
「平成24年度全日本学生テニス選手権(インカレ)」が開幕した。大会はテニスの学生日本一を決める大会。山梨学院大テニス部女子は、創部7年目にして初めて二桁の10人を送り込んだ。今年の大会は岐阜市・岐阜メモリアルセンターが会場。8月15日から18日に予選、20日から26日に本戦の日程で開幕した。予選から出場組の中、シングルスの松田望実、下道愛里紗の2人と、ダブルスの田村実里・下道愛里紗組が予選を突破し本戦出場を果たした。本戦初日の20日は、シングルスの第1ラウンドが行なわれ、山学大からは本戦から出場の田村実里、岡田優里と、予選突破の松田、下道の計4人がコートに立った。4人のうち、下道愛里紗は股関節を傷めて途中棄権したが、残り3人は揃って勝利した。特に4年の松田望実は高校時代 は歯が立たなかった早稲田大の大石加奈子に逆転勝ちした。
山学大テニス部女子のインカレ出場者は、昨年の5人がこれまでの最高だったが、今年はその2倍の10人に一気に増えた。出場メンバーは、松田望実(4年 鳥取中央育英)、小泉嬉子(4年 宮崎商)、田村実里(3年 神奈川・弥栄)、大塚可奈子(3年 宮崎商)、泉水玖瑠美(3年 弥栄)、下道愛里紗(2年 福井・仁愛女子)、岡田優里(2年 四日市商)、中川知聡(2年 静岡市立)、久次米夏海(1年 大阪・城南学園)、本郷未生(1年 東海大相模)の10人。
10人のうち、シングルス田村実里、岡田優里の2人と、ダブルス岡田優里・久次米夏海組は本戦からの出場となった。15日から行なわれた予選の結果、シングルスの松田望実、下道愛里紗の2人と、ダブルスの田村実里・下道愛里紗組が予選突破し本戦への出場を果たした。高校時代の実績は少ない、いわば無名選手集団である山学選手たちは、横根テニス場で三好勲コーチの指導の下、厳しい練習を重ね一歩一歩着実に力と実績を伸ばして来た。
本戦初日の20日の岐阜市は最高気温33度の快晴、猛烈な暑さの中でシングルス第1ラウンド(1R)が行なわれた。山学大からは、本戦から出場の田村実里、岡田優里と予選突破の松田、下道の計4人がコートに立った。4人のうち、下道愛里紗は第1セット5-2と大きくリードしていた特に股関節を傷め、途中棄権を余儀なくされたが、残り3人は揃って勝利した。特に4年の松田望実が素晴らしい粘りのテニスで逆転勝利を収めた。
≪松田望実(山学大)vs大石加奈子(早大)≫
学生テニス界は、インターハイで上位に入った選手は揃って早稲田大に進む傾向が強く、高校時代に大きな実績のない松田にとって早大の大石はいわば格上の相手、第1セットは大柄な大石の勢いに押され4−6と奪われた。その上、第2セット前半は0−3と一方的にリードされた。しかし、松田はここから粘りを発揮した、逆襲に転じた。他の選手とは違う独特のグリップからスピンの利いたボールを打ち返し、大石を左右に揺さぶり、時に前に出て第2セットを7−5と奪い返した。逆転で向かえた第3セットは相手サーブの第1ゲームをブレークして勢いに乗った。勝敗を分けたのは第4ゲーム、15−40とブレークされそうになったところから踏ん張り、デュースを実に6回も繰り返した末に 奪い取った。ゲームカウント4−0としたこの時点で勝敗が決した。後は勢いの差で圧倒しファイナルセットを6−0として勝利した。午後2時20分に始まった試合が終ったのは午後5時27分、3時間を越える激闘の末の逆転勝ちだった。横根テニス場で4年間積み重ねた努力が凝縮され、結晶となって現れたような勝利だった。
松田望実選手は「ファーストはミスが多くて自分から落とした。セカンドは気持ちが落ち着き、長いラリーでもポイントが取れた。ファイナルは流れに乗って行った。2年・3年の時よりレベルアップして臨めたと思います。2回戦の相手はシード選手で強敵だが、強い気持ちを持ってファーストから思い切って行きたい」と激闘を振り返った。予選ダブルス勝利の後、前日に東京・有明で国体予選を戦い、とんぼ返りしてシングルスに勝利した
田村実里選手は「出だしは体が重くて悪かったが、少しずつ調整して前に出るように立ち位置を変えて粘った。明日はもっといい試合が出来るように、シングルスもダブルスも、両方頑張りたい」。ものすごく疲れているはずだが、気丈に力強く語った。
岡田優里選手は「いつもより調子がよくあっさり勝つことが出来た。明日の相手は第1シード(前年2冠覇者の早大桑田寛子)の選手なので、自分の力を全部出して挑みたい」と語った。2年の期待のレフティーは、4年の最強女王に全力で挑む。
平成24年度全日本学生テニス選手権 本戦初日(8/20) シングルス1R結果 |
○ |
松田望実 |
4−6
7−5
6−0 |
大石加奈子
(早稲田大) |
2R進出 |
○ |
田村実里 |
1−6
6−3
6−4 |
鈴木詩史
(日体大) |
2R進出 |
○ |
岡田優里 |
6−1
6−2 |
田崎千茶
(長崎国際大) |
2R進出 |
● |
下道愛里紗 |
6−7
RET |
国府礼央
(大阪体育大) |
負傷棄権 |
本戦2日目の21日は、シングルス2Rとダブルス1Rが行われる。山学大からは、シングルスに松田・田村・岡田の3人が出場する他、ダブルス1Rに田村実里・下道愛里紗組が出場する。ダブルス本戦から出場の春の関東大会ベスト4の岡田優里・久次米夏海組は1Rシードで22日の2Rから登場する。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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アルバム松田 |
アルバム田村 |
アルバム岡田 |
アルバム下道 |