
第94回全国高等学校野球選手権山梨大会は7月15日、小瀬スポーツ公園野球場で3回戦3試合が行われた。2年連続6度目の甲子園を目指す山梨学院高は、午前9時からの第1試合で塩山高と対戦した。7日に行われた初戦の日川高戦は、左のエース廣瀬直紀が先発し粘り強いピッチングで4安打完投したが、この日は右のエース平間凜太郎がこの夏初めて登板した。平間は140キロ台の速球と120キロ台の変化球を巧みに投げ分けて塩山打線に付け入るすきを与えなかった。終わって見れば11奪三振・散発5安打・無四球・129球の快投だった。打線は塩山高の中村勇太投手の巧投に苦しみながらも4回に大下拓馬の2塁打で先制、7回に3連打で2点、9回にも平間の3塁打を足掛かりに 1点を奪い4−0で勝利、ベスト8に一番乗りした。
夏の高校野球山梨大会≪山梨学院高vs塩山高≫(7/15)甲府・小瀬球場
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バッテリー 山学 平間−矢崎、塩山 中村−西川、
3塁打 矢崎・安並・平間(山学)、 2塁打 大下(山学)、
安打 山学9・塩山5、失策 山学0・塩山1、
3回までの山梨学院は塩山のエース中村勇太投手(3年)がサイドスローからあやつる108キロ前後の遅い変化球にタイミングが合わず、ヒット2本に抑えこまれた。一方、山学のマウンドにはこの夏初めて右のエース平間凜太郎(3年)が上がった。平間は143キロ前後の速球と、スライダーを中心にした110キロ台から120キロ台の変化球を内外角に投げ分け、1回裏には振り逃げを含む4者連続三振という珍記録を作るなど最高の立ち上がりを見せた。試合が動いたのは4回表だった。1死から4番の主将小林義弘(3年)が四球で出塁、初戦も活躍した5番の大下拓馬(2年)がセンター左を抜く2塁打を放ち、1塁ランナーの小林が一気に生還し先制した。その直後の4回裏に平間は2本のヒットを許し、2死1・2塁、この試合初めてピンチを向かえた。平間の課題はピンチの時の投球、この場面で前の打席でヒットを打たれた6番の丸山を向かえた。カウント2―2となった時、1塁手の小林主将がタイムを取ってマウンドに歩み寄り「小柄なバッターだが、甘く見ずにしっかり腕を振って投げろ」と声を掛けた。平間は落ち着いて投げ勝ち最初のピンチを切り抜けた。山学打線は中盤なかなか追加点を奪えなかったが、7回表に見事な集中攻撃を見せた。この回先頭の8番矢崎海(3年)がセンターの頭上を抜く3塁打を放ち、1番安並大輔(3年)もセンターオーバーのタイムリー3塁打を放った。さらに2番青戸角太郎(3年)がショートの頭を超えるヒットを放ち、3連打で2点を追加した。9回表には平間自身が3塁打で出塁し、安並の中犠飛で生還4−0と突き放した。平間は9回裏に2連打され1死1・2塁とこの試合2度目のピンチを向かえたが、焦らずに成長を窺わせる粘り強いピッチングをした、塩山の4番・5番を丹念なピッチングで打ち取り試合終了。最後の夏最初のピッチングは、11奪三振・散発5安打・無四球・129球の完封勝利となった。
須田喜照監督は「この試合は平間に尽きる、先頭打者を一度も出さない無四球、100点をつけなければ可哀そうでしょう、成長した平間を見れてうれしい。夏の大会でこういうピッチングが出来たことは自信につながると思う」と右のエースの好投を称えた。
小林義弘主将は「自分を含め3年生が硬くなっている中で、2年生が伸び伸びやってくれている。これからどんどん相手が強くなっていくので、クリーンナップがチャンスをものに出来るかに勝負がかかってくると思う、次は自分がチームのために貢献したい」と語った。
平間凜太郎投手は「これまで悔しい思いをして来たが、悔しさを夏に生かそうと思ってやって来た。今日はいいピッチングが出来たと思います。スライダーの切れが良かったので、フォークは後半に少ししか投げなかった。次に投げる機会があれば、今日のように矢崎のサインには首を振らないで矢崎を信じてコントロールに注意して投げたい。うちのエースは廣瀬だが、廣瀬と2人で甲子園に行きたい」と好投を振り返った。
ベスト8に進出した山梨学院高の準々決勝戦は、18日(水)小瀬球場第1試合(午前8時開始)で帝京三高と対戦する。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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