士学苑)は「日本の選手は試合で緊張し、かたくなりがちだが、ムーバーズの選手はダックアウトでも、プレーしている時でも、リラックスして試合に挑んでいたのが印象的だった。投手陣もマウンドで緊張することなく、ランナーを背負った中でも伸び伸びとリラックスして自分のピッチングを貫いていた。投手として見習うところが多かった」と真顔で感想を述べた。
□出場した高田千暉主将(3年・木更津総合)は「ムーバーズの選手のスイングスピードには驚いた。追い込まれたカウントからでも、そのスピードは変わらなかった。良い勉強になった。春季はエース高梨裕稔(3年・土気)など怪我人が多く万全な戦いができなかった。この国際試合が、怪我のメンバーが復帰した対外試合でもあったので、秋季に向けて収穫があった。これを契機に、秋季には関東大会へ出場し、神宮を目指したい」と声を弾ませた。
□高橋一三監督は試合を振り返り「国際交流試合だったのでベンチ入り25名の選手をできる限り起用した。観戦した選手を含め野球部員74名は本場のベースボールと日本の野球との違いについて、それぞれが何かを感じ取ってくれたと思う。実力的には伯仲し、得点圏にランナーを進めたが、後一本が出なかった。ムーバーズの選手は全員が積極的で、特に攻撃面ではここと決めたら、2ストライクからでも気負いなく思い切ってバットを振っていた。随所に見習うべきところがあった」。9月開催の秋季リーグ戦に向けて、「エース高梨が3月の巨人第2二軍戦以来の対外試合で3イニング55球を投げたのを始め、投手陣は好投し0点に抑え順調な仕上がりを見せてくれた。打撃陣はシーズンオフということもあって打ち込み不足で試合に挑んだので、散発6安打で得点を奪うことができなかったが、これから追い込み9月に備えたい。部員は今日の国際交流戦の経験を生かし、秋季には良い結果を残してもらいたい」と笑顔で語った。
文(H.K) カメラ(平川大雪)
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