山梨学院パブリシティセンター
大学・短大教授陣4人が共同研究
〜料理カードによる栄養価計算システムを独自開発〜
〜研究成果を9月の日本栄養改善学会で発表〜

山梨学院大学健康栄養学部と山梨学院短大食物栄養科の教授と講師4人が、共同研究で、対象者が選んだ料理カードの一食分または一日分の栄養素量を瞬時に計算できるシステムを独自に開発、9月12日から名古屋・名古屋国際会議場で開かれる日本栄養改善学会で発表を予定している。研究開発に取り組んだのは、田草川憲男特任教授・大学健康栄養学部の藤井まさ子講師・短大食物栄養科深澤早苗教授・本長健介非常勤講師の4人。田草川・藤井・深澤の3氏が意見を出し合い、情報処理専門の本長講師がシステム開発を担当する形で1年間試行錯誤を繰り返しこのほど完成させた。開発されたシステムは、7月14・15日に開催された山梨学院短大オープンキャンパスでデモンストレーションが行われ 、キャンパスを訪れた高校生を対象にした「体験講座・料理カードによる食事バランス診断」にさっそく活用された。食生活改善に一役買う研究成果として注目されている。
開発された「料理カードによる食事バランス栄養価計算システム」は、市販の料理カードを活用し、対象者が選んだ一食分あるいは一日分の料理カードの栄養摂取量について総合計を瞬時に計算し、食事バランスガイドを用いて診断するシステム。従来からある既存システムは購入価格が100万円を超える高価なものであることから、低価格で手軽に使えるものは出来ないかと開発に取り組んだ。エクセルの特性を活用して、それぞれの料理のエネルギー・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量・カリウム・カルシウムなど、選んだ食事の合計栄養摂取量を表示する方式。計算で得られた数値を基に、棒グラフで食事バランスの是非や目安を示し、栄養比率を図表で視覚的に説明している。診断を受けた人 が、自分の食生活はどこが良くてどこが悪いのか、どの点に注意を払うと良いのか、一目瞭然で判る診断結果表に仕上がっている。

完成したシステムはUSBメモリーに保存できるため、イベント会場などで手軽に使うことができ、山梨県栄養士会と連携しながら、「いきいき山梨ねんりんピック」や各種講習会など県民の健康増進活動へも活用する予定。7月14・15の両日に行われた山梨学院短大のオープンキャンパスでは、デモンストレーションを兼ねて高校生を対象にした「学びの楽しさ体験講座・料理カードによる食事バランス診断」がスイーツスタジオ2階で行なわれた。会場を訪れた高校生は、自分が食べたい一食分のメニューを料理カードの中から選び出し、スタッフの短大生に渡していた。料理カードを受け取った短大生は、カード番号と摂取概量をパソコンに入力し、すぐにプリントアウトして診断結果を丁寧に説明し ていた。診断を受けた女子高校生の一人は「一目で栄養バランスが悪いと分かり、がっかりです。明日から食生活を見直さなくては。」とこぼしながら、受け取った診断結果表を笑顔で見つめていた。

研究成果の発表は、9月12日から14日に名古屋・名古屋国際会議場で開催される日本栄養改善学会で藤井まさ子講師が発表することになっている。研究グループは、今回のデモで得られた反省点を分析してさらに改善に努めることにしている他、8月のオープンキャンパスでも再度食事バランス診断を実施してデータ収集量を増やし、9月の学会発表に備えることにしている。

文・カメラ(M.T)
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